第二話 不老は祝福もしくは呪い?
「手入れしている黒色の髪は触れたら行けないような高嶺の花に感じるし、純粋な黒の瞳に吸い込まれそう」
「えっーと、口説かれてるのかな?」
なんか急に詩人になりかけているシャルちゃん。
そもそもシャルちゃん自身が高嶺の花なのでは? 身分的な意味でも。
「ち、違うわよ! 珍しい黒の髪と目が肌の白さも相まって綺麗だなって思っただけ! 他意はないわ。ほら早く立ちなさい」
「分かった。ありがとー」
男女逆のお姫様抱っこから降ろしてもらったわぁは、ようやく落ち着いて周りを見渡せる余裕が生まれる。
上を向いた時、違和感を感じた。
そういえば、わぁが落ちてきた穴が見あたらない。
この部屋の持ち主はわぁ達を後退させる気はないってことだろうか。
「さっき足を引っ張ったのってシャルちゃん?」
「なかなか降りてこないものだから、つい。悪かったわね」
「んー。飛び降りる勇気が出なかったから助かったけど、そういうことはあんまりやらないで欲しいかな」
「今度から気をつけるわ。それよりも外に出れたみたいだし、さっさとここから離れるわよ、と言いたかったのだけれど」
「ここ外じゃないよねー」
暗闇から解放されて、シャルちゃんの綺麗なスタイルや真っ赤になっている顔もばっちり分かるほど明るい空間に出たものの、今度は真っ黒とは真逆な真っ白な空間である。
「シャルちゃん、エロいねー」
「……あなたが男じゃなくて本当に良かったわ」
男として白い空間よりもやはりシャルちゃんの服装に目がつく。
貫頭衣に、腰あたりを紐で巻いているだけで、胸の盛り上がり具合がよくわかる上、横から見たら大部分が素肌という年頃の女の子には恥ずかしい状態。
その事に気づいたシャルちゃんは軽く腕で胸を隠そうとするが、逆にむにゅりと変形して……ごくり。
当然表情には出さないけれど、わぁからしてみれば眼福なので有難い。
男とバレた時は覚悟を決めよう。
「ユーレイだってあられもない姿じゃない。起伏はほぼないようだけど」
「わぁは自分自身に欲情しないから」
「そういう問題?」
シャルちゃんは首を傾げていたけれど、男なので関係ない。
「で、どうするー?」
「進めばいいんじゃない?」
「どこに?」
見る限りでは何も無い空間なのである。
「炎ノ神よ。彷徨う我らに導きを。『炎ノ道標』」
急にシャルちゃんが唱えると、真っ白な空間に突如シャルちゃんを中心に数十個の人型の炎が四方八方に拡散する。
「にゃわー!」
ぼんやりみていると、わぁの傍すれすれを炎人が走って通り過ぎた。
炎人は時間が経つにつれて遠くにいくほど、どんどん消えていく。
そして、最後の一つが立ち止まり、その場に残った。
辛うじてわぁが見える程度の距離。
「あそこに行くわよ」
「……魔法って存在するんだねー」
「当たり前じゃない。本当に田舎から来たのね」
一緒に歩いているシャルちゃんのもやもやが薄い赤紫色に一瞬変化した。
若干の嘲り?
