4話 四姉妹と過ごす時間
「……陽、起きて〜。おーい、太陽、起きて〜」
声が聞こえて目を開ける。
「あっ、起きたー」
「うぐぅ…」
満月が飛び乗ってきた。
「姉さん、何やってるんですか」
そう言って半月は満月を僕から降ろした。
「太陽さん大丈夫ですか?」
「太陽兄さん、大丈夫?」
半月と新月が心配してくれた。
「あぁ、大丈夫だよ」
僕はそう答えて三日月の方を見る。
声が出ないように笑っていた。
「三日月、何笑ってんの?」
少し怒りを出しつつ聞いた。
「だって、アハハ、うぐぅって、ハハッ」
笑いながら三日月が答える。
「ミカがこんなに笑ってるのは久しぶり〜」
満月が笑顔になりながら言う。
三日月が笑い終わるまでしばらく待った。
「じゃあ、ご飯にしよ〜」
満月がそう言って、半月が準備をする。
食事は昨日と同じ、木の実で作られた大きなクッキーみたいなのだった。
「これって昨日食べたのと一緒の…」
「あっ、太陽は知らなかったね。私たちセレネは月の時間の始まりの食事はこれって決まってるの」
僕の言葉を遮り、満月は説明した。
「へぇー、そうなんだ」
少しの会話を挟み、食事が始まった。
「ちなみにさぁ、これってなんて言う料理なの?」
気になって質問をする。
「これは月焼きです。最初は丸い満月から始まり、食べ方次第ですけど、月の満ち欠けのように見立てることができるんです」
半月が料理名の意味と一緒に答えてくれた。
そうした会話をしながら食事を終える。
「ねぇ、太陽、今日は起きてるよね」
「うん、今日は寝落ちしたからそこまで眠くないよ」
「無理はしないでくださいね太陽さん」
「大丈夫です。眠くなったら寝ますから」
食事後はそんな会話をした。
昼の1人の時と違って、暇な時間がなかった。
「あの、月の時間に活動するって言ってましたけど、何をするんですか?」
「基本的に木の実の採取をすることが多いですね。でも、今は十分あるので家の中で過ごします」
僕の質問は基本的に半月が答えてくれる。
他の3人はそれを聞きながら頷いている。
「家の中で過ごすって言っても何をするんですか?」
僕は気になることを次々に聞いていく。
「今日は最近あまりできていなかった掃除をしようと思ってます」
それを聞いて、満月と三日月は嫌そうな顔をした。
「ハンちゃん、他のこと、何かないかなー。太陽がいるんだし、掃除はねぇー」
「満姉の言う通りだよ、半姉。新もそう思うだろー」
新月は半月と三日月の顔を交互に見ながら困っていた。
「なぁ、嫌じゃなかったら、僕がこの世界に召喚された理由を聞いてもいい?」
「あっ、そうだった。まだ、何も教えてなかった〜」
満月が思い出したようにいった。
「えっ、姉さん何も教えてないの」
「満姉、何してるの。いつものど忘れ」
「満月お姉ちゃん、大事なことは忘れちゃダメだよ」
こうして、僕が召喚された理由を教えてもらえることになった。