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京都事変  作者: たま
17/60

山背大兄王と有間皇子

疲れたヒミコは部屋に戻り爆睡してる。

アキラは隣の部屋からヒミコに結界を張ってため息をつく。

どこまで自分の術が崇徳天皇に通用するのか分からない…


「そんなとこで様子見てないで入って来いよ!」

扉に声を掛ける。

「あっ、バレた?」

有間がイタズラっぽく笑いながらアキラの部屋に入ってきた。

「さっきのアレはなんだ?」アキラが呆れてる。

「あれ?本当の事言っても良かったの?

実はアキラの中に山背大兄王が居るって?」

年代物のハンギングチェアに座り揺らす。

『本当、最悪な記憶だよ。』アキラの声が低く大人っぽい声に変わってる。

背筋も少し猫背に前傾姿勢に変わってる。

「あれ?山背兄さん、珍しいね。

アキラと入れ替わったの?」

『アキラが用事あるのは僕の方だろうと代わってくれたよ。』

表情も少し憂いがある陰鬱な感じに変わってる。

『早かったよ。658年の有間の時も3時間くらいで屋敷を兵で取り囲んだんだろ?

僕の時も643年入鹿が首をはねられたと連絡受けた時には、もう屋敷を囲まれてた。

本当は645年なんだけどね。2.3年サバ読みは藤原氏の得意技だ。』

「えっ、生駒山の方へ逃げたんじゃないの?」

有間が驚く。

『違うよ。都に近いと情報が漏れて改ざん出来ないから、生駒山に幽閉されて家族を人質に蘇我氏に滅ぼされた証拠の書類シナリオを書かされてたんだよ。

有間も都から和歌山まで連れて行かれて処刑されただろ?』

アキラではない大人な暗い声が話す。

「そうだったね〜1ヶ月くらい掛けてジワジワと情報操作していくんだよね〜言ってもやってもない事が色々毎日付け足されていく。」有間が苦虫潰した様な顔になる。

『僕達も入鹿が反乱起こしたから安全のためにとか。生駒山に幽閉されて、徐々に家族が死んだり消えたり1年くらい掛けて追い込まれて…』

「今思えば、海に全て証拠を隠すためだよね〜遺体とか?

都に近いと証拠が残るから!」

『僕は大阪の海に、有間は南紀の海に都合悪いものは全部沈めたんだよ。

まあ、僕は情報漏洩と天皇をもう蘇我氏方に絶対戻させないために一族皆殺しにされたが…都には本人直筆の書類を持って帰り役人達を納得させたのだろう。』

山背大兄王が憂鬱な原因が分かるほど悲惨な話だ。

「10〜20年の間の話だ。やり方は同じだ。

中臣鎌足・不比等の藤原流なんだろな。

生き証人は誰もいない。直筆の書類だけが残る。

それを元に歴史書を編纂させた。」有間もため息をつく。

『良いかい?もう、隠れるよ。僕はもうやり直さない。何回やっても最後は自殺するしかない人生が耐えられない!アキラに全てを託すよ。』

そう言って山背大兄王は消えた。

アキラが深呼吸をし、背筋が伸びる。


「かなりディープな話だったな。大丈夫か?」有間を心配してる。

「大丈夫だよ!なんたって千年以上前だ!それにもう

藤原氏も終わった!絶滅した。

もう、これで長い長い古代の悪夢は終わった。」

有間が晴れ晴れとした顔をしてる。

「意図的に蘇我氏と聖徳太子を分けたり、聖徳太子一族を皆殺ししたり…

少し頭ひねれば、誰がそれで得するのか?

分かりそうなもんなのになあ〜」アキラが首をひねる。

「明治大正昭和と教科書の編纂だって藤原氏の息が掛かってる。

歴史には、そんなフェイクがまだまだ隠れてると思うよ。

やっと今世で18歳以上生きられたからね。

僕は生涯掛けて歴史のフェイクを解きたいなあ〜」

やっと有間もいつもの顔をしてる。


「そっちは片付いてもこっちは片付いてないけどな。

藤原氏は片付いても、蘇我氏と平安末期の天皇家の兄弟姉妹対決があ〜」ガックリとため息をつく。

「愛憎入り混じってるから、怖そうだよね〜」有間も震える。




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