挨拶
「こんな所まで大丈夫ですか?」ヒミコは心配する。
近衛吉良と共に二条家の奥方も下宿に来たのだ。
「年寄りのガンの進行は遅いんですよ。
まだまだ娘の仇を打つまでは死ねません。」
ライブ動画を見て一言ご挨拶がしたいと異母兄の吉良にお願いしたらしい。
「娘の部屋に写真は飾ってあったのですが、どなたか分からず、申し訳ありません。」車椅子のまま頭を下げられた。
「お前、プロマイド売ってんのか?」アキラが飛びつく。
女子高生時代、とにかく現金稼ぎたくて物販に力入れてた時代があったような…遠い記憶である。
「おかげさまでアンチ?ですかな?
彼らが死ぬのはおさまりました。
崇徳天皇陵までわざわざ行って頂いていたとは!
本当にかたじけない!」
なぜか2人に深々と頭を下げられた。
「いえいえ、何とか大仏開眼が成功すると良いですね。」
こんな年配の人に頭を下げられると面映ゆい(おもはゆい)。
「はい、残党2人で命を掛けて祈らせて頂きます!」
近衛吉良が力強くうなづく。
「もうね、早めに娘の所へ行こうかな?とすら考えてたんですが、
死ぬまで足掻く勇気を頂きました。」二条家奥方は晴れ晴れとした顔をしてる。
「あちらで娘に報告できるように足掻いてもがいてみようと思います。」
ヒミコも頷く。
「私のファンは、諦め悪くて往生際の汚さが好きな人が多いんですよ〜
思いっきり見苦しくキメて下さい。」と奥方と握手した。
また大層な黒ベンツ軍団が去って行ったが、今回は死者も事故も起きなかったようだ。
「やっぱり『愛』が崇徳天皇に効いてるのかな?」ヒミコと見波が首をひねる。
「どうだろうなあ〜そこは俺らじゃ人生経験浅すぎて
分かんないや!」アキラが無責任に笑う。
「でも、殺気は消えてるなあ〜効果は出てるはずなんだが。」3人には確かめるすべが無い。
「大仏開眼はもうすぐだろ?僕らにも席用意してくれるってさ♪
人出スゴいだろうから、ちょっと行く勇気無かったけどラッキーだね。」見波が嬉しそうだ。
イベント、本当に好きみたいだ。




