表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
京都事変  作者: たま
51/60

必要

愛してるなら裏切られたら怒るだろう。

が、市子の存在は危うい。

霊でも怨霊でもない。

崇徳天皇を呼び覚ましただけなのだ。

また崇徳天皇も呼び覚まされ再び動くには、市子の

手助けがいる。

二人は二個一ニコイチ)なのだ。


「そうだ!読経がうるさくて偏頭痛で不貞寝していた。

東大寺が平家によって焼け落ちたのは知ってたが、なぜ弟が再建に熱心なのかは分からなかった。

源頼朝まで大仏開眼にはわざわざ東国から来たのだよ。

御家人達に文句言われながら。」

崇徳天皇は遠い記憶を辿る。

市子は考える。

後白河天皇と源頼朝は政敵と言っても良い。

その二人が協力するのか?

後白河天皇だけでは無く、源頼朝も平家の滅亡を崇徳天皇の災いと考えていたのか?

「平家も呪ったのですか?」市子が聞く。

「あたり前だ!保元の乱で平清盛が私に加勢しなかったのだからな!」

思い出した崇徳天皇はギラギラした怒りを思い出し、

「あやつの子孫も根絶やしにしてやったわ!」と高笑いした。

「その時の源氏は?」慎重に聞く。

「平治の乱で平家に殺されたが、1人生き残った者がいる…頼朝だ。」崇徳天皇が少し残念そうだ。


やはり、そうだ!

2人の共通の敵。

それを封じる為に2人は東大寺の再建では協力したのだ!


「頭痛で寝込んでて、その後はどうなったのですか?」市子が聞く。

「う〜ん、もうそこから意識が朦朧としてなあ〜

次に覚えているのは、真っ暗な狭い空間で慌てていたが

ものすごい眠気が襲ってなあ〜」市子はガッカリする。

崇徳天皇の名を出さない方法は見事に欺けたようだ。

まさか、自分を封じるための東大寺大仏開眼とは…

その時崇徳天皇は思わなかったのだろう。

あまり参考になる話は無かった。

が今度は分かっている!

「まだ前日のようです。時間はあります。

ありったけ呪いましょう!

まず、台風を寄せて下さい!」

市子が言う。

「殺すのではないのか?」崇徳天皇が意外と言う顔をする。

「人がこれ以上増えるのを防ぐのです。

そして、そこら中で火が焚かれています。火の粉を散らすのです!」市子がめぐらす。

「おおっ、本当に市子は賢い!

よし、この小島が沢山ある場所の台風の子を寄せよう。」

(しゃく)で泉の風景はもっと上空まで登り、地球の輪郭が見えてきた。

インドネシア辺りの台風の子を日本寄りに(しゃく)で寄せた。

そして(しゃく)をぐるぐると回すと台風はどんどん大きくなる。

「台風は上陸すると威力が弱まります。日本海側に回り込んで近畿を直撃して下さい。」

市子が指差し方向を示す。

「そうなのか?本当にお前は頼もしいなあ〜」

台風は見たことないコースを取りだす。

「いつか…この力が私のモノになればいいのに…」小さな声で市子は呟いた。


ヒミコと有間の声が聞こえる。

古い建物なので断熱も遮音もない。

アキラも眠れない。

結局、崇徳天皇とぶつからずに済むのか?

少し安心してる部分がある。

あっちは大怨霊だ。

自分との力の差が全く分からない。

果たしてヒミコを守れるのか?

失うイメージが襲ってきて眠れないのだ。

ヒミコを隠れ蓑にしてから、かなり生きやすくなった。

絶対目立ってひと目を集めてくれる。

押し出しの強さがピカイチだ。

近衛吉良は油断できない男だが、ヒミコのおかげで警戒心を解いてくれる。

昔、神武よりずっと前に日本に卑弥呼と言うシャーマンが居たらしい。

彼女が大和の基礎となるまとまりを作ったらしい。

きっとヒミコみたいな女だったんだろなあ〜と妄想する。

ヒミコには弟がいて彼がヒミコの言葉を人々に伝えていたらしい。

ふと、その弟が自分のような気がした。

2人で日本を臨む風景を想像すると心が少し軽くなった。

そのまま、眠りについた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