第1話 初のログイン
無双系にしようかと考えてますが、基本まったりと行くかもです
時計の長針が2時をちょっと超えた時、玄関のチャイムが鳴り響く。
現在、両親は社畜として仕事に出ており、家には私しかいないため、ソファから起き上がると、廊下を小走りで駆けて、玄関へと行く。
今日は、私が1年前から予約していたゲームハードの発売日、故に、このチャイムの主はサ○ワ宅急便の方であろうと半ば決めつけながら、玄関のドアを開ける。
果たして、そこにいたのは
「よーう、遊びに来てやったぜ?紫織」
幼馴染の有沢 大雅であった。
その整った顔で底抜けに明るく笑う、恐らくは私の通ってる高校の女子の大半が見惚れるものであるのだろうなとは思うが、ゲームを待っていた私からして見たら、その笑顔は非常に腹ただしいものでしかなく、私はニッコリと笑うと
「期待を返せ!このバカ!」
ドアを閉めて、彼を追い返すのであった。
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「いきなり追い出すのは酷くね?」
「わ、悪かったと思ってるわよ」
苦笑いで言ってくる彼は別段気にした様子もなく、茶化すようであった。とはいえ、向こうは一切悪くない上に、こちらに非があるのは事実。一応、謝罪の言葉を重ねてると、本日2回目のチャイムが我が家に鳴り響く。
今度こそ、と思いながら私が玄関のドアを開くと
「どーもー、サ○ワ宅配です」
と、望んだ待ち人が現れる。心の中で小躍りしながら、その荷物に判子を押して、荷物を受け取ると、速攻で自分の部屋へと持って行き、封を開ける。私が震える手付きでそれを持ち上げると、隣にいた彼も、「ほーん」と、興味深そうに見てくる。そう、これは現在、世界で大流行している最新のゲームデバイス。その名は『ヴァーチャル・エクステンション』、通称VEである。
これは指輪型のゲーム機であり、キャッチコピーは世界で最も小さいゲーム機だそうだ。
指輪程度の大きさしかないが、スペックはそこいらの据え置き型より、よっぽど高く、起動方法は音声認識、若しくはパソコンと無線で繋ぎ、パソコン側からの起動。
ちなみに、パソコンを繋がずとも指先の末端神経から視神経を通して、使用者にしか見えないキーボードや画面をだすことにより、指輪単体でネットを検索することすら出来る。
故に、ゲーム目的でなくとも、それを使ってる人もいるほどだ。
そして、遊ぶ方法としては体の神経をカットして仮想世界で遊ぶフルダイブ、若しくはこのゲームを作ってる会社、『MARY』のスポンサー会社の経営するアミューズメントパーク内に仮想世界を投影し、生身の体を動かして遊ぶハーフダイブがある。
まあ、そんなことはともかくとしてだ。私はウキウキ気分で箱を開封して、指輪を取り出すと、それを右手の薬指に嵌めて、ゲーム起動の言葉を口にする。
「hello,new world」
すると、指輪の側面に付けられたLEDライトが青色に光る。さらに私はオプションから、自分のデータを入力するために続けて言葉を発する。
「メニューオープン」
私にしか見えない光のキーボードが現れる。
そして、それを弄っていると、大雅が
「なあ、何してんだ?それ」
と、聞いてくるので、パソコンのカメラ機能をオンにした状態で私のVEと繋ぎ、そのパソコンを大雅へと渡す。すると
「へー、そういう風になってんのか」
大雅はパソコンのカメラを通して私を見ることで私が何をしてるのかがようやくわかったようだ。さて、データ入力も終わったし、そろそろ遊ぶとしよう。とりあえず
「大雅?何で今日来たの?」
大雅を帰らせないと....フルダイブ中に体を弄られるかもしれないし
「いや、何となくだけど」
「じゃあ、もう帰ろうね。私、用事あるから」
少々冷たいとは思うが、私にも事情があるのだ。
断腸の想い、ほどではないがそこそこ心を痛めながらも、告げると、
「わかったよ。じゃあな」
今日は珍しく素直に帰る。いつもならあの手この手で引き伸ばしてくるのに
まあ、いいだろう。これで私以外は誰もいなくなった。ゲームは既にダウンロードまでした。
タイトルは『innocence world on-line』。最も自由なゲームと呼ばれる。VEが発売してから、ずっと売上ランク1位の作品だ。
私はベッドに寝転がると、目を閉じて、ゲームを開始する。
「起動」
瞬間、現実世界の私の意識はシャットダウンした。
そして、目を開けるとそこに広がっていたのは中世の街並みを意識したであろう最初の街、ワンデール。
まるで現実世界にいるかのように錯覚してしまうほどリアルなそれらを一通り見て、満足すると、私は
「メニューオープン」
と、自分のステータスを確認するためにメニューを開いてみる。そこに書いてあったのは
name shion
sex female
HP 20
MP 10
STR 5
AGI 5
VIT 5
DEX 5
INT 5
SKILL
equip
所持金2000G
と、いう初心者ステータス。
ここから、私の冒険は始まる。