無意識に近いのだろうけど。
「都会に行ったことあるけど、魔法なんてあったかな?」
「魔車とか自動車とかテレビだって魔力で動いているのよ。気づいてないだけでそこら中にあったの」
わぁがいた世界では電力で動いている。
であれば、シャルちゃんが言っているのは別世界だろうか。
わぁの世界でもこそこそと魔法を使っている人はいるのかもしれないが、露骨に魔法は使ってない。
わぁの家にも田舎とはいえテレビはあったんだからそれぐらい分かる。
「ここね」
「何かあるの?」
「さっきの場所から散っていった炎の直線上にある一番遠い壁がここということよ」
まだ消えていなかった炎人はわぁに手を振って消え去った。
炎人が大きく手を振っている姿は愛らしかったのでまた見たい。
それはそうとシャルちゃんの魔法はしっかり機能しているのだろうか。
わぁから見ればまだ白い世界が続いていっているようにしか見えない。
試しに手を前に出しながら前に進むと、壁に触れた。
壁なんて見えないのに。
「ここで行き止まり?」
「とは限らないらしいわね」
シャルちゃんが透明な壁に沿って指でスっーと滑らす。
ちょっと壁が羨ましい。
あの指で体を撫でられたら絶対に気持ちよくなる自信がある。
シャルちゃんの指はあるところまで行くと、奥に進む。
近くに曲がり角があったらしい。
「ここからまた道が続いているわね。もう一回魔法を使うわ。炎ノ神よ。彷徨「あぁー!!」う我らに導きを。『炎ノ道標』」
先程とは違い、シャルちゃんを中心に数十個の人型の炎が前方に半円を描くように拡散する。
焦った様子には見えないので、恐らく成功した模様。
呪文中、大声出して遮っても魔法は成功するらしい。
「急に大声出して何?」
「家で火を付けっぱなしでここにいたから、火事になってないかなって」
「私の炎を見て思い出したってわけ?」
「ごめんねー」
「はあ。天然相手はしんどいわね」
「酷いなー。天然じゃないよ」
「天然はみんなそういうの。ほら、出られるまでこの魔法を繰り返すから、今度は邪魔しないで」
なるほど。魔法にもある程度集中力がいるようだ。
わぁは残った炎人のもとに向かって歩きながら、薄い赤色のモヤモヤを纏ったシャルちゃんにグチグチ言われながら歩く。
ここからは魔法を使って道を進むそしてまた魔法を使い道を進むの繰り返しで、迷路をズルして攻略しているように感じた。
途中、ふらふらーっと壁に寄って触ったり、呪文を真似したり、占い師ごっこをしたり、炎人と盆踊りしたりして、その都度シャルちゃんに軽く怒られながら進むこと約一時間。
ここにわぁ達を閉じ込めた人は一体何がしたいのか分からないまま、シャルちゃんの魔法で着実に進み、ゴールらしき場所に辿り着いた。
「はぁ、やっと着いたわね」
「いやー、楽しかったねー」
「こっちはあんたのせいで疲れてんのよっ!」
「ごめんねー?」
流石に好き勝手し過ぎた罪悪感はあるけど、性分だからそこまで睨まないで欲しい。
もやもやの色がそこまで濃くないから本気で怒っているわけではないようだけど。
「で、この宝物庫にでも繋がってそうな扉を開けばここから出られるのかしらね」
「えいっ!」
「あ、ちょっ!」
豪華に宝飾された扉。
ボス手前の扉ってなんか自分で開けてみたくならないだろうか。
見た目の割には重くない扉をバンッと開いて、立ち止まる。
「……金銀財宝っ!」
目の前の山のように無造作に積み重ねられたギラギラ輝く宝が真っ先に目に入る。
マジで宝物庫だった。
わぁは我先にと駆け出す。
「……俗物ね」
「お金があったら嬉しいよー?」
今まで無一文だったから、これで安心して外に出られる。
しかし、わぁの思いとは裏腹に金貨を掴もうとしたその手は金銀財宝の山をすり抜けた。
「……ホログラム」
「記憶魔法の一種かしら? 残念だったわね」
幻と認識した途端、一気に疲れがきた。
「わぁの金がー」
「金に目が眩む人間はろくな死に方しないから気をつけた方がいいわ。それに実物だったとしても貴方のものじゃないわよ」
「ゲームでダンジョンで宝箱見つけたら、全部自分のものになるよ?」
「そんなゲームあったかしら? 法律でダンジョンから得られた資源は、少なくとも10%は国に差し引かれるわ。その法律を無視して作るゲーム会社なんてないはずよ」
「……うん。そうだったね」
なんかシャルちゃんの世界の話を聞くにつれてファンタジー世界の幻想が消えていくような気がする。
財宝ゲットしてもそこから所得税とか組織の会員費とかで消えていくのだろう。
夢のない話である。
わぁは金銀財宝の山から手を抜かず、そのまま体ごと突っ込み、感触がないことを虚しく思いながら通り過ぎると、目前に武器が整理されて並べられていた。
「あれ? これは触れる」
今度はホログラムではないようだ。
しかもご丁寧に一つ一つの武器に一枚の説明書が床に打ち付けられている。
「何よこれ。業物だらけじゃない」
「シャルちゃんは分かるの?」
「当然よ。国を担う一族の末裔たる私が鈍を押し付けられるようなことがあってはならないわ」
国を担う一族といえば王族か?
