第4話 これもゴミスキル!?
新しいスキルを身につけた私はメアリーと共に、もう一度あのイノシシを見つけた。。ちなみに先ほどわかったことだが、イノシシの名前は『パワー・ボア』だそうだ。
まあ、それはともかくとして、今回は2vs2、イノシシも二体いるので、私の攻撃力を試すにはいい機会だ。
「『属性付与:火』」
私がゲームシステムに刻まれた言葉を言うと、私の両手が若干赤く光る。恐らく、これが属性付与だろう。
継続時間は5分、さっさと始めてしまわなければ、
「行くよ!メアリー!」
「オッケー!」
メアリーが切りかかると同時に、私も剣を抜いて、両手の剣を同時に斬りつける。
すると、剣を斬りつけた場所から、炎のエフェクトが少しでる。なるほど、これが属性付与ね、と思うが今は戦闘中だ。あまり詳しく考える時間はない。
振り返ってきたイノシシの視界に入らないように、即座にサイドステップでイノシシの側面に動く。これをすると、判定ミスなのか2回目のバックアタックが取れるから私の攻撃力を補うのには必要だ。まあ、これをしても時間かかるけど......
しかし、今回は先ほどとは違い、攻撃力上昇が付いていた上に、JOBのおかげで能力も上がっている。つまり、
「あれ?倒せた?」
今までよりは格段にモンスターを倒しやすくなっていた。
私が困惑してると、メアリーが走ってこちらにやってきて、
「すごいよ!全然早くなってる!いやー、属性付与取った時はどうなるかと思ったけど、良かったね!」
「え、属性付与ってもしかして....」
「うん、全然属性値低いし、高レベルにしないと役立たずのゴミって言われてたんだけど、多分、属性剣使いJOBのおかげで補正入ったんだね。まあ、属性剣使い自体ゴミだから、誰も使おうとはしなかったんだろうけど」
「ま、まあ結果オーライだよ!あれ?属性付与取って、属性剣使いを取らない人なんていないんじゃ?」
「あ、もしかして、JOB詳細見てない?」
「なにそれ」
メアリーがあちゃーと言った表情で、額に手を当てる。そして、
「さっき、ネット見たんだけど、JOB選択でそのJOBの名前を長押しすれば、どんな能力か見れるの、でもその属性剣使いは能力補正の値も低いし、そもそも属性付与に影響を与えるって書いてないから、誰も取る人がいなかったのよ。それに明らかにそれの上位互換の魔法剣士のJOBもあったらしいし」
「え、なにそれ」
「最初に杖使って、杖熟練度を30まで上げると解放される『魔法』スキルと、斬撃系武器の熟練度50で出るのよ、それが」
「それは知っておきたい情報だった.....」
思わず、地面に手をつき、首もガクッと折れる。じゃあ、これもまさかのゴミ采配....こうなったらいけるところまでとことん行ってやろうではないか.....
と、逆に燃えてきたところで、ついに二つ目の街、『ツーライン』に着く。
そして、メアリーが
「今日はありがとね、フレンド登録しておいたから、暇があったり協力できることがあったら、一緒に頑張りましょ!」
「うん、ありがと!」
言って、メアリーが何処かに走って行く。
さて、私はもう次のエリアに行って、熟練度上げでもしようかな。いけるところまで行くと決めたんだし。
そう考えて、私は次のエリア、『試練の山岳』へと向かった。
♦︎
「か、硬い!」
現在、私は背中を岩で覆った大きいネズミを倒すことに悪戦苦闘している。なんと言っても、硬い!背中なんて切れたもんじゃないし、腹は全然見せてくれない。
リアルとは違い、剣の耐久度はあっても、刃こぼれはしないというのが、唯一の救いだ。
しかし、岩の上から叩いても、ダメージは入るということに気づいたのが一匹目を倒す寸前、今の三体目ももうそろそろ倒すことができそうであった。
そして、
「やあ!」
何発目かもわからない一撃を加えたところで岩ネズミがポリゴンを爆散させて、消え去る。
ドロップがアイテムボックスにあると、確認したところで
「やっぱり、双剣の利点は熟練度の早さね」
そう、熟練度100のお知らせが届いていた。まあ、ずっと剣振ってたしね......
にしても、早すぎる気もするが。
まあ、気にしても仕方ないので、まずはスキル選択、出てきたスキルは割と増えていたが、とりあえず、『素早さ上昇』、『筋力上昇』に2ポイントずつ振って、レベル2に、残りの1ポイントは『コンボ継続時間延長』にした。
そう、コンボとは10回ごとに攻撃力に5パーセントの補正が入る。つまり、私の攻撃力不足を補うにはこれが一番いいのだ。
さて、JOBはなにが出たかなと、見てみると今までのに加え、
属性剣使い中級 NEW!!
習得条件:属性剣使いのJOB熟練度30、熟練度は継続されます。
曲芸師 NEW!!
習得条件:20コンボ以上繋げる。コンボ継続時間延長スキル修得
まあ、これなら『属性剣使い中級』かなと思い、選択。よし、これでまたステータスに大幅な補正が入ったはず、岩ネズミには犠牲になってもらおう。
段々、強くなっていることの実感が湧いてきた私はウキウキ気分で歩き出した。