2 神様ぁ
「ふぁ〜あ、よく寝た」
いい目覚めだな。ていうかここどこだろ。
あー、そういえば神様に転生されられたんだっけ。
クッソ、絶対復讐してやるからな。
なんだろ、さっきから体が何か動かしづらい気がする。
何というか、犬になったみたいだ。
自分の手を見てみる。
「何これぇぇぇぇ」
自分の手に肉球がついてました。
うっわ、まさかこれ人外転生系?これからどうしよ、頼れる人とかもいないし、終わった?
『今からあなたのステータスを表示します。』
突然だな。しっかしステータスか。確かに転生系ではよく見るな。
“ステータス”
{種族} 天狐
Lv 1
HP 10/10
MP 5/5
“スキル”
{固有スキル}
覇気Ⅰ
{通常スキル}
解析 解読 自動解説 神託
“技、魔法攻撃”
風魔法 雷魔法 火魔法 水魔法 神の雷
ん?天狐って狐のことだよな。え?じゃあ今俺は狐になったってこと?
しかも天狐って神獣って聞いたことがあるぞ。は?神様なにやっちゃってんの?俺は人間として街で静かに暮らしていきたかったんだけど。
『スキルの詳細を説明しますか?』
頼む。できるだけ詳しく。これ分からんかったら多分詰むよ。
◆◆◆
うんうん、だいたい理解できた。
[固有スキル]っていうやつが種族が元々持っているスキルで、“覇気”はそのまま覇気を発するスキルで、Ⅰはレベルらしい。
レベルが上がるごとに覇気の強さも上がるんだとさ。
[通常スキル]が生まれつきとか、何かの拍子についたスキルってことだ。
“解析”は色々教えてくれたり、ステータスを見たりすることができるスキルらしい。
“解読”は異世界の文字が読めるらしい。これは楽しみだな。で、“自動解説”はさっきの無機質な音声で色々説明してくれるやつらしいな。
どれも使いやすそうだし良かった。
そして、“神託”なんだけど、解説が『神と交信することができる。』だってさ。
これどんな感じなんだろ。
〔それは儂が勝手につけたスキルじゃ。神といえど話し相手がおらんかったら寂しいじゃろ。だから、お主に話し相手になってもらおうかのうと思って〕
おぉ、びっくりした。っていうか、このスキル勝手につけたのかよ。
〔神様ぁ、何やっちゃってんですか。天狐って絶対やばい部類に入りますよね。僕はただただ静かに異世界ライフを送りたいんですけど。後尻叩かれたの許してませんよ〕
俺の声は天界にも届いているようだ。
〔それはなぁ、儂としても実験してみたかったんじゃ。天狐っていうのはお主の世界では伝説で、もう絶滅したと考えられているようじゃな(尻叩いたのはお前が起きなかったからじゃ)〕
...おおおおおおい、神様ァァァァァ
伝説?もう絶滅した?なんだよそれ、人に見つかったりしたら絶対やばいやつじゃん。
第一、異世界拒否ってる奴にこんな大役担わせるか?ハァ。
〔まぁまぁ、そんな怒るなって。もしかしたら将来ものすごいいい未来が待ってるかもしれんじゃろう?しかも魔法面では優遇してるんじゃから〕
...何か聞こえた気がするけど無視無視。
とりあえず気分転換にもなるしこの体に慣れるためにも周辺を探索してみるか。
「よっこいしょ。とりあえず軽く走れるくらいまでは行きたいな」
ずっと二足歩行で歩いてきた俺にとっては四足歩行は結構難しい。
今は転生地点の周辺を歩き回ってる感じだ。
今更気づいたけどステータスにLv1って書いてなかったか?
滅茶苦茶強そうだけど中身は雑魚って一番タチ悪いぞ。それに、すぐにやられてしまうのでは?伝説だよな?そんなことないよな?
〔ああ、Lv1っていうのはお主が成長していくのを見るのが面白そうじゃからな。お主のHPやMPも魔物の中で最低クラスじゃ。せいぜい頑張るんじゃな〕
〔...〕
神様、だから面白半分で人の運命を変えてはいけないよ。
なんだよ、伝説だけどめっちゃ弱いってこと?Lv1の時点で大方予想はついたけど、ひどくない?
RPGゲームとかあんまり知らない俺でも分かる。
なんせHP10とか、絶対すぐやられるじゃん。MP5とか、少なすぎるよね。だって絶滅したと考えられている伝説の神獣だよ?
もう少し優遇してくれても良いのに。
あぁ、不安だ。
◆◆◆
色々あったけど、(特にあの神の件)なんとかこの体に慣れてこれたな。
次はこの雑魚ステータスをどうにかしないと。このままではあっけなくやられてしまう。
なんか良い感じのとこに弱い魔物でも出ないかな。
◆◆◆
魔物、見つけました。
普通に草むらの中から出てきたわ。スライム。
いやー、こういう異世界でよくある魔物とか見るとちょっとテンション上がるね。
あ、こういう時に解析スキルを使うんじゃないのか?
よし、少し念じてみよう。
“ステータス”
{種族} スライム
Lv 3
HP 12/12
MP 5/5
“スキル”
{技、魔法攻撃}
叩く 驚かす
えぇ...俺スライムにも負けてんのかよ。
流石に弱すぎないか。
でも神様が魔法面では優遇してるとか言ってたし、試しに風魔法でもやってみるか。
こういうのは感覚でやるのが一番だと思うんだよな。よし、力を込めよう。
『MPが足りないため、この技を発動することができません』
「ハァ?」
思わず声に出してしまった。俺の最重要ポイントであり不安を払拭してくれていた技。
使ってみると『発動することができません』だぞ。
今のでスライムに気づかれたみたいだし、本当なんなんだよこれ。
『固有スキル“覇気Ⅰ”を発動しますか?』
もうなんでもいいよ、倒せるならなんでもいい。
すると、一瞬だけ自分から何かが出るような感じがした。
「え?」
なんかスライム倒せたんだけど、なんだよこれ。
“覇気Ⅰ”のおかげか?それだとしたらすごいなこれ。
『経験値を5得ました。』
おぉ、やった!これで少し強くなったんじゃないのか?
『特殊効果“神の護”により、経験値が10倍されました。』
『レベルが5に上がりました。』
え、今の何だ?なんか経験値すごいもらったんだけど。
〔ハハハ、驚いたじゃろう。実はお主に秘密で、"神の護"をつけておいたんじゃ。言われた通り経験値が10倍になる効果がある。〕
えっぐ、チートじゃん。
スライムでレベル5になったってことはもっと強い魔物とか倒したらどうなるんだろ。神様ありがと。
なんかいろいろしてたらお腹すいたな。この世界の魔物って食べれるのもあるんかな。
スライムからは何も出てこなかったけど。
とりあえず違う魔物探しますか。




