パーティーにて
時は過ぎ、放課後。
家に帰った後、30分ほど七海と膝を詰めて話し合いをした。話し合いというか、ただ俺が叱っている感じだが。
「反省した?」
「はい。流石に今日は言い過ぎでした。」
七海は本当に反省しているようで、さっき木村に電話をして、
『もしもし、木村くん?さっきはごめんね。私の事思ってくれてたのに…言い過ぎた…』
『いや、全然気にしてないよ。長い付き合いだ、流石に冗談だと分かってたし。僕にも原因はあるし。あぁ、後でみんなでパーティーをしようってなってるんだ、来てくれる?あいつらも来るからさ』
『うん…ありがと…』
というようなやり取りをした。なんとか遺恨を残さずにすみそうでよかった。
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そして、同日、パーティーにて。
「では、改めまして」
「「「「お付き合いおめでとう!!!」」」」
「ありがとう。みんな、今日はごめんね」
七海が皆を見渡して言う。
「いいって別に」
「気にしてないよ」
などなど、みんな気にしてなさそうだ。みんながいい人でよかった。
木村が仕切り直して、
「じゃあ、この話をもう水に流して、パーティーを楽しもうか!乾杯!」
「「「「「乾杯!」」」」」
それにみんなが追従して盛り上がる。
パーティーは、知り合いのお店が近所にあるので、そこの個室を借りて行なっている。
七海はというと、まだ少し表情が暗い。まださっきの話し合いが尾を引いているのだろう。
「七海、みんな許してくれたんだし、もっと楽しもうよ」
「それはそうなんだけど。あ…あきとは?」
「え?」
「明人はまだ怒ってる?」
七海がおそるおそる聞いてくる。
「ん?俺自身はもう怒ってないぞ?」
「ほんと?」
「だって俺のために言ってくれたんだろ?」
「うん…」
「しかも、七海も反省して、みんなも許してくれたしな」
「うん…」
「なら俺が怒る理由はないな」
「じ、じゃあもうイチャついてもいい?」
「程々にな」
「うん!」
そう言った瞬間、七海がピタッとひっついてくる。
そして、俺の腕に頬ずりしてくる、俺はそんな七海の頭を撫でながら
「そういえば明日、翔太が家に来るらしいけど、七海はどうする?」
「ん〜、和泉くん?私も行くよ」
「いいのか?」
「うん、だって私達のこと聞きに来るんでしょ?」
「まぁ、そうだな」
「だったら私もいた方がいいでしょ?それに、できるだけ明人と一緒にいたいしね」
「分かった、じゃあよろしく」
そうして土曜日の七海の出席が決まった。