過去編にて6
時はクリスマスイブ、午後3時。
俺と七海はイルミネーションを見に、とあるテーマパークに訪れていた。
クリスマスイブということもあり、周りには沢山の人がいた。俺たちははぐれないように、手を繋ぎながら最初のゲートをくぐった。
「最初はどこ行く?」
「んー? じゃあ取り敢えず、ジェットコースター!」
俺たちはジェットコースターに始まり、お化け屋敷やゴーカートなど日が落ちるまで遊び尽くした。日が落ちた頃、辺りを見渡すと園内の所々がライトアップされ、全体がイルミネーションのようになっていた。
そんな中、俺たちは観覧車の前にいた。
「じゃあ、最後に観覧車乗ろっか」
「うん! いこ!」
俺たちは手をつなぎながら観覧車に乗り込むと、
「いや〜、今日は楽しかったね!」
「そうだね。テーマパークなんて久しぶりだったし」
「たしかに私も久しぶりかも!」
「お、窓の外見てみてよ。広場のイルミネーション綺麗だよ」
「おぉ〜! 星空みたい!」
観覧車も半分程度しかまだ登ってないが、イルミネーションがよく見え、彼女の言う通りそれは地上に映る星空のように見えた。
「これ、クリスマスプレゼント」
俺は覚悟を決め、クリスマスプレゼントを取り出した。
彼女は少し驚くと、
「私もこれプレゼント!」
と、にへらっと嬉しそうに笑いながらプレゼントを渡してくれた。
「ねぇ! プレゼント今開けてもいい?」
「うん。いいよ」
そう言って彼女は俺が渡したプレゼントを開ける。
「これは……ネックレス?」
「そうだよ、七海に似合うと思って……」
そう、俺がプレゼントに選んだのは先にリングが付いているシンプルなデザインのネックレスだ。
この時のためにネットや色んな店を巡って彼女に似合いそうなものを選んだのだ。
「それで俺、七海に言いたいことあって……」
「ちょっと待って! その前に私のも開けてくれない?」
「……うん。分かった」
彼女のプレゼントを開けるとそこには、
「ネックレス……?」
「うん! なんか被っちゃったけど……」
「いや、嬉しいよ。俺、ネックレスとか持ってないし」
「うん! 喜んでくれてるなら良かった……」
彼女はほっと胸を撫で下ろしている様子だ。
「それで私も言いたいことがあるんだ」
「うん」
「まず、明人との話を遮ってごめん。けど、これだけは言っておきたくて」
「うん……」
「えっと、取り敢えず今日までありがとう! 私が今年ずっと楽しかったのは明人がいてくれたおかげです」
「いや、それはこちらこそだよ。俺も七海がいてくれたおかげで今年、すごい楽しかった」
「うん! そう言ってもらえると嬉しいなぁ。それで明人は覚えてないと思うけど、実は私たち入学式前に一度会ってたりするんだよ?」
「え?」
「ふふっ! やっぱり覚えてなかった。初めて会った時は高校受験を受ける時で明人は私が消しゴムを忘れて慌ててるのに気づいて自分のを分けてくれたんだ。それから入学して、同じクラスになった時にお礼を言おうとしてたんだけど、恥ずかしくて言うことが出来なかったんだ。だから、あの日に公園で会えて本当に良かったと思う。今、しっかりお礼を言わせて。あの時助けてくれてありがとうございました」
そう言って彼女は頭を下げた。彼女の話を聞いて俺は、
「どういたしまして。あの時の子だったんだ。俺も緊張しすぎて覚えていなかった」
「うん。まぁ仕方ないよね。本当にありがと! これからもよろしくね!」
その言葉に頷き、その後に座り直して姿勢を整えた。
「七海、次は俺の話を聞いてほしい」
「うん」
「俺は七海のことが好きだ」
「うん……」
「最初は遠くから見てて、関わることはないと思ってて、関わるにしても少し大変そうだなって思っていたけど、実際に関わってみるとすごく可愛くて……。そんな可愛い所とか恥ずかしがり屋な所とか全部ひっくるめて大好きです。俺と付き合ってください」
「―ッ。はいっ! 私も大好き!」
そう言って彼女は抱きついてくる。
観覧車は頂上まで登っていた。




