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不器用社長  作者: sde
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出会い

この社長気持ち悪いね

夏のある日の面接日。

りかは新卒者にまぎれて大人しく面接官が来るのを待っていた。外見は清楚で顔立ちも良くスタイルもいい。りかは、志望動機をもう一度確認していた。すると扉が開き、社長、副社長、人事部の面接官が現れそれぞれ席に座った。

面接が始まった。

社長である神岡誠は、面接を受けにきたものを眺めていた。社長は、目鼻立ちのはっきりした美しい顔をしていた。眺めていると1人の女性と目があった。それは、りかだった。りかは、少し微笑み会釈をした。

社長は、驚き、ペンを落としてしまった。社長は「この子…めちゃくちゃ可愛くてきれいだなぁ…タイプかも」と思いじーっと眺めていた。その間も、りかは、しっかり目を合わせ微笑み続けた。

だが、社長は、我にかえり面接を受けている者の話を聞いていた。そしてりかのばんになり、りかはたちあがり、面接官の質問に丁寧に答えていっていた。

1時間後。会社の面接が終わりそれぞれが会場を出ていっていた。

その日の昼、社長、副社長、人事部の面接官で採用について話し合いが行われた。

りかについてはなしあっていた。1人の面接官が子の方はどうですか?」と社長に問いかけた。すると社長は履歴書を見ながら、「うーん、そうだな…キャリアも悪くない。面接官の質問にも丁寧な対応ができていた。優秀な方じゃないだろうか?採用しても問題ないと思う…」面接官は、「社長のおっしゃる通りです。では、採用という形で…では次の方…」そして採用についての会議は終了した。


1ヶ月後。

新しく事務所に新人が入る日がやってきた。

社長は椅子に腰掛け、腕を頭に抱え考えていた。「あの子、めっちゃ可愛かったなぁ…俺の事務所に来たりしねーかな?」と考えていると、ドアをノックする音が聞こえた。

社長は、慌てて体制を整え「はい」と言った。「入ってもよろしいですか?」と女性の声が聞こえた。社長は「いいよ」と言った。すると「失礼します」と言い扉を開けて中に入ってきた人物を見て社長は目を見開き驚いた。「え?マジで?え?えー」と思っていた。

それは、りかだった。

りかは、「初めまして。今日から営業部の秘書専属で、配属されました、七瀬りかと申します。よろしくお願い致します」と言い会釈をした。

社長は立ち上がり「俺は神岡誠だ。よろしく」と言い、手を差し出した。りかは、笑顔で手を握り「よろしくお願い致します」と言ったが、なかなか手を離してくれなかった。りかは、「え?なんで?え?」と少し動揺していた。

佐藤は「めちゃくちゃきれいな手だなぁ。ずっと触っていたい…」と思っていたが、時計を見て「そろそろあいつらが来る頃だな…ちえっ」と思いゆっくり手を離した。社長は、「えーと確か七瀬のデスクは…ここな!もうすぐみんな来る頃だから座って待っててくれ」と言った。りかは、「はい。ありがとうございます」と言い席について待っていた。

10分後。扉が開き次々と秘書や事務官が入ってきた。「おはようございます!」と言いそれぞれ席についていた。社長も「おはよう」と言い合った。りかは、立ち上がり「おはようございます」と一人一人に挨拶をしていた。

そして朝礼の時間になり社長は、「えー、今日の業務は以上となる。最後に今日からこの事務所に新しく配属された秘書の七瀬りかさんだ。しっかり指導をしてやってくれ」と言うとみんなは「フォー!」「イェーイよろしくー」と言っていた。りかは、「な、何?この人たち…て言うか、なんでクラブみたいなテンションなの…?」と思い、動揺していた。

昼休みになり、りかは、喫煙所でタバコを吸っていた。すると社長もタバコを吸いに来たが、りかがいたことに、びっくりし立ち止まった。「え!マジか…へぇー意外だなぁ…」と思い「おつかれ」と言いりかの隣に立った。りかは、「お疲れ様です」と言い会釈をした。

