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食卓にて


「「「いただきます!」」」


 俺も七海も極端に料理が下手とゆう事もないので、特に滞りもなく夕食が完成した。


「ん〜、おいし〜い!」


 妹様も満足している様子。


「手伝ってくれてありがとうな、七海」

「いいって、楽しかったし」


 そう言って微笑む。守りたい、この笑顔。

 その笑顔に見惚れていると、


「ねぇ、明人」

「ん?」

「いきなりだけどさ、1つわがまま言っていい?」


 どうしたのだろうか、いきなり。


「俺に叶えられる範囲なら喜んで」

「あのさ、えっと…その…」


 すごく言い淀んでる。そんなに言いにくい事なのだろうか?


「そんなに言いにくい事なの?」

「いや、えと…言っちゃうと明人が困っちゃうかなって」


 そう言って七海は少し寂しげに笑う。

 そんなこと気にしているのか。


「そんなの気にしなくていいよ、俺が七海のわがままを聞きたいんだ」

「あきとぉ」

「だから話してくれないかな?」

「うん!えっとね、明人と」

「うん」

「…学校でもイチャイチャしたいです」


 とか細い声で、呟く。恥ずかしいのか、下を向いており、そこからちらりと見える耳はすごく赤くなっていた。

ん?いや、まって今なんて言った?


「ごめん、もう一回言ってもらえる?」

「だからぁ」


半ば逆ギレ風に顔を上げさらに顔を一層赤くする。


「明人と学校でもイチャイチャしたいです」

「なるほど?」

「だっ、だってぇ…、寂しいんだもん…」


 そう言っている七海の目には少し涙が溜まっていて、けれどもしっかり俺の目を見据えいる。

それはずるいだろ。俺が涙目でこちらを見上げている可愛い彼女のお願いを断れるわけもなく。


「でも、いいのか?」

「私は最初っから学校でもイチャイチャしたかったよ。明人が事件になるって言ってたから我慢してたけど」

「学校で、色々言われるぞ?」


 そう、いきなり無表情だった彼女が次の日からこんなにもゆるゆるに緩みきった顔をして男と登校してきたらそれはもう事件だ。それで、嫌な視線を浴びるのも七海に浴びさせてしまうのも嫌なので今まで学校では付き合う前と同じ通り過ごしていた。


「いいの!もう耐えられないの、だってずっと一緒にいたいの…明人もそうでしょ?」

「まぁ、うん」


 当たり前だ、そりゃあ可愛い彼女と一緒にいたいに決まってる。


「じゃあ決定!」


 照れ隠しなのかいきなり飯をかっ込んでいく。

 決定してしまった。明日どうなってしまうのだろうか。

 流石にこれがきっかけでいじめが起こるとかないよな?


「ぼーとしてないで早く飯食べなよ、おにぃ。全然進んでないよ。」


 京の言う通り取り敢えず飯食べて寝よ。

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