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2章-⑤

        ●


 街を出て、程なく行ったところに林に囲まれた崖がある。

 そこにできている小さな洞穴。そこが俺のねぐらだ。


「さて、どうすっかな」


 夕暮れが近い。

 本当ならば、今すぐここを引き払っちまったほうがいいのだろう。

 だが、アテがなさすぎる。


 今いるリハジマ自治区は『北東の辺境』と呼ばれるくらい何もねぇ。

 さっきまでいたタートスって街から、一番近い集落まで馬で二日はかかる。


 立地が悪すぎるんだ。


 路面はある程度整備されてはいるし、途中に数か所簡易宿泊所は設けられているが。一番近いところでも今からここを出たら到着が真夜中になっちまう。

 流石に徒歩で夜の街道を歩くのは、危険が伴う。

 野生の動物に野盗、仮にそれらに会わなかったにしろ、野宿は避けてぇところだな。


 さて、どうするべきか。

 

 自警団の奴らだって、今から街の外に俺を探しに行くくらい暇ではねぇだろう。

 何ぶん大きな祭りが近いらしい。

 そういう時っていうのは、浮かれ切ったおっさんとか酔っ払いが毎日のように騒ぎを起こすって相場が決まっている。


 だけど、なんて言ったかあの賞金稼ぎ(バウンティハンター)のガキんちょ。あいつの存在が妙に気にかかる。

 

 今朝はあいつのせいで散々な目に遭った。

 どこに逃げても、しつこく追いかけてきやがる。


 それに、俺の髪と瞳を綺麗だと言った――。


 あの時の目が、頭から離れない。


 ()()()()()()()()()()()()()。そんな気がするんだ。


 心が、ざわつく。

 まるで、大事な何かを置いてきたかのように。


「まぁ、でも、気のせいだろ! さて、これからどうすっかな」


 心の中にできた(もや)を振り払うように、わざと声を出し、荷物をまとめる。


 その時。


「見つけたぞ、コソ泥!」


 洞穴の外から、聞き覚えのある声がした。


 おい、ちょっと待て。もしかして――。


 そー……っと後ろを振り向くと、そこには葉っぱにまみれたあのガキんちょが、荒い息をしながら立っていた!


「んなっ!?」


 ちょっと待て!

 いくら何でもしつけぇ!

 そもそも、どうやってここを嗅ぎつけた!?


ようやく更新できました!

次は早くできるように頑張ります!

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