黒服
紹介された店に面接を受けにいく運びとなった。
寮からススキノまでチャリで15分。
両立させる自信しかなかった。
『鳶やってんだって?両立できるの?欠勤は困るし、その場合罰金もあるよ。大丈夫?』
『大丈夫です。頑張りますのでお願いします。』
紹介だし人手不足もありすんなりOK。
しかしまだ17歳だった櫂は、18歳と偽るようにと約束した。
そしてバイトで週2~3でのボーイ生活が始まった。
初出勤日当日。朝から仕事を終え、夜7時に卸したてのスーツを着て出勤した。
初めて見る店内の光景、櫂の目には輝いて見えた。
高そうで綺麗なテーブルやソファーがずらずらーと並び、少しあった憧れの領域に入ったと実感。
女の子が出すサインや仕事の流れの説明を受け、今や遅しとキャバ嬢の出勤を待った。
オープンは20時。15分前くらいから数人女の子が出勤してきた。
店のオープンは20時だが、客が入り出すのは21時過ぎからなので、キャストもオープン前は3、4人。
でもしっかり挨拶をして、着慣れないスーツで客が入るまでビシッと立った。
客もキャストも時間が経つと徐々に増え始め、櫂はテンパりながらも頑張った。
もちろんキャストへの挨拶は忘れずに。
そして綺麗なドレスを着た華やかなキャスト達に魅了された。
店はもちろん恋愛禁止。
櫂の店は女の子に手を出すと50万の罰金。
まだウブな櫂はそんな金額は払えないし、禁止事項は守る。
そう強く心を持ったが、やっぱりキャストが気になった。
なんとか仕事に集中して初日終了。
五時間後にはまた仕事だからチャリで急いで帰った。
ボーイの仕事明けからの鳶は予想以上にしんどかった。
ボーイは革靴での仕事だから足激痛。
会社には内緒だが、先輩方に掛け持ちの事は言ってるので、仕事もなんとか手伝ってもらいながらやる事ができた。
仕事が終わってキメることも忘れて、死んだように眠りについた。
その夜もバイト。
仕事覚えるまで連チャン。眠い目をこすりながらもチャリをこぐ。
辛かったが、そんなものが吹っ飛ぶ出来事が次々起こった。
出来事とは勃起もんのやつだ。
数日仕事をこなし、キャストにも覚えられて、話しも少しできるようになった。
まだ櫂は17歳でもキャストも若い。同年代が多いし、年上でも28歳が最高だった。
そんな魅力的な女の子のパンツがちらほら見える。これが最初は勃起もんだ。
見える度小さくガッツポーズ。
そして絶頂な出来事が。
酒も入ったキャスト達はなんとも豪快だ。
客の愚痴もかなり多いが、聞き上手な櫂は全てをサラッと上手に聞く。
そして酔っ払ったキャストの一人にはキスされた。
もう一方は千鳥足なキャストを介護してるとハグ。
童貞を脱したばかりな櫂には刺激的なものだった。