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16話 旅の道のり

 僕は半月に運ばれて荷車に座っていた。

 満月に蹴られた腹の痛みはまだ続いていた。

 そんな僕を三日月と新月は心配そうに見ていた。

 そして、僕を蹴った張本人である満月は半月によって正座させられていた。

 半月は仁王立ちで正座をしている満月の前に立っていた。

「姉さん、何でこの状況になってるかわかる」

 いつもより、低い声で半月は言った。

「…えっと、あの…わかりません」

 満月は俯きながら答えた。

「…姉さん」

「はっ…はい…」

 半月の怒りが混じった低い声に満月は完全にビビっていた。

 いい気味だ。


「姉さんが太陽さんを蹴り飛ばしたんです」

 半月は呆れたように起こったことを満月に伝えた。

「えっ…私…そんなことしちゃったの!?」

 満月はそう言って僕の方を見る。

「太陽…ごめん」

 満月は土下座で僕に謝った。

「…はぁ、今回はそこまでしてくれたし、許すよ。でも、これからは無いようにしてね」

 僕は少し強く言った。

「うん、わかった」

 僕のその言葉に満月は顔を上げて、真剣な表情で答えた。

 僕はただ、これからは無くなることに期待するしかなかった。


 少ししたあと、僕の腹の痛みが引いてきた頃に食事をすることにした。

「太陽さん、痛みは大丈夫ですか?」

 半月は食事の準備が終わった時に聞いてきた。

「ご…ごめんね、太陽」

 僕の目の前で正座を続けていた満月がもじもじしながら言った。

「もう許すって言ったし、大丈夫だからいいよ…それより、食事にしよ」

 僕はそう言って、みんなが納得して食事にした。


 食事中はみんな、静かだった。

 僕はそんな状態が気まずく感じていた。

「…ねぇ、半月」

 僕は静まり返った状況をなんとかしようとして、半月に聞こうと思っていたことを聞くことにした。

「なんでしょうか、太陽さん」

「そういえば聞いてなかったと思って、前の村までどのくらいかかるの?」

「あっ、言ってませんでしたか。すみません…」

 僕のその言葉で半月はハッとして謝ってきた。

「あぁ〜、気にしないで…こっちも聞いてなかったのが悪いし…」

 僕と半月は互いに謝っていた。

 他の3人は黙々と食事をしながらその光景を見ていた。

「前の村に行くまでにどのくらいかという話ですよね。…10年前の移動では3ヶ月ぐらいかかりました」

「じゃあ、3ヶ月かかるってこと?」

 僕は半月の言ったことに気になって、聞き返した。

「いえ、3ヶ月かかったのは暮らせる場所を探しながらいろんなところを歩いて行き着いたので…」

 半月は言い淀みながら言う。

「正直にいうと…どのくらいかかるかは分かりません…」

「そうなんだ…」

 僕は半月の返答にそんな言葉しか返すことができなかった。

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