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29.覚悟と決意

「治療はこれでおしまいです。しばらく安静にしていれば、傷がひらくことはないでしょう。魔法が効けば、すぐに治るのですが……」

 シスは布団をかけ、立ち上がりながら言った。足音もなく窓際に寄ってから、鎧戸をぱっとあけ放つ。

 傾き始めた太陽の光がじかに突き刺してきて、キラは目を細めた。


「ここは〝バンリュー〟。小さな町ですが、いいところです。エマール領に近いとはいえ、あの城主様は領外へは手を伸ばすことを嫌っているようなので」

 冷たい風が、さらりとなだれ込んでくる。包帯を巻いて体中が火照っていたために、それがとても心地よかった。


「騎士団支部はありませんが、行商人も頻繁に寄りますし、一通りのものは揃えられるでしょう。あの荷馬車もおいてきてしまいましたからね……なんなら、取ってきてもいいのですが……」

「あ……あれは、僕のでもリリィのでもなくて……ただ、借りてただけなんだ」

「借り物、ですか……?」

 キラはベッドで力なく横になりながら、静かにうなづいた。


 全身の傷の疼きは、綺麗さっぱり消えてなくなっている。シスは治癒の魔法が効かないことに多少動揺していたが、包帯と薬草だけでこれだけのことをしてくれた。

 リリィの言う通り、治療というのは適材適所であるのだ。


「行商人なのは僕じゃなくて、エヴァルトなんだ」

「ふむ……あなたが商人でないのは気づいていましたが……」

 シスは思案顔で部屋の中を歩き回る。神経質そうに丸テーブルやいすや調度品などの位置を整え、時には天井や床をキラの剣の鞘でたたくという行動に出ていた。

 しばらくして満足そうに頷き、彼はキラの眠るベッドまで椅子を引き寄せて座った。その瞳は、青から黒へ変わる途中だった。


「こうしてじっくりとお話しするのは初めてですからね。いろいろと聞きたいことがあるのですが、よろしいですか?」

「うん。僕も聞きたいことがあるから」

「ではまず……。なぜあなたはリリィ様と一緒に? あの方は確か、ある方を迎えに遠方まで赴いていたはずですが?」

「ある方ってランディさんのこと?」

「おや。とういうことは……英雄の関係者、あるいは〝グストの村〟の村人でしょうか、あなたは?」

「僕は……ランディさんの弟子だよ」


 シスは言葉もなく驚いていた。

 黒い目を見開き――すると、スッと青色へ変色した。

 今度はキラがびくりとして身を構えたが、何も起こらなかった。


「嘘は言っていないようですね……。〝不死身の英雄〟に新たな弟子ですか……」

「その眼って……魔法? 見たことないけど」


 キラは、興味津々でシスの瞳を覗き込んだ。

 澄んだ青色をしている。濁りなど一つもなく、リリィの瞳にも似通っていた。

 思い出してみても、リリィもセレナも、魔法を使ったからといって目の色が変わるということはなかった。セレナの方は、魔法族エルフの血が混ざっているということもあってか、幾度か瞳孔が光り輝くのが見えたが。


「ヴァンパイア特有の〝真眼まがん〟ですよ。魔法行使のための強力な補助役です」

「へえ。ほかにも違う色とかあるの? 赤とか。いや……そもそもヴァンパイアってなに? みんなあんなぶっきらぼうに変身するの?」


 一つの疑問を持つと、次々と聞きたいことが出来て、キラは矢継ぎ早に質問した。

 しかしシスはそれらにすぐ答えず、じろじろと見てきていた。

 キラは首を傾げた。

「どうしたの?」

「いえいえ。街でお会いした時とはずいぶんと印象が違ったもので、つい」

「そう?」

 シスは何でもないように笑い、続けた。


「ヴァンパイアとは何者か……それは実は、よくわかっていないんです」

「へ?」

「むろん、自我がどうとか、そういう哲学的な話ではありません。私たちがヴァンパイアであると胸を張って言えるのは、この〝真眼〟を持っているかどうか。それしかないんです。ごらんのとおり、魔法族エルフのような外見的な特徴はありませんし」

