序 章
愛情は人それぞれ。
「お父様」
「どうした?」
可愛い娘が僕に話しかけてくれた。
「お人形のお話しを描いたの。お父様」
すると、娘は僕に、絵本を差し出してくれた。
「読んで欲しいの。お父様に」
娘は、ゆっくり微笑む。
娘の微笑みをみると何処か、安心すると、絵本を開いてみる。
~人形カタカタ~
大きな足枷 真っ白い髪の毛 小さな手足
小さな小部屋 小さな手 小さな玩具箱
小さなパレットと大きなキャンパス
キャンパスの上には 壊れた人形
佇む 小部屋の主人 倒れている 人形
~人形カタカタ~
真っ白い肌 真っ黒い髪の毛 大きな手足
立派な御屋敷 大きな手 暗い闇の中 眠れない男
「蝋燭を大きな手にとりまして今宵も此方に来るのね?」
~人形カタカタ~
小さな足枷 真っ白い髪の毛 小さな手足
小さい小部屋に閉じ込められた 僕の宝物
大きな人形 小さな人形 大きなキャンパス
幼き少女の小さな笑い声
~人形カタカタ~
僕は、絵本を床に落としてしまう。
娘は、微笑んだまま眠りに落ちてゆく。
月明かりが僕と娘を妖しく照らす。
これから、親子愛は、どんどん加速していきます。
あなた方にとっての楽園とは何処にありますか?