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京都事変  作者: たま
42/60

6kmの山道

ヒミコは坂を登りだすとまたライブを始めた。

「さっき、やったじゃん!」アキラと見波が驚く。

「何言ってんの!動画見てる人はいつ何時見るか分からないんだよ?

どの時にも最新でトップ画面来る可能性を上げないと見てもらえないよ!」

周りをグルっと見る。

人気のない鬱蒼とした森だ。

目の前に坂道がどこまでも続く。

「さっきと背景が違うだけで十分だよ!

ライブなんだからライブ感が大事!

息が切れて苦しいのも良いんだよ!

アナウンサーが昔は台風の中から実況してたのと同じ!」

ゴープロで背景も写しながら、二条家の話をする。

「崇徳天皇の京都の白峯神社行ったとき、お母さんのガンの為に御参りに来ていた二条家の結婚したばかりの

お嬢さんに会った。

私のファンでこのコメント欄にもいつも居てくれてスパチャしてくれてた人だった。

なのに神社の前で車が突っ込んで来て人家と車に挟まれて潰されて死んだ!」

そこで息が続かず肩で息をしながら呼吸を整える。

「ごめんネ、立ち止まってる時間は、もう無いんだ。

近衛吉良さんを批判する人が増えてる。

家族殺されて、後は数年生きれるかどうか分からないじーさん批判して

恥ずかしくないのかよ?

二条家のガンのバーさん、娘殺されて黙ってガンで死ぬの待て!って言うの?

殺されても仕方ないと黙って泣いとけ!って事?」

山を登るだけでも息が乱れるのにその上話し続けるヒミコ。

アキラは、その姿見てて、有間の話を思い出す。

何の能力もない巫女。

人間なだけの巫女。

霊や怨霊を呼び覚ませる市子とは、格段の能力の差だ。

しかし、本当に人の心動かすのに、能力要るのか?

話せるだけで、それを全世界に発信するツールがあれば、

今は十分なんじゃないか?

背中の機材の重さと話すのに気を取られて足元がもつれるヒミコの手をカメラに映らないように引く。

「何が正義か悪かなんか、私はどうだって良い。

皆、その場所で必死で生きてるだけ。

憎んだり恨んだり妬んだり、そんなの絶対消えない!

だって、私達は人間だもの。

自分の守りたいもの愛したいもののために必死で生きていくだけ!

それだけは、誰にも許された自由だ。

近衛吉良は、残された命をそれに注いでるだけだ!」

市子の小賢しい手には乗らない。

釈明も言い訳も要らない。

ただ突き進むだけだ!

下を向いて小さな聞き取れない声で呟く。

「市子、聞こえてる?

これが私の生き方だよ。答えだよ。」

また前を向いてゴープロに訴える。

「近衛吉良は私の弟子だよ!

正攻法しか知らない、私の弟子だ!

今、崇徳天皇が本当に眠ってる場所に向かってる。

直で話してくるよ!じゃ、これで配信終わります。」

スイッチを切った。

ため息をついた瞬間に膝から崩れたヒミコをアキラが

グイッと引き上げる。

「これからが本番だぞ!

仁和寺で拾った奥さんとお子さん達の画像を心を崇徳天皇の所に送り届けるぞ!倒れるなよ!」

「わかってるわよ!その為に来たんだから!」ヒミコがにらみ返す。



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