「え……。でも、傷がすぐに治ったり、白マント姿になって乱暴者になったり……」


「それが、〝真眼〟の正体であり……ヴァンパイアとは何者かという疑問を解くカギとなるかもしれません」

「どういうこと?」

「僕たちの〝真眼〟は……なんと言ったらいいのか……私たち――私の、二つ目の本性を宿しているのです。キラさん、今の私はどのような『人』に見えますか?」


「お人好し」

 キラはほとんど間をおかずに口にした。

 シスはいい人だ。いつの間にかエヴァルトと仲良くなっていたり、エリックの件で手引きをしてくれたり、タニアからの脱出も手伝ってくれたり。

 そのお人好しさは、まるでいつも尽くしてくれているリリィのようだ。

 ……シスに尽くされたいというわけではないが。そこはやはり、リリィの方がいい。いろいろな意味で。


「そのイメージと、あなたのいう『白マント姿』のイメージは、まるで違ったはずです」

「うん。なんか……荒れてた」

「簡単に言えば、その荒れた『私』が、この両目に埋め込まれているのです。そして、ふとした時にそれが表面化する――今の私と入れ替わる現象が起きるわけです」

「大変だね。……勝手に入れ替わったりするの?」

 シスは首を横に振った。


「この現象を――〝吸血鬼化〟とよんでいますが――意図的に引き起こせたとき、一人前のヴァンパイアとなるのです。どちらとも私なのに、一方が暴走して気疲れするというのは、とても変なことでしょう?」

「ん……まあ、そうかな?」

「一方の自分が受け入れがたい性格をしているので、かなり苦労するのですが……でも、どちらも『自分である』と認めたとき、面白いことに、ヴァンパイアの身体は進化するんです」

「進化?」

「傷の高速修復に、筋力の増加など。それまで何ら人間とは変わらなかったのに、一気に化け物となるのです」


 シスは、少し寂しそうな顔をしていた。

 が、それは見間違いかと思えるほど一瞬のことで、シスは朗らかな笑みを浮かべていた。


「とまあ、こんな感じです。ヴァンパイアと言う存在は。――ああ、あと目の色が他に変色するかという質問ですが……僕の聞いた限りでは、青色以外にはありませんね。もともとの目の色が違うというのは、よくある話ですが」

「そっか……」


 キラはまだ聞いてみたいことがあった。

 シスはなぜここにいるのか、と。生まれつきヴァンパイアであるのか、と。

 この不思議な種族がどれほどのいるかはわからないが、人間だらけの世界にわざわざ紛れているのは、何か理由があるはずだ。ヴァンパイアの友達もたくさんいるだろうに……。

 今の哀しそうな表情は、そういうことではないのだろうか?


 だが、聞くのはよくないことだと思った。

 もしも聞かれて答えにくいことだとしたら……。

 キラにも、そういうことがたくさんあるのだ。だから、そっと口をつむんで、黙っていた。



 開け放たれた窓から、心地よい風が撫でてくる。

 ふと気づけば、体中の熱さは消え去り、少し寒いくらいに感じた。

「しかし……英雄の弟子とは、とても興味深いですね」

 キラは布団を寄せながら、シスを見た。


「なにが?」

「目の変色は、ヴァンパイア以外にはわからないはずなんです。分かるのは……もしかしてキラさんは、『授かりし者』ですか? あの褐色の男と同じ」

「『授かりし者』……?」

「神より受け継いだ〝神力〟を有しているか、ということです。……さきほど治癒の魔法が効かなかったのも、そのせいでは?」

 キラはシスの青い目を見て、素直にうなづいた。


「やはり……。本当に、〝不死身の英雄〟の弟子なんですねえ……」

「でも、なんでわかったの?」

「なんでも、『授かりし者』は〝真眼〟を見分けることが出来るらしいんです。それがどうしてだか、判明していないのですが……。リリィ様のこともありますし、謎は深まるばかりですねえ」

「リリィ?」


 彼女がどうしたというのだろう?

 キラは青から黒へと変わっていく目をじっと見た。

 シスは言いづらそうにして、少し視線を逸らした。


「……もう打ち明けてしまいますが、あの方も私の〝真眼〟を見分けたのです。初対面の時に。『授かりし者』でないにもかかわらず。……そのあたりのことを、何かリリィ様から聞いていますか?」

 キラは首を振った。

 リリィは『授かりし者』ではない――そうであってほしくない。

 もしも彼女が、キラと同じように治癒を受けられない体となったなら……。そんなこと、考えるだけで嫌だ。

 それにリリィは、神に力を与えられるまでもなく強い。


「ううん。そもそも、僕は君のことを一つも聞いていないしね」

「おや、そうでしたか? これは失礼」

 シスは丁寧にお辞儀をして、

「では遅ればせながら自己紹介を」

 黒マントの内側から真っ白な手の甲を見せた。

 最初は何も書かれていなかったが、次第に甲の中心が黒ずみ、『Ⅵ』という文字が浮かび上がる。


「私はシス。竜ノ騎士団の『裏』に所属している者にございます」

「裏……?」

「リリィ様の夫であるあなたならば、きっと内密にしてくれることでしょうが――」


 シスが不気味な笑みで同意を求めてきたので、キラは頬をひきつらせた。

 誤解である、と言いたい。

 本心はそうありたいと思っている。『リリィの傍を離れないでいる』――その約束が、ずっと続いたなら、と。

 ラスティやエマールの前で堂々と宣告したのも、そのためだ。

 が、キラは彼女の夫であると言ったわけではない。あくまで、『婚約者候補』として名乗ったのだ。

 ……名乗ったつもりである。興奮していて、何を言ったかは覚えていないのがとても不安だ。


「暗殺や密偵などを行う部隊ということです。その任務内容はごく一部にしか明かされない……たとえリリィ様であっても、知ることはない。つまり――あなたの目の前にいる六番目シスという人間は、世間一般では、存在していないということです。お分かりいただけますね?」

