表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日常  作者: 橘 涼介
1/2

5月までの記憶

ふと、目が覚めた時に恐怖を感じたり、虚無感に襲われる時がある。

ただそれは、意味もなく起こるのではなくて、それが何かの前触れであったり、警告だったりする。

それが良いものなのか、それとも悪いものなのか。

今のところ、はっきりとはわからないだろう。だが、それが一瞬で終わることを私達は知っているからこそ、気にかけず、日常をやり過ごしている。



1月の24日に目覚めると、そこには全く先の見えない闇が広がっていた。恐くはなかったが、空っぽなのが嫌だったので、もう一度布団に潜ると闇は消えていた。しかし、反対に朝日が眩しかった。



2月の25日に目覚めると、頭痛が酷かった。だから、会社は休む事にした。

ふと、珈琲の匂いがして、心地よく眠りにつくことができた。



3月の11日に目覚めると、アラームが鳴らなかったことに気付いた。もう1時間も遅れてしまった。目覚まし時計の電池を入れ替えても動かないので、新しいものを買ってみたが、それもまた動かなかった。



4月の2日に目覚めると、泣いていた。自分が居るのが怖くて。要るのかわからなくて。とにかく泣いたら空っぽになった。



5月の30日に目覚めると、そこには何も無くて、ただの無が広がっていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