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終末の焔  作者: 幻月猫
№001 Beginning
3/3

ALCADIA

「――という訳で、今日からここに入る夏陽ちゃんだ。こんな時期に新入生は珍しいとは思うけど、ちゃんと本試験合格してる子だから大丈夫だよ。まだシステムとか何も分からないだろうから、ちゃんと教えてあげてね」


「うぃ〜」

「はい〜」


軽い返事が聞こえる。


(…こんなに、少ないものなのですか。否、少ないという以前に…)


教室は、階段状になっていて、結構な広さを持っている。

しかし、その広さの割には、机が殆ど余っていた。

というか、


(私とギルド長合わせても4人ですか。――しかも、女性ばかり)


一番手前の真ん中の机に、金髪のツインテールの子と、エメラルドグリーンの長髪の子が座っているだけ。

あとは、もぬけの殻。


「…初めまして、黒崎夏陽です。今日からお世話になります。どうぞ、宜しく」


そして、その二人との距離が、結構近い。


「ホントにこんな時期に珍しいわねぇ。あたしは、琴条香凛よ」


金髪の子が答える。


「私は翡翠君影。ここの副ギルド長をやってるの。宜しくね」


エメラルドグリーンの子が答える。


「ここ、アルカディアは、他のギルドと違って〈超〉少人数教室でね、特有の規則もあって、ちょっと変則的なんだ。まあ何、特別教室みたいなものだよ」


「特別教室、ですか?」


ギルド長の話によると、ここは、これでもギルドの中でもトップクラスの魔物の討伐成績らしい(この人数で?と疑問に思うが、取り敢えず伏せておく)。

それ故か、忙しさもトップクラスなんだとか。


第一に、基本的に授業の予定は、最初の2時限は普通の授業、次の1時限は実戦訓練、昼食を挟み、あとは、午後4時まで実戦というハードスケジュール。

第二に、土曜日は学園全体での模擬戦の日なので、挑戦状が送られてきたら、必ずそれを受ける。

第三に、日曜日は休日となっているが、ギルドメンバーは朝の間は実戦に出る。


「模擬戦は、中、高等部の生徒や、他のギルドメンバーと互いの実力をぶつけられる場だから、夏陽ちゃんも気になる人がいたら積極的に挑戦状を送るといいよ。まあうち以外は皆断る権利を持ってるから、出来ない場合もあるけどね」


「…はい」


どうやら、このアルカディアというギルドは、大分厳しいところであるようだ。

赤判定の自分は大丈夫なのかと、夏陽は内心不安になる。


「じゃあ、早速授業を始めるから、香凛ちゃんの隣でも座って。あ、教科書なんかはいらないからね。机に設置してるパネル使うから」

カフカ魔術学園三つの教訓

一、初心忘れるべからず

二、命は財であり、宝である

三、盟を破るべからず

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