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京都事変  作者: たま
26/60

アキラ

「アキラ、大丈夫?」ヒミコが冷感シートを新しいのに貼り替える。

「どうした?優しいじゃん?」ベッドで横たわりながらアキラが苦笑する。

「冬休み入って奈良行ったりがんばり過ぎたんだよ〜ゆっくりしてよ、ねっ?」お粥とすったリンゴを食べさせる。

「自分で食べるから〜オカンみたいなのはやめてくれ!」抵抗するがヒミコに組み伏せられる。

「アンタがこんなに弱るなんて普通じゃないんだから!

大人しくしてて!」

「どうせ結界が広く張れないから私は側にいるしかないんだし〜」

そうなのだ。体調崩したアキラでは呪詛返しの結界が

隣部屋まで張れないのだ。

つまり同室で過ごさなくてはいけない。

部屋の扉が開いて、三角巾にエプロンの見波が現れる。

「どう?アキラ、具合は?」

「すごい出で立ちだな、見波」アキラが力なく笑う。

「ゆっくりしててよ。僕と有間さんで大掃除もお正月の準備もするから!」

「田舎帰らなくて良いのかよ?長男だろ?」

「今どき、そんなの無いよ!うちは妹の方が数字強いし。大体、うちは1年で今が1番忙しいんだよ。

帰っても邪魔になるだけだし。」見波が言う。

「そうか、お母さんも忙しいもんね!」ヒミコもうなづく。

「ウチも母はスーパーだから31日まで仕事だし。

明けは2日から始まるから、正味休めるのは元旦だけだし。

元旦はお友達と過ごすみたい。まあ、宴会だと思う…」

ヒミコの実家も忙しそうだ。

「アキラのお母さんも、ウチの母と向かいの莉夏のおばさんでゆっくり女子会するらしいよ。

お父さん、今東欧だろ?」有間も割烹着で頑張ってるようだ。

「今年は皆いるからおせち料理頑張るつもりだよ。

棒ダラももう塩抜きしてるし、お餅も和久傳さんに頼んだし。」有間もはりきってる。

「と言うわけで、アキラはゆっくり休みな!分かった?」ヒミコがアキラの手を握る。

やはり熱い。

「勝手にしろ!」アキラが照れて手を振りほどいた。


アキラが寝ている内に自室に着替えを取りに来た。

姿見に写る自分に何か違和感を感じた。

「あれ?私の顔こんなホクロあったかな?」

鏡に近付いて自分の顔をしげしげと見た。

いつの間にか、ホクロが口元に…触ってみるが、何も無い。

「あれ?触った感じは何も無いのに…なんで鏡には?」と、思った瞬間、鏡の中の自分が自分の首を絞めた。

「えっ!」と声を出す間もなく自分も自分の首を締め出した。

鏡の中の自分がニヤニヤしながらグイグイと首を絞めてゆく。

すると、勝手に手も本当に首を絞めてゆく。

「く、苦しい…助けて…」と叫んでるつもりだが、喉が締め付けられて声が出ない!

意識がだんだん遠くなり倒れそうになった時、

「だめだ!死ぬな!」と鏡とヒミコの間に少年が立った。

あの夢の少年だ!

「貴方は…」と言う間に寝てたはずのアキラが飛び込んできた。

アキラの手が鏡に触れるとギャッ!と悲鳴がして鏡の中のヒミコは消えた。

と共に少年はアキラの中に消えた。

「一体、どういうことなの…?」そのまま2人は倒れ意識を失った。





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