 シスの今までにない異様な圧力に、キラは気づかぬうちに頷いていた。


 彼は少ししてからにこりと笑い、窓の外に目を向けて、おや、とつぶやいた。

「時間をかけるのもあまりいけませんね……そろそろ戻らねば」

「エマール領に……?」


 キラは、ふと思い出した。

 リリィはエマールのことを裏切り者と言っていた。

 怒りのあまりそうやって罵倒しただけかと思っていたが、シスの素性を知った今、何か理由があるように思える。彼と初めて会った時、彼女は愕然とした様子を見せていたのだ。


「シスはなんで……?」

 キラは、再度部屋を歩き回るシスに問いかけた。

「ふむ……どこまで話していいものやら……。あなたがリリィ様と情報を共有しておきたいという意味でならば……エマール領領主であり、エマール家当主であるトレイトは、国を売った・・・・・重罪人であるのです。それが多くの犠牲を生み、果てはあの方の母君まで命を失うこととなった……そう言えば、理解ができるかと」

「……!」


 リリィが怒るはずだ。目の前に親の仇がいたのだから。

 だが、シスは一体そんな不届きものがいるところで何をしているのだろう?

 裏切り者と発覚したのなら、エマールに対して何か行動を起こしてもいいのに、彼は任務を全うし、傭兵としてタニアに潜んでいる。

 なぜ……?


 キラは続けて聞こうとしたが、シスはお終いとばかりに、「さて」と切り出した。

「リリィ様もいずれ到着されるでしょうから、じっとしていることです。あの太った領主殿がこの町にまで追っ手を出すことはないでしょうが、一応結界をかけておきましたので、くれぐれも外出はされないように」

 シスはフードを深くかぶり直し、ベッドわきに立った。

 そして、深刻な声を出して忠告する。


「――お会いしたとき、死を覚悟した方がいいと忠告しましたが、あれは本当ですからね」


 キラは眉をひそめた。

 あの時は、彼が何者かが分かっていなかったから、不気味に感じていたが……。

 今となると、違和感がある。


「シリウス様は超が付くほどの親バカです。単なる親バカと思っていたら、命を失いますよ」


 シスは真剣そのものだった。

 深刻そうに眉を顰め、青い瞳を濃い青色に染めつつ、

「それと、婚約の正式なご報告は慎重に。私はその件に関しては口出しをしませんし、報告も行っていません。口づけも交わしたのに、それを反故にしてしまうと……多方面から大変なことになりますよ?」

 そう言い残して、〝無陣転移〟を発動して去ってしまった。


 キラはぴしりと固まっていた。

 やはり、誤解であると言っておけばよかった。

 そう、深く後悔した。



   ●     ●     ●



 窓の外で、陽が徐々に落ちていく。

 一日に一度しか訪れない夕暮れ時の色というのは、何とも悲しく、何とも切ないものであった。赤色という、耳で聞けば派手な単語だというのに、差し込んでくる光はとても弱弱しい。

 時が刻まれるごとに、その色は陰っていき、闇を作っていく。

 やがて、部屋が呑み込まれてしまった。暗く、黒く、寒くなる。


 そんな中に一人、ベッドに腰かけてピクリともしない人物がいた。

 レピューブリク王国国王、シャルル三世。かつては王族の面汚し、『放蕩王子』などと呼ばれていた男である。


 嘲笑や侮蔑などもろともせずに一国の主を務めてきた彼が、影に呑まれた部屋で、まるで廃人のようにぼうっとして天井を見上げていた。引き締まった体つきも、ピンとした姿勢も、精悍な顔つきも、どれ一つとしてその面影はなく、相応に老いていた。

