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沈む黄昏  作者: 三ッ井乃
2/6

2 長いお別れ

   追伸


グラーシア様には色々とお世話になっておきながら一足お先にこの世を去っちゃって

後始末を押し付けて本当ごめんなさい!

コッチでも亭主に浮気されちゃって、私にはやっぱ二次元しかないんだなって思った訳ですよ!

地元シランスにマツモト市開発でパルコタワー建てたじゃない?

素敵なお洋服屋さんにスイーツショップに雑貨屋にメロン書店、若い子も沢山移住してきて

BL作家も出てきて作品も増えてきたからマツモト城別邸に篭もりたかったくらいよ。

でも私の立場で好き勝手に帰って引き篭っちゃダメじゃない、ケジメとしてね。

だからって訳じゃないのよ、王都でも良くしてくださる方は沢山いたし

王太后様ともノワール作品仲間として仲良くなれたけどね。


それでもこの世での未練的なコトはもう無いの。

エミールもお嫁さんのシャルロッテちゃんも立派に侯爵家を盛り立てて

孫のショーリとウィンダム、メグミにルミエールにケリアも元気に育ってるわ。

だからあの世って所があるのなら其方でやりたい事があるからそっちに行く事にしただけなの。

だから泣かずに送り出して欲しいなって思う訳で、私の身にこの世を悲観するような

悲劇的な事件が起きた!なんて無いんだから心配しないでください。

それから形見分けにしてはショボい物しかないけどアチラから持って来た物で

グラーシア様故郷の上田市所縁の

『テクテク信州⭐︎アルクマ 上田限定バージョン真田幸村歩熊』のストラップがあったので受け取ってください。


本当にありがとうございました。




封筒には更に小さな封筒が納められて、封を切れば赤いリンゴを頭に乗せた緑のクマちゃんが

赤い甲冑に六文銭の兜の前立て姿のイラストが可愛いストラップがシャラリと音を立てて滑り落ちた。


一枚目の私信はキリアラナ王国王妃 レディシナノ グラーシア キリアラナ宛てだったので

没したシランゼリシェ侯爵母君 ショーン デ リヴィエールシランゼリシェの子息

シランゼリシェ侯爵の妻 侯爵夫人シャルロッテにも確認と不正はしていないと

司法官の立会い人に音読し、内容を開示したが2枚目は王妃こと転生人 染谷 イト宛てに

シランゼリシェ母君こと転移人 手塚 恵美子からのものだったので

公開は控え、同封された遺品を譲るとあった旨を伝え、品物が異世界日本の品だからと確認だけする。


この国を建国したのが古代勇者、現代日本から召還された日本人男性だった事から

異世界日本の物は珍重され、コピー品であっても好事家が高値で買い求める程の物である事から

本当に譲って貰ってしまっても良いのかと、王妃グラーシアは侯爵夫人シャルロッテに

王家に献上とか身分とか抜きにして、姑ショーンの遺品をそのまま受け取っても大丈夫か確認し

一回持ち帰り夫の侯爵や親族と話し合う事を勧めたが、そのまま受け取って欲しいとの事だ。


「義母のご遺志です、どうかお納めください」


「そういう事ならば受け取らせて貰います」


「それからお手数お掛けしますがゼンコウジ神殿司祭様へ葬儀の依頼と

王妃様膝下シナノのクラウド ツチヤ騎士伯殿というお方へ形見の品をお渡ししたいのですが

王妃様からお渡し頂けますでしょうか?

それと義母の願いの形見分けの立会いをお願いしたく思いますが…」


「夫人、ショーンさんの最期の願いですもの、引き受けますので安心なさって。

それとクラウドにはシェン司祭と一緒に転移門を使って呼ぶから直接渡せば良いわ」


王妃グラーシアの確約により、シランゼリシェ侯爵母君ショーン デ リヴィエールの葬儀と

王妃立会いの下に行われる形見分けの儀は準備出来次第すぐにでも王都で執り行われる事となった。

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