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百折不撓のアルゴリズム  作者: 一ノ瀬隆
1章 観測始点の交差

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20話 『プロローグ』

僕の言葉に呼応するように、身体を煌々と輝く、黄金の光が覆った。

頭の中に、知らない記憶が、言葉が、とめどなく流れ込んでくる。



それは、誰かが語る、遠い昔の物語。使命、そして勇者としての力。



僕は、自分が何者なのか、まだわからない。

でも、レイを助けたいという気持ちだけは、はっきりと理解できた。



僕は、この力を、僕の英雄に託す。

今の僕にできる精一杯のことを、それだけを考えて、がむしゃらに。



「ごめん、レイ。僕の力、まだ僕じゃ使いこなせないんだ」



だから、僕の英雄に、この力を預ける。



「僕の英雄【ディア・マイ・ヒーロー】!!!!!!!!」



僕の心からの叫びと共に、黄金の光が、レイへと向かう。


─────────────────────────────────────


「FINAL=GEAR!」



あの男の機転によって、不完全になってしまった現状を後悔する。

同時に、同格の強者としてあの男に今の全力をぶつけたい衝動に駆られる。



俺は柄にもなく声を荒げて、自らの決意を、意志をあの男に告げる。



「貴様は、誰かを救うためだけに、ここまで戦う。俺は、貴様のその意志を打ち破り、この世界に俺たちの正義を示す!」



この世界に、我々の理想を、歴史を刻むために。

お父様が目指した、あの災厄を乗り越える為の目的を達成するために──────。



「燃え滾れ。我が心臓!FINAL=GEARのその先へ!!!!!」



俺は、命を燃やす。



これを使うのは、いつぶりだったか。文字通り、命を燃料にして、最高速を超えた一撃を放つ。



それは、俺たちの理想を、この世界に刻み込むため。


─────────────────────────────────────


──────いきなり俺の身体が光り始めた。



何が起こったのか、俺には理解できなかった。



でも、この優しい光。ユキの可憐な顔が脳裏に浮かぶ。これはユキのぬくもりだ。

この優しい光。 凍えるような夜、焚き火のそばで感じた、あの温かさだ。



そして、今までにない力が湧いてくる。無謀じゃない、勇気という力が。



乱れている魔力が安定する。疲労していた体は、みるみる元気になる。



それはまるで、絶望を『拒絶』するように世界が祝福を授けたようだった。



俺は、魔剣にこの暖かい力を注ぎこみ、祈る。



俺と、ユキが、この戦いの勝利を掴めるように。



魔剣の剣身には、「拒絶―リジェクト―」という概念そのものが刻み込まれていく。



剣身は俺の青白い光と、黄金の光が混ざったような、神秘的な輝きを放つ。



「諦めてたまるかよ。やってやる!ここでケリを着ける!!!」



その時、俺の頭の中に、誰かの声が響いた。



その声は、あのルターを超えるための、必殺技を俺の中に轟かせる。



そして俺は、魔剣を天に掲げ、その声に導かれるように、魔剣を振るう。



青と金の光が渦を巻き、世界に”新しいページ”をめくる風が吹く。 過去の因縁も、確定した敗北も、全てを白紙に戻して書き換える、始まりの一撃。

ユキの想いと、俺の魔剣を一つにして。



この戦いは、終わらない。

それは、僕とユキの、英雄譚の始まりなのだから。


─────────────────────────────────────


─────そして、二つの正義は今、ぶつかる。



「第一節《【序章】プロローグ》!!!!!」



「OVER=REV!!!!!!!!!」



両者の切り札が切られ、お互いに全力をもって突撃する。



「はあああああああああああああああああ!!!」



託された者は、その想いを信じて──────。



「うがあああああああああああああああああ!!!」



追い求める者は、その理想を信じて──────。

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