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白の旅人  作者: 小山 了
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2 マリエーヌの誘拐、企て

誘拐するのはマリエーヌのほうだったようです。

「あの…マリエーヌ様…」


ブラン君を誘拐……連れて帰ってきてからお風呂に案内した後、メイドの一人が話しかけてきた。


「はい?」


「あのぉ…大変申し上げにくいのですが…ブラン様に合う服が服がございません…」


「え?」


「すみません!この屋敷には女児用の服しか…」


「まぁ!なんてこと!」


(あぁ…どうしましょう…すっかり忘れていましたわ。ここは私の屋敷…男児用の服はない…こうなったら私の子供の頃の服を…だめよ!マリエーヌそんな…そんな…素晴らしいわ!)


「いいわ、私の子供服を着せてあげて!」


「それは…レイモン様の屋敷まで行くつもりでしたんですが…」


「いえ、兄様の屋敷に行く必要はありません!それに、間に合わなかったらどうするんですか!?そんなことをしたら風邪をひいてしまうかもしれませんわ!」



「隣なのですぐにとって来れますが…」


「いいえ!女児服がいいの!それじゃないとだめなの!そう思いますわよね?!そうですよね!?」


「は、はい…?」


「さぁ!私はグラン君が風邪をひく前に服を見繕ってきませんと!」



―――――――――――――――――――――



女児服を着たブラン君は、何とゆうかやばかった…初めて直視できないという事態に陥った。藍のドレスがこの子のふわふわとした白い髪に良く映え、先ほどまでの貴族服では目立たなかったほっそりとした腕と首筋が眩しく、少し顔を赤らめながら堂々としていようとする仕草は悪戯心を掻き立てる。


「僕に合う服がないからって…いや、屋敷に厄介になっているから文句は言わないけど…やっぱり…やはりだな、恥ずかしい…」


「本当にごめんね…」


「いや。そもそも水に落ちてしまった僕がわるいのだ…。」


そう云い訳っぽく云うと、足をクロスさせスカートの両端を少し摘み上げると優雅に一礼をして、恥ずかしそうに笑った。


「…!!」


(いけない!抱きしめてしまったわ!)


ブラン君は少し驚いたような顔をしたが、ゆっくりと力一杯抱きしめ返してくれた。


「女性に抱きしめられた時は、黙って抱きしめ返すのがいいらしいからな。」


恥ずかしそうに笑う姿は、私にこの子を手放したくないと思わせた。


「こんな服僕が着て良かったの?」


「大丈夫よ!私がもう着られなくなった物だし、あげるわ。」


「…そう。ありがとう。」


――――――――-----------




「お嬢様、来客です。」


夕方、日も暮れ始めたころブラン君と談笑している頃メイドから来客の報告があった。


「申し訳ございませんが、主人のブランスはこちらにおられますか?」


扉を開けると、褐色の肌に黒い髪の美女が立っていた。彼女の豊満であるが締まった体は、露出が少ないはずのメイド服が妖艶さを映し出す。しかし彼女の黒い瞳と、薄い唇は視線を顔から下に動かすことは罪と思わせる様な美しさだった。女である私でさえ、あの唇に触れられたらどんなに幸せだろうかと考えてしまう程に。


「え…あの………い、いませんっ!」


私は咄嗟に嘘をついた。女性は暫く考えるそぶりを見せ、


「……そうですか…ご多忙の中このような時間に失礼しました。」


「こ、こちらこそ力になれず申し訳ございませんっ」


その時は、深く考えなかったが、今考えると、私の嘘はばれていたのだと思う。普通の貴族の子女がこの時間に忙しい訳がないし、貴族が多忙というのは喜ばれることではない。しかし、その女性は意外にもすんなりと下がっていった。



それから二日程私たちは夢のような時を過ごした。この子は口調以外は年相応の振る舞いだがこの容姿と組み合わさることで凶悪な破壊力をもたらしてしまう。それとこの子の出自をそれとなくきいてみたが、それとなくはぐらかされてしまい北の方の国から来たという事しか分からなかった。



ある日、私にイソレスという男の家から縁談が来た。彼の家は商人上がりの新興であり傲慢で品がないが、貴族としての力は大きく最近は家柄に箔を付けようと躍起になっているそうだ。多分これはその一環だろうが、私の家は古いといえ力は弱く断り切れなかったのだ。私は憤慨した。こんな、評判の悪い男ととの縁談など直ぐに破談にして帰ってブラン君と遊んでやるんだ、と決意した。




さて、彼の屋敷に着くと、直ぐに応接間に通され、そこには大ガマに服を着せた様な男がいた。暴食のせいか腹は丸々としている。着ているものはただ金に物を言わせたと、いう風で、ただただ派手で全体の調和がなく、縦襟の上には顎肉が乗っている。


「グフフ…これはこれはマリエーヌ殿、噂に違わずお美しい。」


品のない笑みを浮かべそう云う。


「そちらこそお召し物がよくお似合いですわ。イソレス様」


彼は紅茶を一口飲むと、


「それで、良い返事は頂けますかな?」


私もいかにも高価そうな紅茶を一口、そして


「誠に申し訳ございませんが…我が家ではイソレス様とは違いが大きすぎるので不釣り合いかと…それに、イソレス様であればより良いお相手が見つかりますわ。」


「…!?そっ…そうか…」


何故かイソレスは酷く驚いたような顔をしている。


「これからも両家の繁栄を願って。」


私は席を立とうとした時、体が痺れうまく立てずに、そのまま床に転がってしまう。


「な、何を…」


舌がうまく回らない。それどころか、頭もうまく回らない。


「なんと頭の悪い女だ!血筋だけで何の力もない弱小のくせに何故私の要求を飲まない!しかし!これで、血筋も私のものだ!はっはははは!」


「………ねぇ、おじさん?」




私はブラン君の声を聴いたような気がした。私の記憶はそこまでで途切れ何事もなかったように私の屋敷のベットで起きた。屋敷にはブラン君は居らず、家の者に聞いてもそのような子供はいなかったと云う。しかし、赤い宝石が私の手の中で煌めいている。

私はメイド服は、ミニスカートでも胸が開いているものでもなく、長袖ロングスカートのものが好きです。整合性のない服は「ん?」と思ってしまうんですよね…露出の高い鎧然り、ミニスカートメイド服然り。つまり、いつも露出が高いキャラが水着とか着ても、ありがたさが激減というか…なんというか…勿論、趣味で着てるなどの場合は別です。うん、まぁ…どうでもいい趣味に話でした。

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