末裔という言葉は少し気になるが。
「わぁ! シャルちゃんって偉い人なんだー。凄い」
「分かってきたじゃない」
うわぁ、得意げな顔をして。
なんて分かりやすい人なんだろうか。
こういう人は大抵人から好かれる。
「これは強そうね。私が使えば最強よ最強。敵なんて瞬殺よ」
手を伸ばしながらも武器に触れる寸前で引っ込めるといった行為を何回も繰り返しているシャルちゃん。
「ちょっとだけ、ちょっとだけよ。窃盗防止魔法を掛けてない無能が悪いんだから」
金に目が眩むのは良くないと言った手前、武器に目が眩んだ自分が恥ずかしいんだろう。
だからってそんなに周りを見渡してもわぁ以外いないから。
それにしてもシャルちゃんが気にしている武器は斧。
シャルちゃんが持っていた紙にも確か斧術と書かれていたか。
わぁは自分のポケットに隠した、シャルちゃんの才能が記された紙をシャルちゃんに背を向けて取り出す。
だが思惑が外れ、QRコードが羅列されたかのような文字が記していたのは才能に関することではなかった。
『才の数まで武器を授ける
最終調整フェーズⅢ 武器 [獲得せよ]』
相変わらず脳に無理やり文字を読ませるような感覚は好きではないが、それよりも紙の内容が変わっていることの方が問題。
しかしこれといって対策できるようなこともない。
強いていえば適宜紙の内容を確認するぐらいだろうか。
シャルちゃんの紙だけでなく、わぁの紙も同じ内容に変わっていたから、どっちがどっちの紙だったかもう分からないが。
さて、シャルちゃんが武器に夢中になっている間に、わぁも自分に合った武器を探すとしよう。
わぁの才能は2つなので、持って行ける武器も2つまでか。
「刀にっ、槍にっ♪ 銃に弓っ♪ どーれも使える気がしないんだぁ♪」
こちとら日本の一学生である。
武器なんぞ何一つ扱い方なんて知らない。
だからといって適当に選ぶ訳にもいかない。
この建物を作った奴がわざわざここで武器を並べて貰ってくださいって表明している。
つまり、明らかに次は戦闘がありますよっていう合図に他ならないわけで。
今、使えない武器でも取った暁には、きっと一時間後には屍となって床に転がっているだろう。
「さてさてさてさて、困ったなー♪ 変わった武器さん、出ておいで〜♪」
ぶっちゃけもうまともな武器では即座に戦力強化はできない。
だからといって変わって武器が練習せずに使えるかと言われるとそうでも無いのだ。
だが、可能性はある。
「これもいいわね。強度がありつつも、魔法威力の強化に一切の妥協がないわ。この杖も貰っていいわよね?」
「そんなに遠慮せずに、持てる分だけ持って行ったら良いのに。他に欲しいのはないのー?」
「防具は欲しいけど、ここには武器しかないのよね。それにこれ以上持っても邪魔になるから、貰うとしたら補助系の武器がいいわ」
「ふーん。じゃあわぁが選ぶまでちょっと待ってて」
「……えぇ」
シャルちゃんから一瞬、薄い緑のもやもやが立ち上る。
戸惑い?
