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京都事変  作者: たま
22/60

不比等

そこから急に切り替わった。 

ヒミコは傍観者となり、あの気持ちの悪い老人は

もっと老けて人相が悪くなってた。

彼の目の前で男3人が刃物で戦っている。

その後ろには各々男性の家族らしい女や子供が父親を応援している。

が、2人を次々と刺した1番無表情な男が勝者となった。

刺殺される瞬間、兄さん!と叫んていた。

殺し合っていた3人は兄弟だったみたいだ。

と生き残った男が、他の男の子供や妻を殺すよう命じる。

一瞬で辺りは血の海に。

血まみれで勝者となった男に気持ちの悪いあの老人は、「お前は藤原の跡継ぎだ。藤原家は最後の1人だけで良いのだ。

どんな手を使っても奪え殺せ、最後の1人だけが全てを手にするのだ。分かったか…不比等」

2人の男がヒミコの方を向いた。

あまりの恐怖に目覚めた。


まだ夜中だ。

ふと、襖越しに誰か起きた気配がした。

着替えているような音がする。

手洗いに入った音がした瞬間、廊下に周り待ち伏せた。

恐ろしい夢を見たせいか冴え冴えとしてる。

権力のため何かを失くした人間たちの集団を見た。

彼らはきっと、誰にも負けない。

未来永劫続く権力者になる。

まるで、その血がヒミコにも流れ込んだような夢だった。

「わあっ!」トイレからそっと出てきたアキラは驚いて悲鳴を上げた。


「わあっ、なに?なに?」声に驚いて見波まで目覚めてしまった。

「自分だけで探す気だったでしょ?アキラ」

ヒミコがアキラをにらむ。

「これから盗みに行くんだよ〜

お前ら巻き込む訳にいかないじゃん!」

ヒミコはアキラの胸ぐらをつかむ。

「命狙われてるのは私なんでしょ?

私が行かないで、どうするのよ?

これは私の問題なの!」

「お前なんか足手まといなんだよ。美術館の保管室なんて無限の腐海みたいなもんなんだ。

中でミイラになってても探し出せないくらいな!」

アキラがヒミコの手を振りほどく。

「とにかく連れていきなさいよ!邪魔にならないギリギリまで!」

恐ろしい夢だった。

いや、夢じゃない。

夢を実現する人間達の現実だ。

おかげで、頭まで冴えた。

アキラの魂胆がすぐ分かった。


父を亡くしてから、踏み込んだ動画配信の世界も似たようなもんだった。

「アイデア盗んだな!ぶっ殺すぞ!」なんてメールや手紙は日常茶飯事だった。

参考になるものは、恥ずかしげもなく横取りし利用する。当たり前だ!!

コメント欄を荒らされたり、捏造情報流されたり。

それに乗っかって正義振りかざす奴等にリンチされたり。

何が何でも金を稼ぐ!大学へ行く!

母と妹と生き抜いてみせる!

と信念なかったら、アッという間に潰されてたと思う。

そんな中で生き残る術は…相手を徹底的に潰すこと。

捏造されたら、徹底的に糾弾する。

追い込み絶対逃さない!

息の根止める。

身体で覚えた感覚だ。

夢のおかげで久々感覚が目覚めた。

市子が大学行かなくなってから失ってた闘争本能だ。


結局3人で国立博物館まで暗闇の奈良公園の中を歩いた。

セキュリティ装置がちゃんと稼働してる。

警備員も見回りしていた。

今の玄関ではなく旧館の扉の前の茂みまで来た。

「どうしてこっちに回ったの?」

「大仏の中から出された遺物が凄い邪気出してる。

お前らには見えてないだろが、夜の闇の中では建物の上の空までアメジストみたいなオーラで包まれてる。」

アキラの視線は、ヒミコには真っ暗にしか見えない建物の上部へ向いている。

「保管庫じゃなく出されて旧館の2階だ。

なぜだ?」

こんな夜中なのに、旧館2階に明かりが灯された。

「俺等以外にも崇徳天皇の遺物狙ってる奴等がいるみたいだ。潜り込む手間省けたな♪」

アキラが悪い顔で微笑む。

「どうするの?」見波が不安そうに聞く。

旧館の出入り口に車が横付けされた。

「出た所で奪う。で、そのまま春日大社の森に逃げ込むぞ!」

「そうね、車は多分迂回路しか取れない。

真っすぐ走れば逃げれるわ。」ヒミコもうなづく。

「え〜本当に大丈夫?」見波が心配する。

「春日大社には原始林の森があるの。1000年以上守られてきてるのよ。車が入る道自体が無いの。」

ヒミコが説明する。

「あそこは藤原氏の菩提寺だからな。自然が1000年守られているんだ。」アキラも付け足した。

「え〜京都じゃないの?藤原氏の菩提寺って?」

見波が驚く。

「違うよ。藤原氏は奈良が発祥地だよ。蘇我氏や物部氏と同じ。平安時代も必ず毎年参拝してたらしいよ、1000年間1度も欠かしてないはず。」ヒミコが奈良県人なら常識クイズに答える。

「ヒエ〜ッ!」見波が本当に驚愕した。

「よし!出て来た!横取りだあ〜」3人が走り出した。






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