表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
京都事変  作者: たま
9/60

藤原五摂家

アキラや有間の不安は、思ったより早く姿を取り出す。

大学で学長やら理事が慌ただしく団体で弔問へ向かう姿が!

「どうしたの?」見波がクラスメイトに聞く。

「どうも九条の父ちゃんが自殺したらしい。

息子溺愛してたからなあ〜

で奥さんが錯乱してガス管ひねって一酸化炭素中毒で家族全滅だって!

おばあちゃんだけ施設だから助かったらしい。」小声で教えてくれた。

「なんだよ!それ!祟りみたい!」見波が思わず呟いた。

アキラの顔色が変わる。

「あいつ素行が悪かったからなあ〜半グレの女に手を出して深泥池に沈められたんだっけ?」

他の学生もコソコソ噂話をしているが、話が変わってる。

市子へのレイプ話が消えてる。

今度はヒミコの顔色が変わる。

下宿に戻ると有間も新聞を久々買ったみたいで記事を読んでいた。

「九条コンツェルは残るが、血族はこれで絶えたらしい。役員会で社名変更の話が出てるらしい。

確かに不吉だもんな〜」

「スゴイですよね〜藤原五摂家の九条家が一瞬で消えた。」

見波が驚く。

「よく知ってるね〜藤原五摂家なんて!」有間が感心する。

「知ってますよ。父と母がお節をいつも送ってますから。」

「そうか!見波君家の黒豆、皇室御用達だもんね〜

そう考えたらスゴイね!」

「あんまり、それ当てにならないですよ。

送って受け取って貰えたら勝手に宣言するだけなんで。」

「えっ、そうなの?」有間が驚く。


「なんだあ?その藤原五摂家って?」アキラが不機嫌に聞く。

「今はもう実態ないんだけど、昔は皇室の摂政はその五摂家から出す決まりがあったんだ。

または、皇室にお嫁さんを出す家としてね。」

見波が珍しく説明する。

「九条家、近衛家、一条家、二条家、鷹司家だ。

ただ、もう名前だけで養子を取ったりで血族は絶えてる家も多いらしいよ。

九条家も妾腹のお姉さんが嫁いでるから、どうにかするのかなあ〜?」新聞を読みながら有間が説明する。

「なんだ?アイツのじーさん、偉い剣幕で孫を叱ってたのに自分は愛人に子供産ませてたのか?

アイツが下半身だらしないのは家系なんじゃん!」

「やっぱり、それぐらいお盛んじゃないと1000年生き残れないんだよ。蘇我氏や物部氏はもう絶えたからね〜

藤原氏はスゴかったんだよ。」

2人が下品な笑いに走ってる。

「おかしいでしょ!こんなの!絶対市子絡みでしょ!」

ヒミコが怒る。

「平安末期もこんな感じで崇徳天皇の弟、後白河天皇の一族が次々死に絶えたんだよ。

これに加えて疫病や洪水で京都の街は荒廃していったんだ。」新聞から顔を上げた有間の表情は全然笑っていなかった。

「その市子ちゃん?絡みじゃなくても、崇徳天皇の奥さんが九条家の人だしね。

でも保元の乱で弟の後白河天皇の方についたんだよ。」

「えっ、奥さんなのに?」ヒミコが驚く。

「あの時代は通い婚だからね〜実家の影響力の方が強いんだ。

特に皇子を産めなかったしね。

崇徳天皇に肩入れしても先が無かった。

でも、おかげで五摂家に入れた!

確か、平安末期から鎌倉時代だよ、五摂家が決まったの。

やはり崇徳天皇から寝返ったのが、弟の後白河天皇にとって重要だったんじゃないか。

とても重用してたらしいし。」

まるで、その時代に生きてたみたいに詳しい。


「つまり、市子と崇徳天皇はそこも利害が一致してんだな。」アキラも真顔でじっとヒミコの顔を見てる。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