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神攻聖機ラグナロク  作者: Jの者
第1章 「目覚めの時」
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第4話「何者なんだ」

木製()

ラグナロクが暴走し損壊してから約6時間が経過し朝日が登り始めた頃、アキヒトは目を覚ました。

「……ここは……ラグナロクの中、か」

ロボットのコックピットとしてはシンプルすぎる空間で、彼はあくびをした。

「ラグナロク……そうだ、ラグナロク!

あんなめちゃくちゃに壊れちまって今はどうなってるんだ!」

外に飛び出し様子を確認すると、ラグナロクの傷が幾分小さくなっていることに気がついた。

「……背中の穴……塞がりかけてる……というより、塞がりつつある、のか?」

『……起きたか』

「うわぁ!お前……お前こそ起きてたのか」

ラグナロクは、まるで何事も無かったかのように話す。

『私は別になんともない……この損傷もあと30分ほどで……』

「違う!俺が言いたいのはお前が暴走しちまったことだ!

俺の意思に関係なく敵をぶっ潰して、この辺もグチャグチャにしちまって、大丈夫だったのかよ!」

『……大丈夫、ではなかったかもな

あの時は損傷により私に狂いが生じただけで、今は正常だ』

「……本当かよ……」

『試してみるか?そこに吹っ飛んでる私の腕を見ろよ』

木に引っかかった巨大な腕をチラリと見る。

「あれがどうしたんだ?」

『ほら』

腕が勝手に動き出し、元あったところへピタリと引っ付いた。

「えっ!?」

『私が正常だから、この腕に僅かに残った私の欠片に呼びかけ戻すことが出来た

どうだ?これでもまだ不安か?』

「よ、余計に謎が深まったぜ……お前のテクノロジーはどうなってんだよ」

アキヒトは、ラグナロクの正体についてそれとなく探ろうとしていた。

『……不思議ロボットラグナロク、正義のために戦うぞ』

「……ごまかしてんの?

まあ、言いたくないならいいよ……でもいつかは教えてもらうぞ」

『……いつか、な』

無表情なはずのラグナロクの、やけに寂しそうな目を見た……。


宣告通り、30分ほどすると、傷は塞がっていた。

アキヒトはそれにひと安心すると同時に、その修復につかわれた材料は何だったのか疑問に思った。

「ラグナロク、直ってきたようだが……何で直したんだ?」

『何って、そこら辺に生えてる木々を失敬したのさ』

「木……って、お前木製なのか!?」

『木の物質的特徴を変化させて鋼鉄より硬く、水よりも燃えぬ物質にしている』

「……わ、わけがわからん」

『分からなくともいい、まあ、木製というのは正解ということだ』

木で作られているということに驚きはしたが、そういうものであるということをすぐに受け入れていた。

ラグナロクは未知のテクノロジーで出来ている……現在の人類にコントロールできる代物ではないだろう。

「お前……やっぱりよくわかんねぇな」

『そうか?私は最小限理解できるように説明しているつもりだが』

「お前の説明だと現代の文明じゃ不可能な技術が現れちまうんだよ」

『それならカミサマのしわざということにでもしておいてくれたらいい』

(な、何を急に変なことを……)

「一気に胡散臭くなったぜ」

久々に、笑えた。


ラグナロクから与えられた昼食を食べていると、やはりラグナロクのことが気になって仕方がなかった。

カミサマのしわざ……ラグナロクが何気なく言ったこの一言が、実はラグナロクの真理を突いているのではないか……と。

「……ラーメン、美味かったよ」

『お粗末様……と、言うのだったかな』

「ん、正解」

だが、いくらそんなことを考えても仕方がない……カミサマなんてものが本当にいるか、確かめようがないのだから。

アキヒトは、今食べたラーメンの材料を考えることにとりあえず集中するのだった。

無事に、修復が完了したラグナロク。

ホッとひと安心するアキヒトのもとへ、新たな刺客がやってくる。

その名は重装歩兵団。

「魔王の軍勢」の隠し玉である彼らは、圧倒的な破壊力でラグナロクに迫る

次回、「月とすっぽん」

弱きものよ、去れ!

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