沈黙が続いた。社長は、まじまじとりかをながめた。するとりかは、吸っていたタバコを消しもう一本新しいタバコを出し火をつけ吸った。それを見た社長は「え?て言うか、え?2本目?もしかしてヘビースモーカー?」と思った。

社長は「うーん、何か話したいなぁ。でも何を話せば?…大体、話しかけてくるのは女からだったもんな。だけど、仕事のことが多かったよな?でもまだ1日目だし仕事も慣れてきてないから話も合わないよな…」と思っているとりかは、タバコを消し「社長お先に事務所に戻ります」と言い去って言った。社長は「お、おう」と言ったが「え!いつの間に!ちょまっ…!」と思っていた。我にかえり「ていうか俺あの子とずっと一緒にいたいなぁ…そうだ!いいこと考えた!」と言いニヤッと笑った。

3日後。りかは、人事の一室に呼ばれていた。「社長の世話係として社長と一緒に住んでいただきたい。承諾してくれるかな?」りかは「え!そんな…私まだ3日目ですし専門の方に頼んだ方がいいのでは?」と言うと人事は「いやー、社長が、どうしても君に世話係をお願いしたいとまぁ…駄々をこねちゃってねぇ…でも本当に身の回りのことをしてくれればいいから。ね?」りかは諦め「そうですか…ではお受けいたします」と言い人事にやることリストなどの書類をもらい事務所をあとにした。その日から社長と一緒に過ごすことになった。

その夜。りかは「社長寒くないですか?暖房おつけしましょうか?」社長は「ううん、いいよ。おやすみ」りかは布団をかけてあげて「おやすみなさい」と言いベッドに横になった。

横を見ると、体が密着するくらいだった。りかは「ちかっ!」と思い驚き社長に背を向け眠りについた。


7時。

ピピビ…ピピピ…ケータイの目覚ましが鳴り、りかは目を覚まし後ろを振り向いた。しかしどこを見ても社長の姿がないことに気づき、「あれ?いない…どこにいったのかしら?とりあえず準備しないと…」と思いミサは支度をして朝ご飯の準備をしていた。すると部屋のドアが開き社長が現れた。りかは「社長…おはようございます。お洋服はいつものところに置いてあります。それから朝食の準備ができましたのでお召し上がりませんか?」というと社長は「あー、ありがとな、着替えて食べるよ」と言った。

2人は席につき朝食を食べていた。


午前11時。

コーヒーの時間があり秘書がコーヒーを作り「社長、コーヒーのお時間なのでお持ちしました」社長「ありがとう。適当に置いといて」秘書「はい」と言い机の上に置いた。

社長は本を読みながら、コップに手を取りコーヒーを飲むと「あっつ!」と言いまた「あっつ!」と言い洋服にコーヒーをこぼした。

それを見てりかは驚いた。社長は「誰だよ!こんな熱々のコーヒー淹れたの!バカか!」と怒った。秘書は「申し訳ございません!すぐに新しいのを淹れますので!」社長「は!そっち!もういい!早く仕事しろ!」秘書「はい…」


昼休みになり社長は、熱々のラーメンが出されていた。社長はため息をつき「なぁ?誰?こんな熱々のラーメン出す人?舐めてんの?俺猫舌なんだけど?食べれないよ」と言うと秘書が「自分で冷やして食べればいいじゃないですか!もっとしっかりしてください!」社長「あ?なんだと誰に物言ってるんだ!」と言い合いになっていた。りかは「あーまた揉めてる。やっぱりこの会社おかしいわ。やめようかな…」と思っていた。



午後から社長とりかは外回りに出かけた。車の中でりかは水を飲んだ。社長はそれを見て何かをひらめき、七瀬の水をとってごくごくと水を飲み、りかに渡した。りかは驚き「気持ち悪い…何この人…」と思った。

社長はりかを見ていたが、りかは水を飲むことはなかった。社長は「ちぇっ」と心の中で思っていた。


りかと社長は事務所に戻ったが、りかは険しい顔で仕事をしていた。「なんなの!あのクソ社長!行動が意味不明!て言うか、よくこんなんで会社回るわね!信じられない…やっぱり…やめようかな…」と思っていると秘書が「七瀬さんちょっといい?」と声をかけられ廊下に出た。秘書は「七瀬さん、最近どう?困ったことない?」七瀬は「いえ、今のところはありません」秘書は「そう、よかったわ。あの事務所変わってるでしょ?あなたも噂で聞いたからもしれないけど社長、女癖悪いしあんな風に部下と喧嘩もよくするから、人の出入りが激しくてね…

