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それはきっと  作者:
3/18

諦める

 もう無理だってわかった。

 どう頑張ってみたところで、そんなこと想像できないんだからって思った。

「だから、諦めたの」

「俺もだ」

 諦めるのと諦めないのは同じくらい簡単で、同じくらい難しい。そのことを私と高木はよく分かっている。もちろんきっと、私と高木以外にもたくさんの人が分かっているだろう。

「無理なんだよね」

 無理なんだよ。もう、どうしようもないくらいに不可能なんだ。

「考えられないんだよな」

 諦めてもう目を向けないのと、諦めずに努力するのと正しいのがどちらなのかは分からない。

 だけど私も高木も諦める方を選んだんだ。いや、選んだのではない。それ以外に道が見つけられなかったんだ。もうどうしようもないくらいに、一本道だったから。

 今から気づくのなんてバカだとは思うけれど、今まではいっぱいいっぱいで考えたこともなかった。気づこうともしなかった。だってそれが当たり前だったから。

 だけど、他の選択肢を見てみたら気づいたんだ。


 どれだけ沢山考えたって不可能なことを、これ以上考えても仕方がない。

 たくさんたくさん考えたって、日沖以外を好きになれそうもないんだから。高木だって愛梨以外を女子としてみないから。他の人を好きになる可能性なんて今の自分では考えられないから。

 だからもう、彼女以外に目を向けることを――

003 諦める

10/10/18

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