1話 太陽と月
夜、外を歩いていた。
空を見上げたら満月が見えた。
少し見惚れていると、月がいきなり光出した。
眩しくて少し目を瞑った。
目を開けた次の瞬間知らない場所に立っていた。
周りを見渡す。
広大な平野、夜空に輝く満月。
僕はその場に立ち尽くした。
「あっ、いたー」
後ろの方から声が聞こえた。
僕はその声の方向へと振り向く。
髪が月のように輝いている金髪の少女がこちらに走ってきている。
「初めまして私、満月っていいます」
いつのまにか目の前に来ていた。
「えっ、あの」
「あれぇ、あなたですよね私たちが呼んだ人は?」
ん?呼んだ?
「あの、いきなりここに立ってて状況がわからないんですが」
「あっ、すみません。ここではなんですし、私たちの家に案内するのでついてきてください」
「あっ、はい」
僕はついていくことにした。
歩き始めた瞬間、満月と名乗った少女はたった一歩で目の前から消えた。
「あれ?」
僕が困惑していると少女は戻ってきた。
「何してるんですか?遅いですよ」
「いきなり消えたので…」
「あっ、速すぎましたか。あなたに合わせて歩きますね」
「はい、お願いします」
今度は消えずに同じ速度で歩いてくれた。
「あのー、さっき呼んだって」
「はい、私たちがあなたを呼びました。細かいことは家についてからいいますね」
僕は静寂の中、少女について行った。
しばらくして、少女が叫んだ。
「あーもう、こんな遅く歩いてたらいつ着くのー」
少女がこっちを見た。
「なっなんですか?」
少女が目の前に歩いてきて、気づいたら僕は担がれていた。
「えっ」
「よし、出発」
少女のその声を聞いた次の瞬間、森についていた。
森についたら僕は降ろされた。
僕は辺りを見回した。
木々は天辺が見えないほど大きかった。
その木々にドアや窓がついていた。
「あの、ここはどこですか?」
僕は少女に聞いた。
「ここは私たちの村だよ。あそこが私の家」
少女は目の前の周りより一回り大きい大木を指差していた。
少女はいつのまにかその木の根元にあるドアへと移動していた。
「はやくおいでよー」
そう言われて僕は少女の元へ走った。
「ただいまー」
「失礼します」
少女が入っていくのについていく。
「姉さん、おかえりなさい」
「おかえりー、満姉」
中に入ると2人の少女がいた。
「ハン、ミカ。私たちが呼んだ人連れてきたよー」
少女たちは僕を見た。
「名前は…聞いてなかった。名前なんていうの」
「あっ、僕の名前は東雲太陽です」
「東雲太陽が名前。長いねー」
「名前は太陽です。東雲は苗字です」
「苗字?まぁ、名前がわかったしいいや」
満月は適当だった。残りの2人も気にしていなかった。
「これからよろしくねー太陽」
こうして僕は3人の少女との共同生活が始まるのだった。
「お姉ちゃん、ただいまー」
「おかえりー、シン」
1人増えた。