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15話 裁判

 それから更に数日後、ようやくローは私達のもとに現れた。呪いによる攻撃は観測できたが、全部十字架と私の対策の前に敗れ去った。


 「どうも、サンドラ様。ワタクシの無実は晴らさせていただきますよ」


 「そう。頑張ってね」


 私はローに塩対応をする。白々しい真似をして、嫌な奴。


 私達が問答をしていると、裁判開始の鐘がなった。私達は裁判所の椅子に座った。


 「それでは今からロー・クラウンの裁判を行う。双方、神に誓って真実のみを語るように」


 裁判官がそう言うと、私達は同時に頷いた。そして私は立ち上がり、証拠を提示した。


 「まず、レイ・チャンドラに証言していただきます」


 私はレイを証言台に呼び出し、ローの暗殺計画について証言させる。もちろん自白薬は使用済みだ。


 「ロー様は私にサンドラを殺すように命令なさいました。その際に、ついでにティナの従者も殺せと」 


 「お、おいレイ! ワタクシを裏切るというのか!?」


 「無駄よ。あなたの部下は既に自白薬を飲ませてある。諦めなさい!」


 どうやらレイが証言しないと思っていたのだろう。ローは酷く慌ててレイを怒鳴ったが、もう何もかもが遅かった。


 「キ、キサマーーー!! 死ね! ダークボルト!」


 ローは私に向けて呪いを放ってきたが、十字架に跳ね返され、逆にローがその呪いを食らった。

 

 「ぐわァァァ!」


 「馬鹿でしょあなた。よくそんなんで私を殺そうと思ったわね。胎児からやり直してきたら?」


 ローの体は全身に火傷を負い、ローはもがき苦しんでいた。私はそれを呆れた目で見つめ、裁判官の判決を待った。


 「えー、現行犯も相まって確定ですな。被告人、ロー・クラウンを公開処刑とする! それでは閉廷!」


 裁判官がそう言った直後、フィンがローへ駆け寄り、殺す勢いでローを蹴り始めた。


 「恥を知れこの陰気クソナルシストゴミクズガリ野郎!」 


 「ぐわっ! や、やめぐぅ! た、たすけ……」


 フィンは罵倒しながらローを蹴り続ける。ローは最初こそうめき声を上げていたが、フィンの蹴りが止む頃には沈黙していた。


 「さ、元凶も倒したことだし帰りましょう。もう後3日でお茶会ですからね」


 フィンは何事もなかったかのように私の手を取り、裁判所から出ていこうとする。


 私は倒れているローが運ばれていくのを横目でチラリと見る。まさかこんな雑魚とは思わなかった。あの自信はどこから湧いてきたものなのか、理解に苦しむ。


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