01 序章。
ハロハロー!
短編「脇役姉御は逃げ切らなかった」
ルカゼと、ソーヤ、ナノン、リクノの出逢いからスタートする長編版です!
短編のシーンまで書かないかもしれないです。恋愛よりファンタジー寄りかもしれません。
前世はこのまま思い出さなければいいと思います。
一先ず、ルカゼ達の絆を描いていきます!
20151117
甘さを求めていた。
心も身体も、疲れきっていたから、生チョコを口の中で転がして溶かしながら、ゲームをする。
恋愛シミュレーションゲームのアプリ。ハマって、稼いだお金を注ぎ込んでしまっている。
ファンタジーの世界が舞台。
アマンという名の魔物と戦う部隊の中に、配属されるところから始まる。
隊長は姉御肌の女性。ただの脇役にすぎないけれど、ヒロインを含めて登場人物達を支える素敵な女性だ。
黒髪に赤いメッシュが混ざった長めのボブヘアー。ややつり上がった大きな瞳は魅力的な深紅色。長身で短パンとロングブーツ。
「ルカゼ姉さん、素敵だわー」
ヒロインが攻略対象者を取り合うようなライバルかと思えば、ルカゼは彼らを異性とは見ていない。彼らもまた、単に隊長として慕っているだけ。恋愛に関して相談に乗ったり、攻略対象者の背中を押してくれる。
頼れるお姉さんで、男前で、そして強くて眩しい。
ルカゼもヒロインとしてプレイできたらいいのに、なんて日々思う。
ともに命懸けで仕事をしていく中――とは言え、戦闘の描写も魔法のファンタジー的な描写も、簡潔で迫力はなし――ヒロインが配属される。
王都から遙々国外れの部隊に来た理由は、ルカゼに憧れたからだ。
ブロンドの長いストレートヘアーの小顔のヒロインは、まるでお姫様のようにちやほやされる。一人を選ぶとその人に一直線だけれど、周りも程よい距離を保ったまま愛でてくれるのだ。常に逆ハー状態。一人と甘ったるく濃厚な恋愛が展開される。
それを生チョコとともに頬張っていたら、溶けきれない大量のチョコが喉に詰まった。
疲労のあまり身体は重すぎて、動くことも息も出来ず、そして――――