もしかして人を待ったことがないのだろうか。
まあ、今はそんなことはどうでもいい。
わぁにあってそうな武器を切に求める。
「これも武器?」
水銀のような液体金属が入っているガラスの筒が置かれていた。
床に貼ってある説明書に目を落とす。
どうやらこれはこの水銀もどきを独自の力で自由に水銀を固化したり液状化したり浮かしたりすることができるらしい。
名前は『メルキュテルム』。
扱いが難しそうだが、慣れれば結構便利な武器になりそうである。
「後、もうひとつはどうしよっかなー?」
同じ物が二つあればメルキュテルムにしたのだが、残念なことにここで用意されているのは一種類に一つだけ。
だからもうひとつ有用な武器を探す必要がある。
「……これはいい」
今度は野球ボールサイズの機械的な球形。
説明書を見る限り、簡単に言えばレーザーが発射できる、浮遊する監視カメラといったところだろうか。
名前は『タイヴェール』。
これもわぁ自身が動かなくても操作できそうなので、超人的に動けないわぁにとっては嬉しい武器である。
とりあえず、タイヴェールはポケットにメルキュテルムは筒ごと手で持った。
「シャルちゃんは何選んだのー?」
「……ユーリに比べたら普通よ。斧と杖と指輪と腕輪」
「それ以上はいいの?」
「ええ。あまりこれ以上武器に関心がわかないのよね」
「謙虚だねっ! わぁも見習ってこのくらいにしとくよ」
シャルちゃんに武器数制限の話はしていないのにも関わらず、シャルちゃんが手にしたのは丁度四つで、才能の数と同数である。
これはシャルちゃんの【直感】のお陰なのか、偶然なのか、この場所がそう思考を誘導しているのかは分からない。
ただこういった疑念が積み重なるようなら、もう少し考えるべきだろう。
それにしても右手に斧、左手に杖って万能なのか欲張りなのか。
「今度はシャルちゃんが開ける? それともわぁがまたドーンって開けた方がいい?」
「自分でやるわよ」
武器が並べてあった奥にはまた扉が備え付けられていた。
しかし、後ろのような豪華な作りの扉ではなく、質素な必要最低限のもので作られたような扉。
わぁの予想では、武器を使う機会をつくるバトル部屋だと思っていたのだが、それにしては質素すぎる気がする。
「開けるわよ」
「お化けが出てくるかもしれないよー?」
「そんなことでビビるとでも思ってるわけ?」
「そんな睨まなくても。ちょっとした冗談だってばー」
わぁは溜息を吐きながら慎重に扉を開けるシャルちゃんの後ろから中を覗き込む。
どうやら武器の扱いを練習するのはまだ先でよさそうだ。
「図書館よね?」
「貸し出されてるのかわかんないけどねー」
図書館らしきところに武器を持ち込みながら入ったシャルちゃんとわぁはキョロキョロと辺りを見回す。
無数にあるように思える本棚の中に、本がずらーっと置いてある。
本に圧殺されそうな圧力を少し感じ、居心地が悪い。
「誰もいないみたいね」
「残念。なにか情報が得られるかと思ったのにー!」
「でも本があるから情報は得られるはずよ?」
まあ、普通はそうなんだろうけど、ここの本、見たところ全部歴史書のみで構成されている。
しかもわぁが知らないファイーナという国もしくは世界の歴史らしい。
この大量の本全てがこのファイーナの歴史ならば一体どれだけの年月を記し、詳細に書かれているのだろうか。
そもそも何故ここで図書館なのだ。
武器を与えてから、情報を与えてどうするつもりなのか、はっきりしないことには安心は出来なさそうである。
「出口はないのかしら?」
