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罰ゲーム姫  作者: ゆか
2/2


俺は初恋を思い返した。

中2

金曜日は塾の迎えが親の仕事の関係で遅かったのでいつも自習室で宿題をしていた。

この日は気分が乗らなかったので近くの公園に休憩に向かったとき、女の子と出会った。


「うわ、びっくりした」

公園といっても遊具もないベンチだけのとても狭い土地だったので女の子の驚く声が聞こえた。

「こん、ばんは」

おもわずおぼつかない返事をした俺はその瞬間から彼女に恋をした。


当時の俺は150cmほどしか身長がなかった。

俺より10cmほど高い背丈、その華奢な体、とても白い肌に整った顔立ちを見た俺は

彼女を妖精のように感じた。


「こんばんは、いつも誰もいないのに人がいたからびっくりしちゃった。」


その後俺たちは他愛もない会話を楽しんだ。

俺にとっては幸せなひと時だったが彼女はどうだっただろうか


来週もまた妖精に会えるかと期待して授業が終わると公園に向かうと

「よ!変な人!」

会話していくうちに俺のことを変わっていると感じたらしく、俺は変な人と呼ばれている。

「妖精さん!こんばんは」

俺ははじめに感じた通り、彼女のことを妖精さんと呼んでいた。


妖精について分かったことは

妖精は女子校に通っている同級生。

悩みがあるといつもここの公園に来ている。

とのことだった。


そして金曜日の夜、俺は毎回そのときになると公園に向かっていた。

しかし2回目に会ったときから彼女と出会うことはなくなった。

それでも毎週欠かさず彼女に会いに公園に行った。


ある日テレビを見ていると「14歳のオリンピック出場者誕生か」というニュースが流れた。

テレビの中で華麗な背泳ぎを見せる彼女は紛れもなく妖精だった。

あ然とした俺は金曜日になるとまた公園に向かった。


その日妖精は現れた。

「こんばんは、妖精さん」

「おす、久しぶり」

落胆の様子を見せる彼女は挨拶をするとすぐにまた口を開いた。

「変人、いること少し期待してきちゃった。」

俺はすごくうれしくて気になっていたことを聞いた。

「テレビ見たよ!オリンピックでるんだって!」

妖精は様子を変えず

「だめだった、」

俺はその悲しげな様子すら愛しくて仕方がなかったが、

「筋力がね、足りてないだって、

コーチに怒られちゃった。」

妖精の涙がこぼれ落ちた。


時は戻り、

7月19日

もう一度言わせてください。大好きです。」

涙を流しながらそう言い残した彼女が俺は途端に愛おしくなった。


なぜならそれはあの日見た、妖精の涙だったからだ。


「別れようなんて言って悪かった。

俺、間違いなく君のことが好きだ、妖精さん」


誰も知らない俺だけの妖精、


あの時から30cm近く身長が伸びていたし気づいていなかったのだろう。

妖精は思い出したのか、


「変な人!大きくなったね、」

と、

また涙を流しながらそう言った。

そしてこれからもよろしく、と別れをつげて帰路についた。

それは見覚えのない妖精の涙だった。


俺はボイスレコーダーを河原にぶん投げて家に帰った。



これは異性には無縁だった私の物語。

こうして私が経験した奇跡の一週間は真実の日常に変わりました。

そしてその次の年、私はオリンピックに出場しました。

周囲の期待とは裏腹に、私はそれを機に水泳を引退しました。


全てはあの日旬くんが恋い焦がれてくれた妖精に戻るために。


時は流れ大学の入学式

俺たちは同じ大学の同じキャンパスの学部に入学した。


170cm近い背丈に程よく引き締まった白銀の体、

そして端正な顔立ちの少し大人びた妖精が俺の隣にいる。



これからは女の子としての幸せ、いっぱい教えてやるからな

コメント等で知らせて頂ければ読みに行きますので、

宜しくお願いします(#^^#)

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