第37話 電話が鳴りました!?
イメージは黒電話です。
「さてと、次はなにして遊ぼっか」
僕は出していたゲームを片付ける。
結構面白かったけど、他にも面白いゲームはたくさんある。
何せ、魔王城は暇だ。特に魔王役は暇of暇。そもそも、魔王役が戦うことさえない。
この間、プラシア達がやって来たのは奇跡だった。
色んな奇跡が重なり過ぎたせいで、僕が戦うしかなくなった。
結局だけど、僕が勝っちゃった。
ジョイは置いておくとして、プラシア達は強かった。
でも、僕はもっともっと強い人達と戦ってボロ負けしたから、ジョイ達一般冒険者peopleに負ける気がしない。
「ユイガさん、遊んでいていいんですか?」
「いいよいいよ。暇だから」
「暇って……もし、この間に冒険者がやって来たらどうするんですか?」
プラシアの不安は最もだよね。
こうして暇を持て余している間に、冒険者が攻めてくるかもしれない。
今は戦力に乏しい。あっという間に攻略……はされないと思う。
寧ろ余裕で返り討ちなんだけど、心配しちゃうのも無理はない。
「大丈夫だよ。もし冒険者が来るなら、必ず連絡が来るからね」
「連絡?」
「うん。魔王城はテーマパーク、しかも完全予約制だかたね。冒険者が挑戦に来る際は、必ず冒険者ギルドから連絡が入る仕様なんだよ」
でも安心して欲しいな。ここはあくまでもテーマパーク。死が伴うテーマパークなんだよ。
完全予約制で、冒険者が挑戦しに来る際は、必ず数日前に冒険者ギルドから連絡が来る。
とは言え、今は魔王城の状況を知っている筈だ。
挑戦は止めて貰っていて、最近は連絡が来ない。
これで連絡が来たら何か問題が起きた時……って、フラグじゃないよ!?
「そういうことだったんですね」
「うん。だからジョイは許せないよ」
「す、すみません……」
「プラシアが謝らないでよ。もう怒っていないから」
別に怒っている訳じゃないんだよね。
ただ、ジョイが魔王城を壊したから怒っているんだよ。
人手が足りない時にこの有様。それだけはムカついていた。
「そう言えば、どうやって連絡されるんですか?」
「色々あるよ。例えばこの鏡」
僕は鏡を指さした。
謎に立て掛けられた全身鏡があるが、アレは魔導具。
何と珍しい通信機能を搭載した鏡だ。
「あの鏡は、本当重要な要所にしか置かれていない特別な代物でね。お互いの姿を遠隔で映し出すことができるんだ」
「ええっ!? それってつまり」
「プラシアの考えている通りだよ。鏡に映った人同士、会話ができるんだ。面白いでしょ?」
僕はニコッと答えた。シレッとヤバい代物だよね。
実際、こんなものが置かれているのは本当に重要な要所だけ。
それこそ王族の中でも一握りで、姿を映すことでお互いの表情や腹の割合が出来るんだ。
「お、面白ですけど、きっと、その……いですよね?」
プラシアは何故か口籠っていた。
唇がプルプル動いていて、悲鳴ものだった。
うん、そうだよ。とっても高いよ。多分アレ一枚で、一般の人の半生分の値段だよ。
「あはは、もっと手軽に使える通信装置は他にもあるんだよ。例えばこれ」
「これは……水晶玉ですか?」
「そう、水晶玉……の形をしたガラス玉。と見せかけた魔導具で、さっき説明した鏡の簡易版だかな」
テーブルの上に取り出したのは水晶玉……と見せかけたガラス玉の魔導具だ。
機能は全身鏡とほとんど同じで、正直厳しいんだよね。
何がって、魚眼レンズだから変な感じに映っちゃう。でも全身鏡版よりは比較的お安い……んだけど、冒険者ギルドには置いていないかな。
「これが冒険者ギルドに?」
「いや、無いよ」
「無いんですか!?」
「そうだよ。だってガラス玉だよ? 危ないよ? それに魔力が相当放出するから、冒険者の中には魔法使いもいて、干渉しちゃうかもしれないでしょ? だから置けないんだよ」
正直欠点も多かった。魔王城にも優秀な魔法使いは居る。
それこそ魔女とかさ、エルフとかさ、魔王城は寛容だ。
色んな人種が魔物問わず居るおかげで、干渉率が半端ない。
だからあまり役に立つ場合は無いんだよね。あはは、笑いごとじゃない?
「ってことで、要改良かなあ」
「是非お願いします」
「それは僕の家族に言ってよね。ってことで冒険者ギルドには……アレ」
指を指した先。タブレットが置いてあるテーブルの横。
何やら異物が置かれていて、真っ黒で艶やかなボディ。
受信機と受話器の二つがグルグル捻じれた線で繋がっている。
そう、超絶異物、アレこそ電話機だ。
「アレは……?」
「電話機だよ。アレで通話をするんだ」
「そんなことができるんですか!?」
プラシアが驚くのも無理はなかった。
実はアレを考案したのは僕で、それをギアッド義兄さんに頼んで作って貰った。
今の所、数は本当に少ない。
僕達義兄弟姉妹と、ディアレイの市長。後は冒険者ギルドくらいかな?
そのせいもあって、プラシアが知らないのも無理はないんだよね。
「そんなものがあったんですね」
「あったんですよ、これが」
漫才のようなやり取りを繰り広げる。
もしかしなくても、プラシアは興奮している。
だけど残念だなぁ。僕からは今の所連絡をする必要が無いんだよ。
だから誰かから連絡が来ないと、取る気は無いんだよね、これがぁ。
ジリジリジリジリジリジリジリぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃィィィィィン!!!
けたたましい音が鳴り出した。
訊いたこともないアラームに、プラシアはビックリしてしまう。
ピクンと背筋が伸びると、僕はジロッと振り返った。
「な、なんですか、ユイガさん!?」
「マジでタイミングがよすぎない? 逆に怖いよ」
まさか電話機が鳴るとは思わなかった。
何かあったのだろうか? せっかくだ。取ってみよう。
僕は受話器を取ろうと手を伸ばし、プラシアに視線を送る。
「せっかくだから試してみせるよ?」
「えっ、ユイガさん。電話? が鳴るってことは、なにかあったんですよね」
「だろうね。まぁ、吞気に構えているのはいかがなものかもだけど、そこは臨機応変に。ってことで、はいもしもし」
僕は受話器を手に取った。ガチャンと金属の小刻みよい音がする。
受話器を耳へと当てる。一体誰からの連絡か。まぁ、分かっているんだけどさ。
何か嫌な予感がすると、僕は身構えていた。
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