プロローグ
魔族との戦いの前夜である。
「明日の決戦に向けて一言どうぞ、軍師さま。いや、知制さま!」
テントの中で前日の宴をしている。スキル「軍師」を持つ曽瓦知制、異国の地から召喚された30人の勇者軍、最強と呼ばれる12人、10人の国王の側近や配下たち、1000人以上の兵隊。総勢、1053人以上の人間軍が集っている。
音魔法を駆使した魔導具であるマイクの前にきてしまった。
大勢の人に囲まれた一言はつらい。だが、ここで逃げてしまうと軍師の名にも泥がつく。深呼吸をして、一呼吸をおいたところで軍師による一言がはじまった。
「私が守りますので、思う存分敵を倒していってください。・・・・・・そして、この決戦が未来の平和に繋がるように。・・・・・・では、明日は頑張りましょうー!」
一言を終えた俺は速めた足でテント裏の木陰で休んでいる。
このままここで寝たいぐらいだ。
敵の情報や作戦を確認するために早朝、昨日の宴会場に赴き、全員が来ることを待った。
国王の側近であるカルロが声をかけてくる。
「知制さまはお早いのですね」
「寝れなかったからな」
「休息を取るのも大事ですよ」
「そうだな。君たちのおかげで私はここにいるのだからな」
おはようー!お前早すぎるだろう。おはようございます。クラスメイトも配下たちも起きてきたようなので、作戦を伝えるために全員を集めた。