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京都事変  作者: たま
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白峯神宮

アキラが行きたいと言うので見波もヒミコも付いてきた。

白峯神宮には崇徳天皇御廟がある。

そこで一心不乱に拝む若い女性がいた。

ヒミコに気付くとニコニコと近付いてきた。

「動画いつも拝見してます。ファンです。良いですか?」と手を差し出してきた。

「もうあまり人気ないですけどね〜ありがとうございます。」ヒミコも返す。

「そうなんですか?この頃のショート動画も好きですよ。癒されます。」と女性。

「本当のお客さんですね〜

崇徳天皇、好きなんですか?熱心に拝んでましたね?」ヒミコが聞いた。

若い女性の顔が曇る。

「母がガンで入院してるんですが、崇徳天皇の所へ拝みに行ってくれと頼まれたんです。

なんでココなのか?良く分からないんですが…」女性も困っている風だ。

「二条家の人だよね?」アキラが唐突に会話に入ってきた。

「あっ、ごめんなさい。連れなんです。」ヒミコが説明する。

「すごい!なんで分かるんですか?

あっ、アレですね!呪詛の方!」

女性が指さす。 

アキラが不本意そうに返す。

「ちがう!呪いを書いたのは俺じゃない!が、まあ、いいか。

市子は認識されないからな…」

アキラががっくし肩を落とす。

「母が言うには、自分の病気は崇徳天皇の呪いなんだそうです。

ご先祖様からの言い伝えで、いつか必ず来るからって。」

女性が話す。

「九条家があんな事なって、二条家と近衛家は今パニックなんですよ〜後白河天皇と関係が深かった家なので、やはり」女性が心配そうだ。

「後白河は崇徳の実の弟なのにね〜

仲が悪かったんだ。」見波が訳知り顔する。

「天皇家は家族で争うのは常だからね〜いちいち周りの人が巻き込まれたらたまらんな。」アキラも同情する。

「今の天皇家より、私達の方が後白河天皇に近いですからね。恐いです。

私は、もう結婚してるのでセーフなんだと言われましたが。」

「旦那さんの苗字なんだね。それがいいよ!」見波も

全然関係ないがうなづいている。

「九条さんとこみたいに家柄に固執する人の方が今は珍しいですよね〜

まあ、ウチはとっくに没落してお金ないですし。」

女性が明るく話す。

戦前までは税金なし、天皇家から体面を保つため金まで付与されてた藤原五摂家も戦後は一庶民。

税金もちゃんと払い収入を得る為働いている。

九条家はビジネスの才があって旧華族の体面を保てただけらしい。

「近衛家は首相も出てますし武家時代は武士でしたから大地主さんですが〜ウチは代々学者か教員で細々やってます。」

ヒミコのファンだと言う女性はほがらかに笑う。

今の時代、持つことより荷物は軽い方が生きやすいのかも?

「確か徳川家の子孫の方も家じまいされたし、そんな時代ですよね〜」

新婚さんだと言う女性は、ひとしきり拝んで去っていった。


「皆、あんな感じなら良いのにね〜

なぜ人はランク付けや有名なりたいとか変な願望持つのか?」ヒミコがごちる。

「ムダに金があるのが当たり前なると、人間その先を

めざすんじゃね?」アキラが嘯く。


とその時、神社の外からすごい急ブレーキの音が!

民家に宅配車が突っ込んでいた。

「さっきの女性は?」ヒミコが心配して飛び出そうとしたがアキラが腕を掴んで引き戻す。

すると、もう1台車が突っ込んできた。

2台の車が時間差で神社前の民家にツッコんだ。

「どうなってるの?さっきの女性は?」ヒミコが矢継ぎ早に聞くがアキラは黙ってる。

腕を振りほどいて人だかりを分けて現場に入る。

車と民家の間には女性の腕が見えた。

救急車が入ったので、後ろに下がったが…布に覆われた女性が運ばれていった。

「なんでよ!」やり場のない怒りでヒミコが怒鳴った。



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