 老人は深く長くため息をつき、すると、しわがれた手からするりと一枚の羊皮紙が滑り落ちる。


『古くからの友、シャルに――。勘が告げている。やはり私は、君ともう一度顔を合わせることはできないようだ……。願わくば――』


 送り主の名前は書かれていない。が、彼にはすぐにわかった。

 だからこそ、五十年来の友がこんな手紙を送ってきたことに、動揺し呆然としていた。


「……そうか……今度は・・・お前がこの波に呑まれてしまうのか……。お前の勘はよく当たるからなあ……」

 年を取れば失うものが多くなる。

 老いとともに多くの悲しみに立ち向かうこととなる。

 ――そういう時はいつでも、手足をもがれたような気分に支配されるのだ。


 シャルル三世は――『シャル』は、消えゆく友人の背中姿を闇のなかに垣間見た。

 深く、深く、うなだれ、ため息をつく。


 ……と、不意に、足元に光が差した。

「ぶしつけながら、失礼いたします。ノックをしましたが、お返事がなかったので」

 凛とした若い女性の声が聞こえた。


 見ると、王国騎士軍参謀長クロエ・ド・ラクールがピンと背筋を伸ばして立っていた。背後で光玉がまばゆいばかりの光を放ち、ふよふよと浮かんでいる。

暗闇の中では彼女の碧眼が妙に輝き、きょろきょろと怪訝に周囲を怪しみつつも、全く動かないでいる。

 規則に厳しく、任務と主に忠実な彼女らしい行動だ。


「……いかがされたのでしょうか、陛下?」

「ああ、なんでも……考え事だ、気にするな。要件を」

「は」


 しかしクロエは、頑として動こうとしなかった。


「……入室の許可を」

「……要件を、といった時点で入ってきてはくれないか?」

「最重要人物のお部屋です。お言葉なくして、入室は出来ません」

 いつものような硬い口調の硬い内容に、シャルル三世は頬をほころばせた。


 女性にもかかわらず、耳を出してさっぱりとした髪形をしたこのクロエという騎士は、信用のおける人物だ。二十二という若さながら、参謀長の椅子に座るのだから、その有能さは誰もが認めるところである。

 それは彼女の規則正しく真面目な態度であるからこそだが、いかんせん融通が利かない。貴族出身で教育が厳しかったからか、はたまた彼女自身の性格の問題か……。


 しかし、心をかき乱されたシャルル三世にとって、彼女のいつもの態度はありがたいものでもあった。

「入室を許可しよう」


 クロエは深くお辞儀して、そっと部屋に足を踏み入れ、きちんとドアと向き合って音もなく閉めた。

 彼女はぐるりと見渡し、指を細かく振り回した。すると、暖炉の火がぼっと燃え上がり、壁際の蝋燭も次々と火がともっていく。

 五秒後には、光玉も必要がないほど、部屋は暖かい光で満ちていた。

 クロエは満足そうに頷き、シャルル三世が腰かけるベッドの元で膝をつく。


「再度聞こう。要件は? 君がこんな夜に訪ねて来るのはずいぶん珍しいが……」

 問いかけながらも、老いた国王はその用事をなんとなく察していた。

「は。動きがありました。まずは……シリウス様からの書状です」

 やはりな。シャルル三世は口の中でつぶやき、両手で差し出された書簡を手に取った。


 竜ノ騎士団大元帥、シリウス・エルトリア。彼のことはずいぶん昔から知っている。自分のことを指導者として未熟であると過小評価しているが、そんなことはなく、騎士団の皆は彼の指示を絶対と信じている。

 それはシャルル三世も同じであり、だからこそこの急な手紙に、表情を引き締めた。

 丸められた羊皮紙をさっと開き、目を通す。


 シリウスとこうして秘密のやり取りをするようになったのは、もう十年以上も前のこととなる。時にはクロエや騎士団の師団長の一人であるエマも交えて、顔を合わせた会合を開くのも珍しくない。

 が、正直にいって、気が重い。秘密の会合が開かれ、誰にも知られることなく事が動いたときには、必ずシリウスの娘たちが――リリィとセレナが心を痛める、あるいは憤慨することとなるのだ。

 それもこれも、すべてエマール家のせいなのである。あの家柄が、せめて『御三家』でなければ、こんなことをする必要はなかった。

 

 シャルル三世は用心して目を通したが、書かれていたのは実にシンプルで、


『状況変化。イレギュラーあり。即刻、王位を三人のうち一人に譲渡し、三方へ散らせるべし』


 しかし、ずいぶんな内容だった。

 よほど急いでいたのか、最後の文字がこすれて読めなくなっている。


「すでにのど元にはナイフが突きつけられている、か……」

 シャルル三世は難しい顔で唸った。

 こんな時には、いつも頭によぎる。

 彼がいてくれれば……〝英雄〟がいてくれれば……。今まで以上に、強い願いだ。


 だが彼はいない――いなくなるのだ。

 自分で決断しなければ。甘えてはいられない。


 ――年を取れば、失うものが多くなる。

 そして同時に、決して失ってはいけないものも多くなるのだ。


「いかがされます?」

 クロエが厳しい表情で聞いてきた。

「……アドルフ、ピエール、ルイーズを呼んできてくれ。緊急であると、伝えるのだ」

 腹をくくらなければ。

 ここが正念場である。

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