で、あなたはものすごく気遣いができて仕事もできる頑張り屋さんだから、不安とか悩みを隠すタイプだと思うの。だからよかったら私と連絡交換しない?いつでもなんでも聞くから」りかは「でも、それは迷惑になるんじゃ…」秘書「ううん、全然いいの。あなたには仕事を長く続けてほしいから」りかは「は、はぁ…じゃあお言葉に甘えて…」と言い連絡交換をし

次の日も社長とりかは外回りに出かけていた。

現場につき社長は流暢に説明をして役員の1人1人に丁寧に説明をしたり質問に答えて仕事をしていた。りかは「とても仕事ができる方なのね。さすが大手の社長…」と思い感心していた。



その日の昼休み。社長とりかはタバコを吸っていた。社長は「触りたいな。手を握ってみたい…」と思いりかの手を触ろうとしてはやめてを繰り返した。

社長は「あれ?なんで俺…手も繋ぐことできないんだろ…いつもは平気で触れるのに…」と思いっていた。


次の日の朝4時。

社長は、とある海岸で砂浜に座っていた。「父さん、俺、どうすればいいのかな?父さん…」ザザン…ザザン…

すると社長は幼少期のことを思い出した「誠、自分らしく生きていけばいいんだ。やりたいように生きていけばいいんだよ…」社長は「そうか!自分らしく…!ありがとう!父さん!…」と思い立ち上がり去っていった。


その日りかは仕事をしていた。すると椅子をゴーと音を鳴らしりかの隣につき「何かわからないことある?」と聞いた。りかは「なぜ?急に…!」と思ったが「えっと…そうですね、このファイルはどうやって使えば…」社長は「あー?これ?これはね、こうしてこうして…」と言いながら勝手にりかのパソコンを使い始めたが、その時りかは、肩をトントンとたたかれ、振り向くと女性の秘書が「外回りの時間よ。いきましょうか?」と笑顔で言われた。りかは「あ…でも社長が…」と言うと秘書は「気にしなくていいから」と言いりかは戸惑いながら静かにその場を離れた。

社長は「よし!できたぞ!」と言い隣を見るとりかの姿はなかった。

社長はボードを見て時間を見た。社長「七瀬は、外回りに行ったのか…」と思い自分のデスクに戻った。


昼休みになると同時に秘書とりかは事務所に戻った。りかは「社長、今お時間よろしいですか?」社長は「ん?どうした?」りかは「あの…外回りに出かける前に教えていただいていたのに何も言わずに出かけてしまい申し訳ありませんでした…非常に集中されてたのでお声をかけにくかったと言うか…本当に申し訳ありませんでした…」と言い頭を下げた。

社長は「そうか。うん、でも俺を気遣ってくれたんだね。気にしてないから気にしなくていいよ。ありがとう」と言った。

りかは「はい」と言いキッチンに向かい社長のためにサンドイッチを作り「社長、昼食のサンドイッチを作りました」と言い社長の机に置いた。社長は「え?七瀬が作ってくれたの?上手だね!おおー嬉しいな!いただきます!」と言い食べ出した。りかは「え?挟んだり具材を混ぜたりしただけだけど…」と思っていた。


その日りかは他の秘書と外回りに出かけていた。社長は「七瀬がいないとつまんないなぁ…まだ5分しか経ってねーし。なっげー」と思っていた。

りかは事務所に戻り、しばらくすると人事に用事を頼まれ会社の中の廊下を歩いていた。するとすれ違った女が「ねぇ、この会社の社長ってめちゃくちゃ女癖悪いらしいよ?」「え?そうなの?気持ち悪ーでも優しくて仕事はできるよねーそれでさ…」と言うのを聞きりかは「え?女癖悪いの?今のところそんなところ見たことないけど…どうなんだろう…」と思っていた。






























お前が考えたんだろ!

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