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2話 月の民

「太陽、改めて紹介するね」

 そう言って満月が話し始めた。

「私は満月で、この3人が妹たちの半月、三日月、新月だよ」

「半月です。よろしくお願いします」

「三日月って呼んでね。よろしくー」

「あっ、新月です。よろしくです」

「あと、私たちはセレネって呼ばれる種族だよ」

 4人の見分けはすぐについた。

 満月は髪が金髪。

 半月は右半分が金髪で左半分が銀髪。

 三日月は銀髪だけど、前髪の一部が三日月のような金髪。

 新月は全て銀髪。

 髪以外の見分けかたはほぼなかった。

 強いて言えば新月だけ身長が他の3人に比べて小さいことぐらいだ。

 それぐらいに四姉妹は似ていた。


「セレネって何?種族?」

「ここに住んでる私たちはセレネって呼ばれるの。月の民って呼んでるところもあるみたいだけど」

 満月はそう答えた。

「まぁ、そこまで気にすることじゃないから聞き流してー」

 そう言われて、僕は追求するのをやめた。


「ご飯できました。太陽さんも食べますか?」

 半月が聞いてきた。

「あっはい、いただきます」

 食事は何かわからなかったけど美味しかった。

 見た目はホットケーキ?いや、大きいクッキーかな?

 それを5人で囲んで食べた。

 半月が言うにはこの森で取れる木の実を潰して焼いただけらしい。

 まぁ、美味しかったから深くは気にしなかった。


「わぁ〜」

 俺はあくびをした。

「そろそろ眠いな」

「えっ、まだ月の時間だよ」

 えっ?月の時間?

「あっ、すみません。私たちの活動時間は月が出ている時間なのです」

 半月が補足をするように答える。

「あぁ、そうなんですか」

「ねぇ、太兄は違うの」

 三日月が聞いてきた。

「僕は昼が活動時間かな。あと、太兄って呼ぶの?」

「えっ嫌だった。それだったら別の呼び方にするけど」

「別にいいよ。そうだ、この際呼び方を決めよう」

「いいねそれっ」

 満月が食いついた。

 その結果、僕の呼び方が決まった。

 満月が太陽、半月が太陽さん、三日月が太兄、新月が太陽兄さん。

 全く捻らなかった。

 この世界にはあだ名というものがないらしい。

 そのため僕は4人のことをそのまま名前で呼ぶことになった。


「僕はもう寝るけど、いいよね?」

「え〜、太陽寝ちゃうの〜」

 そう言って満月が抱きついてきた。

「姉さん、太陽さんが困っているのでやめてください」

 半月は僕から満月を引き剥がす。

「まぁ、だんだん慣れてきな太兄」

「おやすみなさい、太陽兄さん」

「おやすみ…僕ってどこで寝ればいいの?」

「あっ、太陽さん案内します」

 そうして部屋に案内された。

 その部屋に一つだけあった家具の葉っぱや木でできたベッド。

 僕は気にするのをやめて眠りについた。

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