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第36話 嫌な予感しかしない

のんびり。

「うーん、ここかな?」

「それじゃあ、私は……こっちですね」


 魔王城の一室。管理室で僕とプラシアは遊んでいた。

 テーブルの上に盤上を並べている。

 まるでチェス盤のようで、白と黒のマス目が六四個。

 そこに並べられているのはチェスの駒……ではなかった。


 並べられている駒はとても精巧に出来ていた。

 見た目は完全に魔物で、色の塗り分けも素晴らしい。

 暇潰しに作って貰った小道具で、魔力が込められている。


「それじゃあ、ここかな?」

「はい、チェックメイトです」

「えっ!?」


 各ターンに一回だけ、駒を動かすことが出来る。

 それから一つ一つの駒に与えられた能力(スキル)を使用することが出来た。

 何度も遊んでいるから頭には入っているつもりだったけど、僕はチェックされていた。


「う、嘘ッ。は、はいっ!?」


 僕は驚いてしまった。

 まさかあの状況で見落としていた……って言うか、忘れていた。

 見えていたんだけど、ちゃんと妨害していたんだけど、上手く能力を使ってすり抜けられてしまったらしい。


「ここでインビジブルトーカー? 嘘でしょ」

「嘘じゃないですよ。スカイイーグルの飛行能力と、バーンホースのギャロップ能力を囮に使ったんです」

「まさか、たった数回でここまでされるなんて。完敗だよ」


 僕はプラシアと暇な時間を遊ぶために、このゲーム“モンスターズポイント”を教えた。

 ルールはチェスのようだけど、困自体の動きはとてもシンプル。

 複雑ななのは能力で、組み合わせ次第で無限の可能性を生む。


 その中の一つ、インビジブルトーカー。

 見た目は透明な人型魔物で、手にはニョロニョロした形の剣を持っている。

 この駒の能力は目の前の駒を無視して一つ置くの増すに移動・攻撃が出来る。


 このゲーム、チェスみたいにキングの駒が存在している。

 どちらも共通で、マスタートークンって名前だ。

 全方向に一マスずつ移動が出来て、攻撃が出来るんだけど、目の前に壁になる駒を配置していたら、まさか普通に能力を使われるなんて……完敗だよ。


「はぁ。負けちゃった。プラシア、上手くなったね」

「ありがとうございます、ユイガさん。ユイガさんも、後一手でしたね」

「あはは、そうだね。ちゃんと立ち回った筈なんだけどな……」


 僕は自然と縛りプレイを敷いていた。

 本当、僕が勝手にやっていたことで、別に負け惜しみとは思わない。

 それでも負けちゃうと少し悔しい……けど、楽しいの方が勝った。


「それにしてもユイガさん」

「なに、プラシア?」

「暇ですね」

「そうだね。ジョイと小競り合いになってから、一度しか魔王城に冒険者は来ていないけど……あはは」


 僕がジョイと決闘をした。っていうか小競り合いだよね。

 それはともかくとして、ジョイと戦ってから、魔王城に足を運んだ冒険者は一組しか居ない。

 許可を取らなければ魔王城には挑戦出来ない。一応予約制のアトラクション満載のダンジョンだから、準備に時間が掛かるんだよね。


「皆さん、罠で全滅されてしまいましたね」

「うん。初見だったみたいだね」


 結果的には一瞬で返り討ちにしてしまった。

 しかも魔物は一匹として、それからスライムが戦うこともなかった。


 何と五人パーティーだったけれど、全員罠に嵌った。

 まんまと罠に掛かり、全員撃沈。

 お金と装備だけを置いて、普通に逃げ出しちゃったらしい。アレでもCランクが過半数のパーティーで期待していたんだけど、まともな戦力が帰って来ていない今の魔王城て気に、戦わなくてよかったと冷や冷やした。


「あの、ユイガさん。もしかして、普段から罠で冒険者の皆さんを返り討ちにしていますか?」

「うーん、そんなつもりはないんだけど、ほとんど一階を突破できないからね」


 プラシアの質問は最もだった。

 実際、魔王城の攻略難易度はかなり高い。

 そもそも攻略が不可能な構造なんだけど、せめて一階は突破して欲しかった。


 それでも罠の凶悪性が冴えていた。

 そのせいもあってか、一階の罠だけで大抵は全滅。

 撃沈してしまうと、ペナルティだけが募るのが、ここ魔王城のお約束だ。


「では、私達が無事に辿り着けたのは……奇跡ですか?」

「奇跡かも。それに後で確認をしてみたら、罠の方も古くなっていて、作動までに時間が掛かるみたい。点検が必要みたいなんだ」


 プラシアを始めとした、ジョイ一行の勇者パーティーは、何故か魔王の居る部屋まで辿り着いた。

 簡単に返り討ちにしてしまったけれど、アレは多分も何も、こっちの不手際だ。


 それもその筈、奇跡的に罠が作動しなかった。

 多分前回の魔王城冒険者対策チェックの反動だ。

 そのせいで、古くなっていた罠が上手く作動しなかったり、歯車が壊れてしまっていた。

 点検を必用としていて、今では無事に作動する。ジョイが二度目に挑戦する時には、きっと扉を潜った瞬間撃沈だ。


「ってことで、プラシアも気を付けてね」

「は、はい……あの」

「なに?」


 プラシアは何か気になることが出来たみたい。

 一体なんだろうか? 僕は促し掛けた。


「ユイガさん。魔王軍でしたっけ? 戦力を増強しないのですか?」

「おお、いい所を突くね」


 プラシアは当然の疑問を抱いた。

 それこそ、魔王城がこれだけスカスカなのは、強い魔物が出払っているから。

 幹部の枠にもまだまだ余裕があって、基本的には自由にしていて、別に僕も縛らない。


 そのせいで、戦力面で偶に苦しいことがある。

 そもそも戦うことが無いんだけど、不安にはなるよね。


 プラシアの気持ちは凄く分かる。痛い程分かる。

 僕も最近痛感したばかりだからね。

 でもさ、ちょっとだけ今は無理なんだよね。だって、戦力って言ってもバラつきがあるんだもん。


「あはは、今はちょっとだけ無理かな」


 僕は笑って誤魔化した。

 逸れこそ幹部級が集結するのはまだ先のことだ。


 実際、魔王軍は一枚岩じゃない……と思う。

 だからかな、所謂強弱もバラバラだ。


 でもそれが面白いと思う。

 僕は寛容的で首を縦に振ると、「ふふっ」と笑った。


「無理なんですか?」

「そうだよ。それこそこのガラガラ状態の魔王城を見てよ。即戦力は……ううっ!」

「ユイガさん!?」

「な、なんでもないよ。大丈夫、大丈夫」


 凄まじく身震いが起きた。

 背筋がゾッとしたんだけど、これはアレかな? 予感的な奴かな?


 何だろう。凄く嫌な予感がする。

 逸れこそ面倒なことがありそうで、それを乗り越えたら何かが変わりそう。

 あまりにも漠然としたものだけど、何となくこれは信じた方がいい気がした。

 なんでかな? 訳が分からないよ!

少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです。


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