3話 静寂の時間
寝心地が悪かったのか、あまり寝た感じがしなかった。
起き上がろうとしてみたら体がいつもより重い気がする。
目をこすりながら周りを見る。
満月が上に乗っていた。
さらには右側に三日月が寝ていた。
しばらく動けずにいた。
少し経った時に満月が寝返りを打ってベッドから落ちていった。
「あっ」
“ドンッ"という鈍い音を立てたのだった。
「うぅ…」
そんなうめき声が聞こえた。
「大丈夫か?満月」
僕は心配になって聞いた。
だが、何も返ってこなかった。
満月はそのまま寝ていたのだ。
僕は満月をベッドに寝かせて、部屋を出る。
昨日、みんなと食事した机がある部屋へ来た。
そこには半月が机に突っ伏して寝ていた。
僕は起こさないように静かに移動しようとしたら足を滑らせて転けた。
“ドンッ"と大きな音を立てたことで半月が起きる。
「あぇ、はっ、太陽さん大丈夫ですか?」
半月が慌てて近づいてくる。
「あっ、大丈夫だから。寝てていいよ」
「それならよかったです。今から食事を作るので待っていてください」
半月はすぐに食事を用意してくれた。
食事は緑色のスープだった。
具は木の実だと思われるものが入っていた。
食べてみたら結構美味かった。
「すみません、太陽さん。私は寝させてもらいます」
「はい、ありがとうございました。おやすみなさい」
「おやすみなさい」
そうして僕は1人になった。
食事をしている時は気にしていなかったが暇だった。
外には出ていいかがわからなかったから家の中にいることにした。
でも、話し相手もいない、ゲームだってない。
ただ、寝っ転がっているだけだった。
ふと、筋トレをしようと思い至った。
この世界に召喚された理由はわからないが戦闘があった時のために少しでも鍛えといた方がいいと思った。
準備運動をして、最初に腕立てを始めた。
でも、筋力が無さすぎて前やった時はできて、15回とかだったな。
そう考えながら限界までやることにした。
しばらく経った。
「三百っと」
結構やったのに疲れてこない。
だから、三百回で一旦終わった。
次に腹筋をやった。
腹筋は前までは30回ぐらいだった。
だが、三百回できた。
それどころかまだ余裕があった。
その後のスクワットでも三百回を余裕でできた。
あと、終わってから汗をかいていないことに気づいた。
この世界ではこれが普通なのか?
それとも召喚された影響なのか?
訳がわからなかった。
だから、考えるのをやめて結果的に寝っ転がった。
そうして、ただただ暇な時間を潰していた。
そうしているうちに僕は寝落ちしてしまった。