「全部読むまで帰れなかったりするかも。わぁはちょっと本見てくるー!」
こういう時こそあの紙の出番である。
シャルちゃんからこちらの姿が見えないように本棚の裏に隠れ、QRコードのような字で書かれた紙を取り出す。
『最終調整フェーズⅣ 書物庫 [読め]
英雄最終調整、無問題。【不老】を付与。
精々足掻いて人類を救え』
わぁの脳に刻まれた後、紙の文字は再び自身の才能の表示に切り替わった。
『【美貌(儚げ)】【読心色】【不老】』
どうやら見ていた紙はわぁの方だったらしい。
つまり、もう一方がシャルちゃんの紙か。
これでこの紙の役目は終わりっぽいから持ち主にちゃんと返しておこう。
それよりも何故【不老】が増えたのかだが、情報が無さすぎて結論が出ないから後回しでいいだろう。
紙の出番はもう無さそうだし、シャルちゃんから隠して得したことといえば、シャルちゃんの才能が【直感】【斧術】【暴食】【炎ノ魔法】の四つであることが判明したぐらいである。
わぁはシャルちゃんに駆け寄りながら、一瞬屈み、紙を手渡す。
「シャルちゃーん。なんか落としたよ」
「ありがとう。こんなの持ってたかしら?」
恐らく紙を初めて見たシャルちゃんの表情が徐々に険しくなっていく。
紙の内容が変わっているのだろう。
「この私に向かって随分と上から目線な書き方ね。癪に障るわ。【不老】は少し気になるわね。本当だとしたら錬金術師の連中の努力が灰燼に付すわよ」
「それはお気の毒に。救うのに時間がかかるのかな? 会ったこともないのに、救うのが当然みたいな書き方は気に食わないけど」
それにしても紙の内容を信じるなら、何を読めばいいのか。
わぁは最新の歴史書を探り当て、最後のページを開く。
そこにはこんなことが記されていた。
『聖暦53年8月 ナフコール聖国滅亡。人類はアルバレス王国を残すのみとなる。
聖暦56年19月 アルバレス王国 カリクル壁が崩壊し、交易都市ジョゴヌが壊滅。
聖暦57年2月 アルバレス王国 多数の村々が全滅。
聖暦58年1月 王都カリタギラに人類が集結。
聖暦58年18月 王都カリタギラの周辺に貴防壁を建設。
聖暦58年20月 王都カリタギラが人類に残された最後の土地となる。
聖暦59年1月 神託を元に、勇者召喚、英雄召喚儀式を開始。』
取り敢えず、この歴史書の内容は理解した。
しかし、この人類が滅亡寸前の歴史書を見させて何をわぁ達にさせたかったのだろうか。
例の紙に書いてあった『英雄最終調整』と歴史書に書いてあった『英雄召喚』が頭に引っかかるが、まさかね。
「シャルちゃんも読む?」
「えぇ」
再び険しい顔に逆戻りするシャルちゃん。
為政者のはずなのにあからさまに表情を変えて大丈夫なのかな。
「人類が絶滅寸前というのは恐ろしいわね。何に追い詰められたのかも気になるし」
「自然災害だったら太刀打ちできないよねー」
貴防壁という壁を作っている時点で、津波や土砂崩れ、それに類似するものか、敵対生物に襲われているのかのどちらかだと思うわけだけど、いくらここで推測したところで答えがわかるはずもない。
もう少しここで調べ物をしたら答えが分かるのだろうが、もう時間がないらしい。
「魔力反応ね。私の知らない魔法陣だからどうなるのかは分からないのだけど」
「これが魔法陣! 神秘的で綺麗なもんだねー」
シャルちゃんが歴史書を読んだことでトリガーを引いてしまったのか、足元に幾何学的な魔法陣が発動した。
「焦ってもしょうがないのはいいとして、なんでそんなに呑気なのよ」
「性分ですからー?」
足元の輝きが増し、わぁ達はこの図書館から姿を消したのだった。