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秒で全財産を賭けて!!

作者: 笛鳴ことり

バタバタ忙しいのに子どもの声が今日も私の手を止める。



「お母さーん!!靴下片っぽないよー!」



「はいはい、、、。あっ!ここにあるじゃない!」



「あっ!ほんとだー!」



お礼の言葉なんて、、、もちろん無しだ。



「母さん、、、僕のベルトが見当たらないんだけど、、、。」



お前の母さんじゃねー!!



私の名前はきみ子だ!!



覚えとけー!!



「最後にズボン脱いだ場所にあるんじゃない?」



「そうかー!じゃあ洗濯かごの中だー!アッハッハー!」


なんもおもんねーわ!!



くそったれがーー!!!



ありがとう!!でしょ?!



私はもう限界に達していた。



これがもう十数年繰り返されているんだから、、。


あれも、、、これも、、、毎日毎日、、、。



あっ!!



そうか!!



私がいるから、、、



私がいるからいけないのか、、、!!



みんな私に甘えすぎ!!頼りすぎなんだ!!



私が、、、私がいなくなれば、、、!!



そう思った私は自分の全財産を全て使い私そっくりのロボットを有名なロボットを製造している会社に頼んで作ってもらうことにした。




        ー1ヶ月後ー



今日は待ちに待った私そっくりのロボットが届く日だ。



(ピンポーンッ!)



「はーーい!」



「ご注文頂きました商品をお届けに参りましたA社です。」



「お待ちしてましたー!今開けますねー!」



(ガチャッ!)



「わーー!!私そっくりじゃない!!これで何日も旅行へ行っても家族にバレないわー!」



「はい。喜んでもらえて良かったです。でも1つ言っておかなければならない事があります。」



「それは何?」



「これをロボットに話しかけたら停止すると言う言葉を設定してもらいたいのです。何かの誤作動があっては困りますので。」



「分かったわ。」



私はロボットを置いて家を飛び出し前から予約しておいたホテルでゆっくり過ごすことにした。



これで私は自由よー!!





だがしかし、、、その時間も長くは続かなかった。



ロボットが誤作動を起こし家の中で暴れてしまっていたのだ。



私は念の為監視カメラをつけて出て来たので、すぐにその状況を確認することができた。



「きゃーーー!!お母さん怖いーー!!」



「どうしたんだ!?母さんやめるんだー!!」



「ババババババハカヤローー!!!」



え?!ロボット話し方変だし壊れてない?!



これが例の誤作動かーー!!!



とりあえずこのままじゃ家族が大変なことになる!!



あっ!ロボットを停止させる言葉があった!



それを家族が言えばロボットは止まるはず!!



でも何て説明すれば?!信じてもらえる?!



でも迷ってる時間なんてない!!



早くしなきゃ!!



私は急いで旦那さんの携帯に電話をかけた。



「もしもし!私きみ子!」



「え?!母さん?!」



だからあんたの母さんじゃねー!って!



あぁー!そんなん言ってる場合じゃなかった!



「今家で暴れてるの私そっくりのロボットなの!」



「え?!嘘だろ?!」



「本当なの!!それを止めるにはね、、、、


『いつもありがとう』って家族が言ってくれたらロボットが止まるようになってるから早く言って!!」



「分かった!!」



「せーの!!いつもありがとう!!」



子どもと旦那さんがロボットに向けて大きく声掛けしたのが電話越しからでも分かった。



それを電話越しで聞いただけで私は涙が溢れた。


ただ一言それが欲しかっただけなんだ、、、。



ありがとう、、、、、。



その一言が、、、、。




        ー1週間後ー




以前より家族は私のことを大切にしてくれるようになった。


「ありがとう。」と言う言葉も沢山言ってくれるようになった。


それだけで私の心は満たされて家族にイライラもしなくなった。



あー!!幸せー!!



「母さん、、、あのロボット昨日粗大ゴミの日にちゃんと出したよね?」



「うん!もちろん!だってもう我が家には必要ないでしょ? ウフフフフッ!」



「そうだね、、、アハハハハッー!」





いやいや、、、、、全財産も注ぎ込んだものをそう簡単に手放せやーしない!!



今度はどんな言葉の設定にしてやろうか、、、。










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