安井金比羅宮
「ここかあ〜悪霊と縁が切れるかな?」
見波が若干不安そうだ。
「え〜と、やすいこんぴらぐう?」ヒミコもまだ宮の名前があやふやだ。
アキラだけが、眉間にしわ寄せて真剣な顔してる。
有間の幽霊屋敷の下宿から3人で来てみた。
御札に願いを書いて変な形の岩?に貼り付けるのだ。
「悪霊退散」と見波は書いて岩?に貼る。
「もう関わらないで下さい!」手を合わせ願掛けしてる。
見ると会社や人名しっかり書いて死ねや潰れろや書いてある。
「こんなの書いて貼ってるのかあ〜
これじゃ、市子のも立件できるか難しいなあ〜」
眺めながら独り言みたいにヒミコが話す。
「人の世には常にこういう心が満ちてるからなあ〜
1000年経とうが変わらないさ。
そして、親玉もなあ〜」
アキラがガックリとため息をつく。
ヒミコがビックリする。
「珍しいね、アキラ君が」と言うやいなや頭をポンポンされる。
「お前を守り切れるか…自信がない。が、お前が自重して引っ込むとも思えない。」
じっとヒミコを見つめる。
「ヤメテよ!自分くらい自分で守るわよ!」
手を払い除けた。
「相手は人間じゃ無いんだよ。
…この岩に貼られてるような呪いを900年以上蓄積したバケモンなんだ。」
「!」ヒミコは背筋に悪寒が走る。
「お前どころか、今の宮内庁だってまだ恐れてる神なんだよ。」アキラが深く深くため息をつく。
宮内庁いや天皇がなぜ崇徳天皇を恐れるのか?
それは、天皇を頂点とした国家を滅ぼし、侍の国にしてしまった張本人だからだ。
今はもう象徴天皇でしかないが、まだ日本のキングであることに変わりない。
が、崇徳天皇はそれを900年前に覆した怨霊なのだ。
「多分だが、市子を隠したのは…崇徳天皇だ。」
アキラが遠くを見つめて話す。
「エエエエエエエエエエ〜ッ!」
見波とヒミコが驚く。
「いや、決まった訳じゃないでしょ?!
て、市子って誰?」見波が首をかしげる。
見波君も母も市子を忘れてる。全く、この世に存在しなかったみたいに…
確かにこんな事普通の人間にはできない。
いや、普通の怨霊にだって幽霊だって出来ない。
この京都の街皆の記憶から市子を消し去っているのだ。
では、なぜ自分だけ覚えてるのか?
これは誰かの意思なのかも?
市子?
その崇徳天皇?
誰かが、ヒミコの記憶を意図的に残してる?
「もしかして…私、狙われてる?」ヒミコがこわごわ自分を指さす。
アキラが無言でうなづいた。