初大麻
初めて見た時から気にはなっていた。
実は言われるのを待っていた。それくらい興味があった。
ニュースで度々取り上げられるマリファナがどんなものか。
ガラスパイプの釜にネタを詰め込み、櫂の前に置かれた。
『こーやって吸うんだよ。』
パイプの横に穴があり、そこを親指で押さえながら火で先輩の一人があぶった。
煙を吸い込み、しばらくためた後に吐き出した。
『ほら、吸ってみ。』
櫂は恐る恐るなのか興味津々なのかも解らず、思いっきり吸い込んだ。
むせにむせた。
煙草と同じリアクションで一同また爆笑。
仕方がない。煙草と違いフィルターがないから直に煙が肺にくる。
しかしなんだろう。
一釜入れ終えると、五感が過ぎ研がされた。
一釜とはパイプのネタを入れる部分にネタを入れた回数を示す。
だいぶリラックスし、先輩方の会話が面白くて仕方がない。こんなにも笑ったことはないかも。
後ろで流れる聞き慣れないトランスも悪くない。ノリノリのハイテンションで、体が音楽に合わせ動いてしまう。
初物尽くしの櫂は時間を忘れ、マリファナの凄さを感じ、楽しい一時を過ごした。
気がつくと先輩の部屋の隅で寝ていた櫂。
夜明けで仕事の時間も近く、寝ている先輩を起こさないように部屋に戻った。
頭が少しクラクラし、体が重いような気がしたが、昨日の楽しかった余韻を噛み締めた。
『あの時間は何だったんだ?楽しかったなぁ』
ドハマリしている櫂がいた。
仕事の時間がきて、昨日一緒にキメた先輩方と会社に向かった。
櫂はキメるとマシンガントークになるらしく、そのギャップに先輩方は驚いたらしい。
でもそれがもっと可愛がられる理由へと繋がった。
仕事終了後、玲へのメールの返信も忘れ、率先して先輩の部屋に行った。
またキメさせてもらい、次は五感の食感について教えてもらった。
もぅブリブリでトークが冴える櫂に先輩が、
『櫂!これ食ってみ!』
手渡されたのがポテチのコンソメ味。
嫌いじゃないが、なんで?って感じで一口。
『うんめぇー!マジうまいっすよー!』
感激しすぎた櫂は、一口もあげず平らげ、
『もうないっすか?』
先輩方との交流もかなり深まり、ドライブや買い物も付き合うようになった。
そして櫂は、先輩からネタを買うようになった。
グラム6000円。
当時高いか安いかもわからず、今まで貯金に回していた金にも手を着け始めた。
そして先輩から究極の知識を伝授。
それは性行為でマックスな快感が訪れるらしい。
聞いたのが平日だったので玲とは会えず、一人エロ本でオナニー。
『やべぇ。超気持ちいい!』
たまにある平日休みや、週末には玲と会う。
その時、ヤる時は常にブリブリ。トイレで隠れながらキメて。
若さ故、暴走チンポに早変わり。
なによりいいのが、素面でやるより気持ちいい上、早漏気味の櫂が遅漏気味になる事だ。
もうガンジャを知ってからは常に顔がニタっていた。
幸せだった。