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三島優良の自宅は、かなり高級そうな一軒家である。優良の家庭は、現在優良を含めて4人の子どもを抱える母子家庭である。母子家庭というと、生活の苦労しているイメージもあるかもしれないが、母親の4人目の夫、つまりひとつ前の夫がかなりの株式会社に勤めるお金持ちであったらしい。離婚するときに、その男は“子どもたちに恨みはないから、お金ぐらい払う”と言って別れたという。そして、今までは全ての子どもを引き取ってきた優良の母親であったが、その男との間にできた子どもは手放している。
こんな感じで、お金には困っていないという話を聴いてはいるが、優良の母親は夜の仕事に出かける毎日で、現状はどんなものか分からない。優良の状態は、閉じこもり状態であった引きこもりから、コンビニや買い物などは行くことのできるレベルに回復してきてはいるので、徐々に学校に通えるようにするだけなのだが、それが一番難しいと言った状況である。優良の場合は、学校で嫌なことがあったというより、家庭の影響や親せきのこともあって、自分の周りにいる人間が全員信頼できなくて部屋から出られないといった状況なのだ。だから、家の居心地がいいから家に引きこもるというのではない。
優良の担任の吉田は、優良の家のインターホンを押した。数十秒くらい経って、中から優良の母親が出てくる。名前は三島亜紀である。今日の亜紀は何処か疲れているような顔をしており、服も少しだけ乱れている。何かあったのだろうかと、楓は考えたがそれを聞きはしなかった。
「ああ、先生…あの子、3日前くらいから部屋から出てこなくなっちゃった…」
亜紀の一言に、驚いた楓は隣にいた吉田とお互いの顔を見合った。
「何かあったんですか?」
楓は、亜紀にこう聞いた。しかし、亜紀からは予想だにしない答えが返ってくる。
「私に聞かないで、あの子に聞いたら…私は今から仕事だから化粧とかすましたらもう行くわ…何かあるって、私の中ではいつも何かあったるんだけど…」
そう言った亜紀は、楓と吉田の二人を自宅の中に招き入れる仕草をする。
楓と吉田は少し戸惑いながらも自宅の中に入った。
自宅のリビングには、優良の弟と妹である2人の子どもたちがいた。楓が優良とカウンセリングをしている時、いつも吉田がこの2人の遊び相手になっている。兄妹はこのほかに中学生の女の子が一人いて、今はまだ帰ってきていない様子であった。ここにいる2人は、2人目の夫との間にできた、小学校5年生の男の子俊哉と3人目の夫との間にできた小学校3年生の女の子花恋である。
「吉田先生…優良おねえちゃんがずっと出てこなくなちゃった…」
吉田のそう訴えてきたのは、一番下の妹になる花恋であった。花恋は人懐っこい性格で、すごく優良思いの妹だ。その横では、俊哉も目があった楓に対して何か言いたそうな顔をしている。
「大丈夫?」
楓は、俊哉に聞いた。
「楓おねえちゃん…優良がおかしいよ…」
「そっか、優良ちゃんが心配なんだね」
俊哉はうなずく。
一体何があったのか、話を聴いてみようと思い、楓は2階にある優良の部屋へと向かった。
ここで上げた引きこもりは、一つの例で、フィクションであり、引きこもりには様々なケースがあり、一人一人違った原因があります




