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京都事変  作者: たま
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すれ違い

「今日こそ別室でしょうね?」ヒミコが警戒する。

「ビジネスホテルしか取れなかったからな。

俺も復活したし大丈夫だ。」アキラが胸を叩いた。

寝ていた間に余程パワーアップしたのだろう。


やっと1人でゆっくり眠れた。

が、今度は夢の中で崇徳天皇自身になってた。

父と何度面会を求めても叶わない。

祖父が亡くなった後は、父が最高権力者だ。

父は後妻の息子を崇徳天皇を押し退けて天皇にした。

まるで自分が崇徳天皇に天皇の座を退けられた時の復讐のように。

「幼稚な人だよな。そんなだから、祖父にも認められなかったんだ。」ため息をつく。

権力争いには無関係とばかりに次男の後白河がまた町中のヤンキーと遊んで帰ってきた。

「お前は、天皇家のプライドないのか?」崇徳が叱責する。

「はいはい、上皇様、申し訳ありません!

俺は頭も悪いし、兄貴みたいに和歌も上手くないしな!」弟は不貞腐れて部屋に引っ込んだ。

庶民の中では和歌は高尚過ぎると今様(現代のラップ)が流行っているらしい。

後白河は、その仲間の不良達といつもつるんで町中で悪さをしてるらしい。

「アイツには困ったものだなあ〜

私がシッカリしないと!」若い崇徳天皇は藤原氏から貰った嫁とイチャイチャしながらため息をつく。

藤原聖子は人柄の良い娘で美人ではないが賢く健気だ。

ただ、なかなか懐妊しない。皇子が必要だ。

「お前以外にも妃を貰うが、決してお前を蔑ろにはしないからな!」崇徳天皇は誓う。


場面は変わって我が子を抱く崇徳天皇。

産んだ妃は、身分は低いがとりわけ美しく従順だ。

祖父には可愛がられたが、父や母とは距離が開いてしまって家庭の温もりみたいなものは知らずに育った。

『3人で温かな家庭を築きたい!』

我が子を抱く内に猛烈な父性愛を、抱くようになる。

藤原聖子が険しい顔をしてる。

生まれた子の母の身分が低すぎるので、正妻の聖子が

育てて後見するのが筋なのだが…

崇徳天皇がそれを拒んだ。

「私を蔑ろにしないと約束してくれたではありませんか?」聖子の後ろには頭を下げてかしずく聖子の父、

藤原忠道も居る。

「済まない!この子と暮らしたくなったのだ。

許せ!聖子!」崇徳は聖子に詫びる。

「後に皇太子様になるには、正妻の元で育たなければ無理でございますよ。」藤原忠道が崇徳天皇を諭す。

崇徳天皇は、祖父の膝の上で王様だった。

父も母も藤原氏も誰も逆らわれた事はない。

「朕に失礼だぞ!聖子も出しゃばるな!」無理やり2人を下げた。

皇子と妃が不安げに崇徳天皇を見る。

すでに第二子が妃の腹には居る。

「大丈夫だ!私はこの国の上皇だ!

お前達は、私が命に代えても守るし、必ず天皇にしてみせるぞ!安心しておれ!」

妃と我が子を愛おしそうに見る。

『私は父とは、違う!我が子を愛し守るのだ!』

崇徳天皇の切なる思いが、ヒミコの中でこだました。

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