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京都事変  作者: たま
38/60

討ち入り

大阪を9時過ぎに出た高速バスは淡路島鳴門海峡を渡り夜中に12時にやっと四国へ入った。

もうヒミコと見波はヘトヘトで爆睡している。

「おい、なんか雲行きヤバイぞ!起きろ!」アキラに起こされてヒミコが眠い目をこする。

「えっ、着いたの?」

「違う違う、ずっと近衛吉良のフェイクニュース流してた奴が亡くなったらしい。

その直前に吉良が接触してたらしくて…今、捜査が入ったって」アキラがネットニュースをタッチすると直前のニュース映像が流れる。

「えっ、確かに腹立つだろうけど、そんな事したら大仏開眼に悪影響じゃない?」ヒミコが訝しがる。

「だろ?で他のアンチも圧力掛けられたのか?次々動画消されてるんだよ…」関連ニュースで記事が出てる。

「えっ、それじゃまるで彼らのフェイクが本当みたいに思われないか?」見波も寝ぼけながら心配する。

「ああ、爺さんヤバイな。

行動力有りすぎるのが裏目に出てる。」アキラがアゴと頬に指を当てる。


ヒミコはまたふと市子がかすめる。

攻撃的なヒミコが、AV女優にヒミコの顔加工掛けてた犯人突き止めてマンションの1室まで乗り込んで

モザイク掛けて動画にしたら、

相手は無加工でその様子を動画配信したのだ。

結局、嫌疑は晴れたけどスゴい剣幕で抗議してるヒミコの動画が流されてアクセス稼がれてしまった。

その上で警察からもかなり絞られて、何とか謝り倒して書類送検を見送って貰った事が…

その時市子が姉に怯えて愛想を尽かしていたな…と。


近衛吉良は、その動画にイイね付けてコメントしてくれてたから、やりたかったんだろなあ〜と。

「もしかしたら私のせいかも…」ヒミコが呟く。

しかし相手が亡くなっては冗談にならない。

圧力掛けるタイミングと重なり、大仏開眼にケチが付いてしまう。

「じーさん、何とか持ち堪えろよ〜」アキラがエールを送っている。

「ところで私達はどこに向かってるの?」

疲れてまだ聞いてなかった。ヒミコが思い出した。

「実際に眠ってるとこ行くんだよ。」アキラが答えた。

「えっ、遺体があるの?」ヒミコと見波が驚く。

「基本、天皇陵は土葬だよ。まあ、日本は風土的にミイラ化しないから溶けて無くなるけど。」アキラが済まなさそうに肩をすくめる。

「800年ぐらいなら、もしかしたら骨はまだあるかも?」首をひねりながらアキラが推測する。

「とにかく近道なんだよ。崇徳天皇が今居る場所は死者しか行けない。

が、こちらからの怨念を蓄えてる泉のようなものがあるはずなんだ。

そこに家族の思い出が混じれば、愛が泉を穢す。

だが崇徳天皇には、その穢れを祓う事は出来ない。

水が汚れれば呪いは弱まるのさ。」

アキラが説明する。

「私達の努力は、役に立つのね!」ヒミコと見波が感涙して手を握り合った。

バスが終点のバス停に着いた。

もう夜中の2時だ。

「ホテルはネット予約しといたから、とにかく明るくなるまで休憩しょう。」アキラがようやく2人を休ませてくれるらしい。

「やっと横になれる!」またヒミコと見波は涙した。

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