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京都事変  作者: たま
25/60

近衛家

「申し訳ありません!」部下が謝る。

「いや、まさかわしら以外に崇徳天皇の遺品を捜してる者が居るとは…

何者だ?」全く思い当たらない。

「しかし、こちらは車だと言うのに、たいした度胸だな。3人?だったかな?」近衛吉良は驚く。

「取った若い男が一声、こっちだ!と言ったきり他は誰も一言も発しなかったので性別も年齢も分からなかったようです。

私の見立てでは奈良に詳しい…地元の人間な気がします。後から加勢しましたが、本当に春日大社の杜は真っ暗な屋久島のような巨大な杉だらけの森でした。」

「盲点だった。あそこは藤原家の神域なのだ。

千年を超える杉がゴロゴロと生えているのだ。

車の道も1本しかなくわざと行きにくくしてあるのだ、古来から。」近衛吉良が頭を抱える。

藤原氏は平安時代から年に一度必ず親族や重要な役人を連れて春日大社まで行脚していた。

わざと道行きを複雑にしたり回り道したり、そうする事で役人達の藤原への忠誠心を試していた。

京都からわざわざ奈良までの道中に言い訳して参加しなければ

来年からは役から外す。

課金して接待してくる者は重要ポストにつける。

そのため、わざと道が複雑なのだ。

森は狩りを禁じ何人たりとも分け入れぬよう手つかずの自然が守られている。

が、近年は自然公園として市民達の憩いの場にもなっているらしい。

夜の行事も多く、森に詳しい市民も居るだろう。

近衛家は明治より天皇家と共に東京なので詳しくないのだ。

「ヒミコは京都だしなあ〜?」部下に聞こえぬよう呟いたつもりだが、しっかり聞こえていたようだ。

「吉良様から調べるよう仰せつかっておりましたが、

ヒミコは奈良出身で動画も最初は背景が奈良だったようです。

現在は京都のようですが。」言いながら書類を差し出す。

見ながら、思わず声が出る。

「蘇我入鹿だと!」

「はい、奇しくも本名は蘇我日美子(そがひみこ)

父親は蘇我入鹿(そがのいるか)だそうです。」

「ハハハッ!」

「吉良様?」

思わず笑ってしまった。

奈良の蘇我姓ならば、可能性はある。

「まあ、藤原氏も入鹿の弟、蘇我倉麻呂の流れなのだがな。」

思わず近しく感じる。

「襲ってきた者に女が居たかどうか分かりませんが、

奈良出身ですし、ちょうど動画を休んでいたので怪しいと思っています。

…差し出がましいですが…」部下は言いにくそうに言った。

「フッフッフッ」また近衛吉良が笑った。

「まだまだ人生は分からぬな。この年でこんな名前を見ることになろうとは!

面白い!」


子も孫も亡くなってしまった。

入鹿の首を斬り落とした時から、藤原氏は始まった。

摂政家としての歴史は始まった。

崇徳天皇が蘇ってしまった。崇徳天皇の中宮を藤原家から出したのに

裏切り後白河天皇側に付いた。

それが藤原家の処世術なのだ。

が、崇徳天皇は菅原道真をも凌ぐと言われる大怨霊になってしまった。

実権を武士に奪われたが、藤原家は何とか残った。

細々と続き明治でまた権力の座へ。

しかし、それと共に崇徳天皇への恐れも復活した。

四国から御霊を弔う為に京都に社をやっと造ったが…

それから100年以上毎月毎月祈り続けたが…

とうとう呪いは実行されたようだ。

「奪い返して、必ずや怨霊を再び封じるぞ!

藤原家の最後の戦いじゃ!」


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