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白の旅人  作者: 小山 了
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4 唯一の従者、ノイア

ここで、出てくる黒皮の服はダクソ3の黒皮装備がモチーフです。知らなかったらすみません。

野を一台の荷馬車が行く。仕立てのいい荷馬車だ。仕立ての良い荷馬車と聞くと変に聞こえるが、質の良さそうな布で張られ、切の歪みはなく腕の良い職人が手ずから仕立てたようで、さらには引く馬も名馬と言われても誰もが納得するような立派な馬だ。御者は日よけ外套のフードを目深に被り、日差しを避け足を組んで手綱を握る。艶すら感じられそうな、張り付くような黒皮に包まれる足はすらりと長く、長いブーツがよく似合う。目深に被ったフードのせいで顔の大部分は隠れているが、美形なのは間違いないだろう。ゆったりとした外套の上からでもわかる膨らみが、彼女が女性である事を強く主張していた。



私、ノイア・アウモスト=ナヴィはしがない従者であります。生まれた頃から従者として育てられて参りましたし、付き人として必要な技能を得るために様々な厳しい訓練を受けてきました。全ては、私の主人の為に。それは私の誇りであり、存在意義で御座います。


「ねぇノイア、まだ着かないの?」


「いえ、もう間もなくで御座います。彼方に見えますのが、昔に黄金の竜が魔術を伝えたという都市、オルヴェルクで御座います。」


私の後ろから顔をのぞかせた少年が私の主人、ブランス様でございます。穢れなき銀の髪、白磁の白い肌に黄金の瞳。中性的な顔立ちではあるが少年と見ても、少女と見ても十二分以上に魅力があります。


「古い時代に黄金の竜が降り立ち、一人の魔術師に原始の魔術を伝えたとされ、後にその魔術師は『黄金の賢者』と呼ばれ、学園を建てたのが始まりとされる。楽しみだね!ノイア!」


「……っ!そうで御座いますね!」


そう云うと、私の小さなご主人様は私の隣にちょこんと座ります。それだけで、太陽の匂い(勿論比喩的表現ですが)が漂ってくるような感じがして、胸が満たされるような感じがして…手綱を握る手が狂ってしまいそう……私は表情が崩れるのを、理性を総動員して堪えます。


そして私の主人その小さな体を私の体に寄せ、美しい顔から上目遣いで私を見上げ…



「そういえば、いろんな人がたくさん集まるから御飯が美味しいんだって!着いたら一緒に食べよう?」


「……っ!」


大輪の花を咲かせたような笑顔を向けてきます。もうそれだけで、私の理性が崩壊して…


「?…どうしたの?ノイア大丈夫?」


「だっ大丈夫で御座いましゅっ!たっ楽しみですねっ!」


わたしは崩壊した理性をかき集め、構築し、答え…少し噛んでしまい、心の中で主人が可愛いのが悪い、と言い訳をする。


「楽しみだなぁ!」



主人と話している内に、街に近づいた為に周りに他の馬車や旅人達が増えてゆく。もうしばらく行くと町に入る行列に混じっていきます。



「やあ、僕何しに来たんだい?」


近くの馬車の御者から話しかけられます。私は主人を守るように腕を回します。中年ですが、力仕事で鍛えられたであろう太い腕がたくましく、分厚い体は威圧感を感じてしまいそうですが、整えられた髪の毛と快活な笑顔により全くそれを感じさせません。


「そんなに警戒しないでくれよ…悲しくなるじゃねぇか…気持ちは分らんでもないが…」


「おねーちゃんに会いに行くの!」


「ははは!そうか、そうか!元気にしてるといいな!飴ちゃんいるか?」


そう云うと大きな、棒付の飴を渡します。


「おじさん、ありがと!」


「でも、二人だけってのは感心しねぇぞ?」


「大丈夫です。」


私はそう言うと、一枚の紙と銀のペンダントを見せる。


「おぉ!二級護衛だったか!それは要らん心配をしたな!」



「だとしたら、この子のお父様はすごい人なのか?」


「勿論、そうで御座います。」


「話しかけたらまずかったり…」


「いえ、見聞を広めるようにとの事ですし、人との関わりを重視しておりますので。」


「そうか、そうかそれは良かった!うん?」


「?」


そうゆうと、中年の御者は自分の筋肉を強調するようなポーズを取ります。太い腕の筋肉が盛り上がり見事な形になる。それを真似たのか、主人が同じポーズを取りますが、主人の細腕では『子供の無邪気な姿』にしか見えません。私は手で主人の目をそっと覆うと、


「こんな物を見てはいけません!」


「ははは!坊ちゃんは将来いい男いなるぞぉ!俺の地元は筋肉が持てる男の証でなぁ、俺も若いころは……」


「何てこと教えるんですかぁ!主人が将来筋肉の波動に目覚めたらどうするおつもりですかぁ!?」


「はっはっは!すまん、すまん!それで坊ちゃんの姉ってのは何処の学園だ?」


「はぁ…北のヘルドランで御座います。」


「おお!そこか!私はこう見えても、ヘルドランで勤めてるんだぜ!…そうだ!見学したければカヴァルの名前を出すといい。それが俺の名前だ!息子もそこに通ってるんだぜ!」


「おひあん、あひがほう!」


大きな飴を小さな口に咥えながら、主人がお礼を言います。


「はっはっは!ゆっくり舐めろよ!喉に詰まらすんじゃないぞ!それじゃ楽しんでな!」


そう云うと、中年御者?は先に大門の中に消えていった。


「いいおじさんだったね!どんな魔法使うんだろう?」


「さぁ…見た目、魔法が得意そうでもありませんし…」


カヴァルの本名はカヴァル・ベルレアン。彼の息子がそのうち登場します。彼の息子も筋肉の波動に目覚めています。


魔術学園都市、オルヴェルク


魔術が発展した都市。国とは名乗っていないが、確かな行政機関が存在し、十分な兵力もある。戦争前、相互の関りが薄かった魔術師が戦争中に一様に集い技術、規模がともに発展した。今の形になって百数十年と比較的新しい国。人的資源の乏しさを他国とは隔絶した魔法技術と、経済力で補っている。


此処には、竜の部位に因んだ四つの学園が存在する。


東。『貴き翼』のライルドラグム 

西。『鋭き爪』のネルドラド

南。『猛き尾』のテルドラオム

北。『賢き頭』のヘルドラン


それぞれの、学園の学長が立法、行政、軍事、知識を担っている。ちなみに、学園の確執を防ぐため、学園長以下の教員は数年に一度他の学園に移される。基本的に学園に多少の特色はあれど、教えることに違いはない。


古くからドワーフと同盟関係にあり、鍛冶の技術と魔法を組み合わせ、その質は高く、他国では再現不可能な武器の触媒を作ることができる。(触媒については別話で解説予定)


尚、中央は大きな広場になっている。これはいつでも黄金の竜が戻ってこれるようにとの事。(尚、防衛上確実に対空攻撃される)ここで平時は各学園の外の行事(体育系の授業などの野外授業)が行われる。年に一度の竜の祭典では各学園が競い合い、大いに盛り上がる。

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