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夢
暖かな陽射し
けれど見える色はオレンジ色の空。
麦の穂が揺れる音。風がサーと耳を横切る。
その麦の色が陽射しと共に黄金色に輝く。
どこまでも、どこまでもその情景は続く。
私はその中をゆっくりと歩いている。
その光景は何故か懐かしく、暖かく心が安らぐ。
そこが何処なのか、何故そこに自分がいるのかわからない。
ふと気付いたら目の前に誰かが立っていた。
そして徐に手を伸ばす。
だが、手を伸ばす感覚があるのに手が見えない。
おかしい—
自らの手を見ようとした瞬間、身の前が真っ暗になった。
そこでいつも気付いてしまう。
あぁ、またあの夢かと…。