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1 カフェ

 学園が終わったら、貴族街端にあるカフェに行くのが私の日課だ。


 本来私は伯爵令嬢であり迎えの馬車が来るのだろうけれど、産みの母が死んでしまった後、愚かな父親が迎えた後妻と連れ子が散財を繰り返し伯爵家の財政は圧迫されておりマトモな馬車が存在しない。


 いや、正確に言えばあるにはあるのだけれど私に回すつもりがないだけだ。



 ただ、迎えが来ないということは自由な時間もあるという事で歩いて帰れば時間もかかるという言い訳もできる。


 そもそも私の帰宅時間なんて把握していないのだからあの3人は気にもしていない。


 だから、ほんの2時間ほどの給仕のアルバイトを見つけて学園に通う間ずっと働き続けて貯金をしてきたのだ。


 家に置いておくと、家族に見つかる恐れがあったので学園のロッカーに隠して置いてある。


 3年間通った学園ももうすぐ卒業する。


 今後どうやって生きていくかが悩みどころだと思う。



 はっきり言って、伯爵家はもう終わりだろう。


 領民には申し訳がないが母が亡くなって以降父が目茶苦茶な税を領民に押し付け、治安は悪くなる一方だという。


 他の貴族領に一家で逃げ出している者もいると聞く。


 家令や執事、古参の召使い達も給金が払えなくなり皆居なくなった。


 屋敷も荒れる一方だが、散財は止めないあの一家は頭がおかしいとしか思えない。



 『カラン』



 今日もカフェにお客さんがやって来た。


 私は慌ててトレイを手に持った。



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