表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
それはきっと  作者:
7/18

奪う

「せめて会いたいなあ」

 高木はもう随分と愛梨と会っていない。今度、演奏会によんでみようか。

「私は閉じ込めたい。檻に日沖を入れて手も足も縛って」

 目隠しもして。何も触れないように、何も見られないように、どこへも行かないように。

 日沖から何もかも奪ってやりたい。日沖を私のものにしたい。

「すごい危険なこと言ってるって自覚あるか」

 高木は怪訝な顔をしている。

 だけど私は、かまわずに続ける。

「それで最後は絞め殺しちゃうの。そのあとホルマリン漬けにするの」

 そうすれば、日沖はどこへも行かない。大きなビンに日沖を入れて、ホルマリンを入れて部屋に飾っておく。

「岸岡、お前」

「大丈夫だよ。実際にやったりなんてしないから」

 高木が何を言おうとしたのかは知らない。だけど、それをさえぎる。

 高木の怪訝な顔が少し改善される。それでもやっぱり怪訝な顔だ。

「当たり前だ。犯罪だからな」

「犯罪とかは関係無いよ。そんなことをしても日沖が私のものになるわけじゃないって知ってるからやらないだけだよ」

 大丈夫。私はまだ正常だ。

027 奪う

09/03/22

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