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京都事変  作者: たま
27/60

再生者

「見波君は、その説明で納得できるの?」

ヒミコが理解が追いつかずイライラしてる。

「僕は、なんか納得できると言うかあ〜腑に落ちるんだよね。

有間さんの話っぷりや、アキラの生い立ちも、ヒミコや市子ちゃんの存在も。

反対にそれくらいの事情ないと、それこそ超能力みたいで荒唐無稽と言うかあ〜」

見波はすんなり受け入れているみたいだ。


結局結界が弱ってるアキラをヒミコの部屋で寝かす事になった。

ベッドは有間と見波が運び入れてくれた。

鏡以外にも水回りがヒミコの部屋に近いので、そこにアキラを寝かすのが良いだろうと。

やはり鏡や水回りは異界との境界線が崩れやすいのだ。

もう少しで「動画配信者、突然の自殺!」ってネットニュースになるとこだった。


そして、まさか夢の中で聖徳太子の息子と思われてた少年が、アキラと融合するように消えたのを説明してもらったとこだった。


消えた少年は山背大兄王で再生者だったが、10年以上前に事件で亡くなっている事。

そして今はアキラの中に存在すると。

ヒミコの危機にアキラが間に合わないので飛び出してしまったのだと。

アキラは、再生者が入るまで植物人間で機械に繋がれた霊体と人間の中間みたいな存在だったと。

そして、有間とヒミコの父入鹿は、再生者として古代から何度も生まれ変わっていると。

やはり、理解が追いつかない。


「まあ信じる必要ないよ。僕も思い過ごし勘違いだと

常に言い聞かせてるしね〜」有間が軽く話してくれる。

「じゃ、父も再生するんですか?」ヒミコが聞く。

「いや、しないつもりだろう。そんな気がする。」有間があごを撫でながら言う。

「じゃあ、生きてれば良かったじゃない?」ヒミコは誰に言うでもなく呟く。

「再生者には、カルマがあってね。僕は18歳で必ず親族に殺される。

山背大兄王は必ず自殺に追い込まれる。

入鹿は首だけになる…

そのカルマから逃れられないのさ。」

有間が真顔で話す。

「あっ、だから父は頭からガソリンをかぶって…」ヒミコが悲痛な過去を思い出して顔が歪む。

「そう、お父さんは自殺まで追い込まれても、まだカルマから脱出して、再生するのを止めたかったんだと思うよ。」

有間が静かに答える。

そう思うと再生者の人生は決して楽じゃない。

死ねない、自殺できないのだ。

ツラい人生を何度も味わうのだ。

「再生者が結婚して子供作ることが、まず無いからね。

君と市子ちゃん?は稀有な存在なんだよ。」有間が心配そうに言う。

「もしかしたら、もう入鹿さんは再生しないかもしれないね。再生するエネルギーは、君らに受け継がれたかも?」有間が恐ろしいことを言う。

「えっ、いやいや、それは…イヤです。」

ヒミコが遠慮する。

「再生する訳じゃないと思うよ。そのエネルギーが

アキラを植物人間から救ってるようにね。

市子ちゃん?が、崇徳天皇を呼び覚ましたりね。」

有間が説明する。

「ああ、そういう意味ですか〜」少しホッとした。

「君の動画が人を惹きつけるのは、その力の1つなんじゃないかな?」有間が推測する。

「…そうなんですかね〜?」あまりヒミコに自信はない。

玄関でインターホンが鳴った。

「あっ、ネットスーパーで頼んだおせちの材料かな?」有間がいそいそと玄関に走った。



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